今年も熊本城を訪問してきたので最新状況をレポートします。
(今回は支援金持参という目的もありましたが、それについては別途レポートしています)
ぼくは震災後毎年訪問していますが、訪問するたびに見学可能エリアが広がっていたり、崩落した石垣が撤去されていたり、ネットで保護されていたりと工事の進捗がはっきりわかりますね。
今回はちょうど小天守に仮設屋根が載せられた日の訪問ということもあり、一年前とはまたちがう熊本城を見ることができました。
まず最初に昨年訪問したときと比べて、目立った変更点をご紹介します。
この日の午前中に仮設屋根が小天守の上に載せられたらしく、貴重な写真を撮影できました。
風雨を避けるための仮設屋根は大天守の工事の際にも載せられていましたが、サイズがひと回り小さいこともありだいぶ印象が変わりますね。
加藤神社からも撮影しましたが、ちょっとかわいいです。
長塀(ながべい)はいままさに復旧工事をおこなっているところで、去年はなかった足場に覆われていました。
夜はこんなふうに家紋などが投影されています。
飯田丸五階櫓は建物は完全に解体され、石垣の修復工事中です。
市役所14階の展望フロアからは今回の石垣解体調査で見つかった古い石垣(加藤清正が築城した当初の石垣)も確認できます。
この石垣は埋め戻されるので、いましか見ることができない貴重な石垣ですね。
地上からだと長塀の工事の関係でちょっと見づらいですけど、ズームで見るとはっきり確認できます。
震災以後、ずっと通行止めになっていた二の丸御門跡が昨年の11月から通れるようになりました。
通路の両脇に大量の石が置いてあるのですが、すべてこのエリアの栗石(ぐりいし)らしいですよ。ものすごい量です。
ちなみにこれが一年前の写真です。
すべての石に番号を振り、写真を撮って記録してと工事のプロセスが紹介されていましたが、気の遠くなるような作業をやってくださってるんですね。
二の丸御門跡の北側には駐車場があるので、そこからのアクセスがかなり便利になりました。
平櫓は石垣が大きく膨らんでいるため、崩落防止のために今年の2月に仮設構台が設けられています。
建物はこれから解体される予定です。
夜はライトアップされています。
西大手門のところは昨年はギリギリまで近づけるようになっていましたが、現在は秋からの特別公開の準備のため以前のように手前で通行止めになっています。
石はきれいに撤去されており、建物も解体されています。
ここからは遺構ごと、スポットごとの最新状況を写真を交えてレポートします。
大天守と小天守は再来年(2021年春)に内部の一般公開を再開する方針が発表されています。
大天守には新しい鯱も上げられていますし、漆喰の白さが美しいですね。
加藤神社の撮影スポットから撮りました。
ホテルが近かったので夜にもう一度撮影しに来ました。
平日とはいえ誰もいませんでした。こんなにきれいに見えるので、ぜひ熊本に泊まった際は夜の熊本城も見てみてください。
宇土櫓は鯱も残っており、外側のダメージは少なそうですが、内部はかなり損傷が激しいようです。
加藤神社から見ると外側の損傷もけっこうありそうですね。
加藤神社前からの宇土櫓の石垣はほんとにすごいですよね。
夜の宇土櫓です。
現時点でもっとも近くから天守を見ることができるのがこの加藤神社です。
ちなみにこの奥に見えているスロープが工事用に設けられたスロープで、秋からの特別公開ではここを通って天守前までいけるようになります。
(入口はここではなく、二の丸広場側に設けられます)
境内には観音菩薩像が刻まれた石材が展示されています。
これは崩落した石垣から発見されたもので、400年前に石工が彫ったものだと推定されています。
加藤清正像のうしろ、長塀の左端にある馬具櫓はほぼそのままでした。
崩落した石垣だけじゃなく、建物も損傷がありそうですね。
未申櫓も去年と同じように見えます。
戌亥櫓は昨年から間近で見れるようになりました。
ほとんどの人が下まで降りないのですが、下から見上げる戌亥櫓は迫力があるのでぜひ降りてみてください。
昨年から近づいて見学できるようになった北十八間櫓の石垣ですが、このあたりが元どおりになるのは相当先でしょうね。
ちなみにここから大天守が少しだけ見えるんです。
おそらくここに櫓があった頃は見えなかったはずなので、これもいまだけのスポットかもしれません。
熊本大神宮は崩落した東十八間櫓の真下にあたりますが、状況は去年と同じです。
石垣の崩落がかなり激しいので、北十八間櫓とあわせたこのエリアの復旧には時間がかかりそうです。
最後に熊本市役所をご紹介します。
14階の展望フロアからの眺めはあいかわらず最高です。
(いつもは空いてるのですが、この日は10人くらいの団体客が見学してました)
22時まで入れるのでライトアップされた天守を撮影することもできます。
(ライトアップは23時まで)
人がいないので三脚を使ってもまず怒られないと思います。
ただし窓の反射を防ぐために忍者レフやレンズスカートなどを持参したほうがいいかもしれません。
震災1ヶ月後に熊本を訪問したときは大天守・小天守もボロボロで屋根瓦も大半が落ちていましたし、東十八間櫓・北十八間櫓も櫓ごと石垣が崩落していたため、見てるだけでもつらかったですし、じっさい泣いてる方もいらっしゃいましたが、あれから3年あまりが経過し、毎年着実に復興が進んでいることを訪問するたびに実感しています。
もちろん石垣の大半はまだ崩落したままで、場所によっては撤去すらできていないところもありますが、この築城以上に時間のかかる壮大なプロジェクトを遂行しているみなさんにはほんとうに頭が下がる思いです。
今年の10月からは天守のすぐ近くまで見学できるようになりますし、来年の春からはあらたに見学用のルートが設けられて二様の石垣や本丸御殿まで近づくことができるようになります。
いまこれを読んでくださってるみなさんは攻城団のチャリティTシャツに支援してくださったり、個人で復興城主として寄付された方も多いと思いますが、さらにひとりでも多くの方がじっさいに熊本に足を運んで、自分の目で復興の様子をご覧になられることを心から願っています。
現在、攻城団では熊本城の復興を支援するためにオリジナルのTシャツや御城印帳などを製作し、販売しています。ここでしか買えないグッズばかりなので、ちょっと覗いてみてください。
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