前回訪問から約1年ぶりとなりますが、また熊本城を訪問してきたので最新状況をレポートします。
ちょうど先日、大天守に鯱が上げられて、ぼくが熊本入りした土曜日には周辺のパイプが取り除かれたとニュースで報じられていましたが、今回も着実に復興は進んでいるなと感じられました。
今回も約4時間かけてお城の周辺をぐるっとまわりながら608枚の写真を撮ってきました。その一部を最新状況とあわせてご紹介します!
まず驚いたのが見学可能エリアが広がっていたことです。
たとえばここは西大手櫓門のところです。以前は50mほど離れた駐車場の敷地からしか見れませんでしたが、現在はギリギリまで近づくことができます。
ここを通れるようになるのはまだまだ先になりそうですね。
また飯田丸五階櫓と同じように算木積みの角石だけで支えている戌亥櫓のところも堀底まで降りて下から見られるようになっていました。
(なぜか誰も降りてこないのでぼくひとりだけでしたが)
さらに北側の北十八間櫓のところも石垣の近くまでいけるようになっていました。
ここは歩道から撮影するしかなかったのですが、毎回木が入ってしまうので近づけるようになってよかったです。
ほかにも各所で数m単位ではありますが、より近づいて見学できるようになっています。
また二の丸広場の見学ルートに舗装された歩道ができていました。
以前はみんなが歩くので地面も凸凹していて、雨が降ると池のようになっていましたが、これで天候にかかわらずフェンスのそばを歩けますね。
舗装されていない部分には前日の雨がこんなに残っています。
このように安全が確保できたところから徐々に近づいて見学できるようにルートが拡大しています。
今後は大天守の再公開に向けて、より本丸に近づいていけるようになると思いますが楽しみですね。
ここからは遺構ごと、スポットごとの最新状況を写真を交えてレポートします。
大天守は3年後の2021年度中に内部の一般公開を再開する方針が発表されています。
ちょうど訪問した前日に屋根の足場が解体されて、新しくなった鯱がはっきり見えるようになったそうです。
大天守の最上部が露出したのは約一年ぶりということでラッキーでした。
現在、小天守は宙に浮いた状態になっています。こういう工事も鉄筋コンクリート造だからできるわけですが、貴重な光景だと思います。
お城の北側にあるKKRホテル熊本からは大天守をバックにした小天守が見えます。
宇土櫓では倒壊した続櫓部分の部材回収が終わりました。ただし宇土櫓本体の内部もダメージを受けているので再開には時間がかかると思われます。
また地震で石垣の一部が大きく膨らんでいるのもわかります。
加藤神社の鳥居前から撮影するのが定番となっていますが、頬当御門に向かう方向へ1mほど見学エリアが拡大しています。
ここから大小天守を含めて写真を撮ろうとすると手前の木が視界をさえぎってしまうのでこれはありがたいです。
現在本格的に復旧工事が進んでいる場所のひとつが、この飯田丸五階櫓です。
櫓の解体は屋根から順に進んでおり、7月までにすべてが解体されるそうです。その後、石垣の修復に入るものと思われます。
本丸御殿は遠目に見ると大丈夫そうなのですが、じっさいは地盤が沈下して建物も損傷しているそうです。
ただし幸いなことに障壁画の大半は無傷だったため取り外して保管されており、また柱の傾きはほとんどないため再建できそうですね。
この百間石垣前の道路は市民の生活道路のため、比較的早い段階で崩落した石が撤去されて通行できるようになっていましたが、崩落した部分はネットが張られてそのままになっています。
二の丸御門跡もまだ手付かずのままですね。
ちなみに反対の二の丸広場側からは少しだけ近づけるようになりました。
細川忠利の弟、細川刑部少輔興孝の屋敷を移築したのがこの旧細川刑部邸ですが、現在も閉館中です。
おじさんに聞いたら再開時期は未定だけど、紅葉の時期と梅の時期は部分的に開放されているそうですね。
隣接する熊本市立博物館のほうは今年の年末頃に再開予定だそうです。
重要文化財のひとつ、監物櫓は本年度中に解体予定だそうです。
しっくいのはがれ落ちた様子が痛々しいですね。
不開門は倒壊したため、現在は櫓門の部材を回収して保管されているそうです。
平櫓のほうは倒壊はまぬがれましたが、柱が傾いており、壁もひび割れています。今後解体をするようです。
新しくできた見学ルートでは不開門へのぼる坂道と、平櫓を横から見ることもできます。
石垣とともに崩落した北十八間櫓の部分は一年前と同じですが、かなり近づいて見ることができるようになりました。
案内板だけは残っているようですね。
崩落した東十八間櫓の真下にあたる熊本大神宮ですが、崩落した石垣の撤去作業が終わって、近づいて見られるようになっていました。
以前は歩けた長塀前の芝生も立入禁止のままです。
石垣が崩落している馬具櫓も手付かずのままでした。
あいかわらず熊本市役所の14階は空いてました。いちおう各地に設置してある見学ルートの案内板でも紹介してあるんですけどね。ちょっと歩かなきゃいけないのでバスツアーやクルマで来られている方は遠く感じてしまうのかも。
でもここからの長めはほんとうに素晴らしいので時間が許せばぜひ立ち寄ってほしいです。
大天守の鯱もはっきり見えます。
ちなみに毎回見学させていただいていた、城見櫓の無料展望フロアは終わってしまったそうです。
でもこれはお店の本業が忙しくなってきたからということなので喜ぶべき話ですね。いつかここで団員のみんなと食事したいなと思います。
城彩苑にある情報施設「湧々座」では被災後の状況をビデオで流したり、VR(バーチャルリアリティ)で江戸時代の熊本城を再現した映像を見ることができたりするのでほんとにオススメです。
しかも今回はさらにプロジェクションマッピングを使って熊本城の全体エリアを再現した模型が展示されていました。
石垣が崩れたり瓦が落ちたりする様子がプロジェクションマッピングで再現されます。これがよくできてるんです。
去年は2階のスクリーンではVR映像が上映されていましたが、湧々座名物の演劇も復活しています。
ぼくはこれはじめて見たんですけど、アニメと役者が交互に入れ替わる感じで話が展開されていておもしろいですね。
↑この忍者が、↓このお姉さんです。
字幕も表示されていて、海外からの観光客にも楽しんでもらうための配慮がされてました。子どももすごく喜んでいたので、家族連れでいくにはいいと思います(お父さんお母さんも休憩できますし)。
この日も城彩苑はすごい人混みで活気にあふれてました。写真に撮るのを忘れてましたが、観光案内所の向かいにあるお店のデコポンソフトがおいしかったです。
今回も途中ランチをはさみながら4時間ちょっとかけてお城のまわりをぐるっと歩きました。
まだ崩落したまま撤去されずに残っている石もたくさんあって、痛々しい気持ちになることもありますが、二の丸広場や城彩苑のにぎわいを見ていると熊本城はほんとうにたくさんの人に愛されてるなあと思います。
また熊本城は工事現場を観光地にするという意味でもすばらしい取り組みをつづけていますよね。姫路城のように作業している様子を間近で見ることはできませんが、それでも徐々に近い距離で見学できるようになっていくのはリピートする楽しみも増えるのでいいです。
また一年以内に訪問できるようにがんばりたいと思います!
というか熊本城こそ現地集合でいいので、団員みんなで集まって見学したいものですよね。
現在、攻城団では熊本城の復興を支援するためにオリジナルのTシャツや御城印帳などを製作し、販売しています。ここでしか買えないグッズばかりなので、ちょっと覗いてみてください。
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