熊本地震が起きた年から毎年つづけている現地レポートですが、今年は寄付金の持参とあわせて見学してきました。
前回訪問が去年の6月なので、1年ちょっとぶりの訪問ですね。
この1年あまりでもっとも大きく変わったのは、6月から始まった特別公開(第二弾)です。
「空中回廊」とも呼ばれる専用ルート「特別見学通路」が用意されており、熊本城の見どころのひとつである「二様の石垣」を間近に見つつ、本丸の天守前までいくことができます。
その画期的な特別見学通路から撮影した写真のほか、毎度のようにお城の周辺をぐるっと歩いてきたので、写真満載の熊本城最新レポートをご覧ください。
まずはイチオシの特別見学通路からご紹介しますが、これを考えた人に100個くらい「あっぱれ!」したいです。
城彩苑から未申櫓前に出る階段をのぼって、右に進むと特別見学通路です。
(左に進むと従来どおり二の丸駐車場経由で二の丸広場に)
入場料は500円ですが、その価値はぜったいにあるので迷わずゴーです。
週末(土曜日)の午後でもこのくらいの混雑なら安心ですね。
(前日の午後も訪問したのですが、もっと空いてました)
最初に見えるのが数寄屋丸二階御広間です。
手前に本丸御殿、そして大天守が見えてきます。
この高さから見る大天守がカッコいいです。
リアルな視点としてはこのくらいです。すごくないですか?
二様の石垣もこんなふうに見ることができます。
反対側は竹の丸からの連続枡形なのですが、ここは崩落した石垣がまだそのままです。
さらに進みます。
こういう立体的なアプローチは江戸時代はもちろん、現代でもなかなかないことなので貴重です。
さあ本丸に近づいてきました。
まずは本丸御殿の下をくぐります。
闇り通路も本丸御殿したの部分は通行できませんが、手前から撮影は可能です。
そのまま進むと本丸です!
大小天守も外観はほぼ工事が終わっていて(年内には完了予定)、クレーンも1台になってました。
大天守最上階には工事の人がいました。
こんな間近でクレーンと天守を写真におさめることができるというのもすごいレアですよね。
この日は土曜日なのでここまでしか行けなかったのですが、日曜祝日は工事が休みなのでここから宇土櫓や頬当御門のほうまで開放されます。
ほんとに素晴らしかったです。
この空中回廊は復興が進めば撤去されるんだと思いますが、全国のお城めぐりをしてきた中ではじめての体験でした。
ぜひ存在しているうちに熊本城を訪問してほしいです。
個人的にはこういう視点を上げないとぜったいに見えない角度から天守や櫓が見えることにテンションが上りまくりでした。
お城のまわりをぐるっと見てきたので、以下はそれぞれの場所についてのレポートをお届けします。
今回は熊本ホテルキャッスルに宿泊したので、お城の北東側を歩いてみました。
震災当時は建物の倒壊や石垣の崩落が激しかったところですが、この数年で瓦礫の撤去が終わっています。
そのまま見学通路から北十八間櫓跡へ。
建物が撤去されたので大天守が見えてますね。
平櫓は撤去されています。
去年来たときは石垣の隅に建物が残っていましたが、いまは石垣を支える仮設構台だけになっています。
ここから少し歩いたところからちらっとのぞく大小天守がけっこう好きです。
毎年見てきたからわかるのですが、めちゃくちゃきれいになってますね。
以前はこの棒庵坂の下にも石がたくさん並べられていましたが、すっかり元通りです。
監物櫓も撤去されていました。
ここの城址碑はすごく立派なんですよね。
百間石垣です。
紅葉シーズンということで、旧細川刑部邸の庭園が無料開放されていました。
震災前にも紅葉シーズンに来たことがありますが、きれいなところですね。
12月6日までは夜にライトアップもされるので、いくつか竹のオブジェが設置されていました。
建物にはまだ入ることができません。
壁も倒れているし、建物のダメージも大きそうですね。
七五三で家族連れがたくさん来てました。
午前中は逆光になるので加藤神社からの撮影はオススメしません。
とくにこの日は雲ひとつない快晴だったので困りました。
