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遺構は少ないけど、小城陣屋は江戸時代を代表する剣豪ツートップゆかりの地でした

小城陣屋のことを知ったのは「さくらの名城めぐり」のバッジをつくったときでした。
第2代藩主・鍋島直能がつくった庭園跡は現在、小城公園となっていて「日本さくら名所100選」に選ばれています。

きれいですよねえ。今回は桜の時期にはまにあわなかったのですが、緑が多い素敵な公園でした。

今度は桜が満開のシーズンに来てみたいものですね。

そもそも「陣屋」というのは江戸時代にお城を築くことを許されなかった大名(無城大名)などが構えた屋敷、藩庁です。
一般的に3万石が城を持っていいかの基準になっていたようですね。

なお、小城藩というのは7万3000石あったそうですが、佐賀藩の支藩であることから築城は許可されなかったようです。
じっさい第9代藩主・鍋島直堯は、肥前藩から独立して城主格となることを望んだようですが却下されています。

佐賀藩にも徳川将軍家と同じように御三家というのがありました。
蓮池藩(蓮池鍋島家)、小城藩(小城鍋島家)、鹿島藩(鹿島鍋島家)という三支藩が、それぞれ初代佐賀藩主・鍋島勝茂の息子や弟に分与されてできたそうです。
でも小城藩は本家や他の支藩とは仲が悪かったみたいですね。

残念ながら小城陣屋の遺構はほとんど残っていません。
唯一の遺構が、これです。

この1メートルほどの石橋が当時のものだそうです。

小城市立桜岡小学校か小城市小城公民館の駐車場になっていて、ぼくが写真を撮ろうとしていたときもクルマがふつうに橋の上を通っていました。

いいのかなあ。有効活用と呼ぶべきか。
悩ましいですね。たいした川幅でもないのであらたに橋をつくってもいいような気もするけど。

じつは花見の時期でもなければ小城陣屋の見学はこれで終わりです。
なので電車で来ると、けっこう時間をつぶすのが大変だったりします(電車の本数が少ないので)。

いちおう参考になりそうな周辺スポットを紹介しますね。

まずは烏森稲荷神社です。
石橋のところから山側(小学校と反対側)に向かって歩けばすぐです。

大きな赤い鳥居はすごく目立つのでわかりやすいです。

いちおうここが参道のようです。

石段をのぼると、小城市内が一望できるらしいのですが木が生い茂っていてよくわかんなかったです。

伏見稲荷大社ほどではないですけど、20くらいの赤い鳥居が並んでいます。

この烏森稲荷神社は第3代藩主・鍋島元武によって創建された神社で、江戸屋敷内に奉祀されていた「烏森稲荷」を遷宮し、宮島武蔵によって勧請(かんじょう)されたというんですけど、いきなり宮島武蔵の名前が出てきてびっくりしました。

ちなみに「勧請」というのは、その土地の守り神を祀る「産土神社(うぶすなじんじゃ)」と異なり、神さまの分霊をべつの神社に移すことをいうそうです。そうしてできた神社を「勧請型神社(かんじょうがたじんじゃ)」と呼びます。
神道では神霊は無限にわけることができるそうで(すごいな)、その分霊が宮島武蔵によっておこなわれたということのようですね。
あと名前からわかるようにもともとは伏見稲荷大社が分霊されたものです。赤い鳥居が並んでいるのもその影響なんですかね。

こういうことを学べるから周辺散策も楽しいです。

次は岡山神社。
烏森稲荷神社と小城公園の間にある神社です。

ここには柳生宗矩を祀る玉成社、柳生十兵衛を祀る武成社が祀られています。

鍋島元茂は柳生宗矩にも認められた剣の達人で、木村友重とともに徳川家光の打太刀をつとめていました。
元茂は宗矩から『兵法家伝書』(へいほうかでんしょ)を与えられていますが、この『兵法家伝書』は宮本武蔵の著した『五輪書』とともに、近世武道書の二大巨峰といわれているそうですが、さきほどの烏森稲荷神社には武蔵とつながりがあり、この岡山神社に宗矩の墓があるというのはなんだかすごいことですよね。

小城藩、なかなかすごくないですか。

そんな小城の歴史を知ることができるのが、図書館に併設された「桜城館」という歴史資料館です。

小城は全国にある「小京都」と呼ばれる地域のひとつでもありますので、毎年「小城祇園夏祭り(山曳祇園)」がおこなわれていて、そこで使われる山車が展示されていました。

夏に来るのもいいかも。

2階が資料館になっています。

展示室の中は撮影不可でしたが、復元模型など戦国時代〜江戸時代の展示もたくさんあったので満喫できると思います。見学は無料ですしね。

休憩できるスペースがありますので、ここで時間をつぶして駅に戻りました。
(クーラーも効いてるのでここで調整するのがベストです)

そうそう、これが小城駅です。雰囲気あっていいですよね。

駅舎は佐賀県の遺産に認定されてるそうです。

1989年(平成元年)公開の映画「男はつらいよ ぼくの伯父さん」のロケにも使われたそうです。

ぼくが田舎出身だということもあって、こういうのどかな単線の風景は大好きです。

千葉城というのもあったみたいですけど、歩くと40分かかるみたいなのでまた今度ですね。
(ホタルの名所にもなってるそうです)

あと小城は「小城羊羹」という名物があります。市内には20軒以上の羊羹屋さんがあるとか。
このへんは江戸時代、長崎に届いた貿易品が全国に運ばれる街道沿いだったことから、当時貴重な砂糖を使った菓子づくりが盛んだったそうです。

今回は荷物が多くて諦めたんですけど、小城市観光協会が運営するサイトで購入できるみたいなので、ちょっと買ってみようかなあ。

   
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