のぼり旗で太陽を隠そうとしましたがダメですね。
その加藤神社と二の丸を結ぶ新しい見学ルート(北口ルート)ができていました。
これまで加藤神社に行くには、二の丸広場を縦断して大きく迂回する必要がありましたが、この北口ルートを通れば西大手櫓門のところまで最短ルートで抜けることができます。
戌亥櫓も反対側から接近して見れるんです。
損傷が激しいのがよくわかりますね。
こんなふうに塀の裏側すぐそばを通ります。
突き当りを曲がると二の丸広場との間にある空堀(と部分的な水堀)のところに出ます。
奉行丸の石垣部分だけはなかなか手がつけられていないですね。
このルートができたので市役所・二の丸広場・加藤神社と熊本城のフォトスポットをまわるのがずいぶん楽になりました。
大小天守の外観がほぼ修復された状態で見るのははじめてです。
大天守も当時は瓦が全部落ちていたのにきれいになりました。
宇土櫓はいったんすべて解体した上で修復されるそうなので、こうして見ることができるのもあと数年になりそうです。
週末でしたが、二の丸広場の人出も少なかったですね。
親子で遊ぶにはちょうどよさそうでした。
戌亥櫓は昨年と同じ状態のように見えました。
下に降りて近くから見ることができるのですが、ぼく以外誰も降りてませんでした。
なかなかの迫力なのでオススメです。
(ここも午前中は逆光になるので午後のほうがいいです)
いつものように熊本市役所の14階に上がって全体像を見てみました。
特別見学通路もチラッと見えてますね。
飯田丸五階櫓下の石垣から見つかった加藤清正が築城した当時の古い石垣のところには前回はクレーンがまだあったのですが、今回はもうなくなっています。
風雨にさらされなかったのできれいなまま残っています
全体的にクレーンの数がすごく減ってるなという印象を受けましたが、工事が進んでいる証ですね。
長塀(ながべい)は前回訪問したときは足場が組まれていましたが、すべて撤去されて石垣が見えるようになりました。
石垣の上の築地塀部分もきれいに修復されています。
下の写真は前日に撮影したので曇天ですが馬具櫓との接続部分まできれいに復元されていますね。
夜のライトアップもおこなわれてましたよ。
来年4月26日からは天守内部の公開がはじまります。
いまはまだ損傷の激しかった小天守の外観を工事中ですが、これも新年には完了し、そこから3月までに内観工事も終えて、公開に進むスケジュールとなっています。
以前と同様、小天守が入口になるのですが、芳名版は現在、湧々座に置いてあるデジタル芳名版を踏襲して震災前のような見渡すかぎりの芳名版はなくなるそうです。これは震災後にたくさんの方が復興城主として寄付されたため、物理的に展示しきれないというのも大きいとか。
ぼくはけっこう前に一口城主になっていたので自分の名札を確認したり(ただし掲示名は「攻城団」でお願いしてました)、芸能人の方の名前を見つけるのも楽しかったのですが、掲示しきれないくらいの寄付が集まったと考えれば致し方ないですね。
なお宇土櫓の解体は決まっているため、大天守から宇土櫓を見るには早めに訪問したほうがいいかもしれませんね。
以下は震災前の2012年(平成24年)に大天守から見た宇土櫓です。よく撮ってたなあ。
この日はコースケさんもいっしょに訪問してましたが、おじさんふたりが興奮して写真を撮りまくっていました。
ちなみに1年前の様子はこちらです。
けっこうちがってるので見比べてみてください。
来年以降もできるだけ熊本城を訪問して工事の進み具合などをレポートしていきたいと思います。
チャリティ的な企画もまたやりたいと思いますので、その際はぜひご参加・ご支援くださいね。
12月6日までは夜間公開も開催中なのでこちらもぜひ。
【11/20〜12/6、熊本市】熊本城で夜間公開を実施 - お城ニュース - 全国で開催されるお城や歴史関連のイベント情報まとめ
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