読み物 記事一覧

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】城にまつわる面白い話①――秀吉の一夜城・墨俣城

秀吉についてのエピソードは創作あるいは誇張されたものが多いので、この墨俣一夜城にまつわる話も江戸時代に書かれた『武功夜話』にしか記載がないため真偽は定かではないのですが、建材を筏にして川に流すなどその後に秀吉が実行した水攻めのようにスケールの大きな作戦ですよね。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】悲劇の舞台⑤――お市の方が殉じた城・北ノ庄城

北ノ庄城の天守は7層とも9層とも言われており、その前年に焼失した安土城に匹敵する規模であったと伝わっています。なかでも現在丸岡城で確認できる笏谷石の石瓦が使われていたことがルイス・フロイスの記録にあり、さぞすごかったんでしょうね。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】悲劇の舞台④――お市の方が最初の夫と死に別れた城・小谷城

元亀元年の姉川の戦いで敗北するも、そこから3年間、浅井氏は抵抗をつづけており、長篠の戦い同様、戦国大名同士の争いが一度の勝敗で滅亡に至らないことを示しています。ただどこまで計算だったかはわかりませんが、小谷城を攻めることで朝倉氏を要害・一乗谷から引きずり出すことに成功した信長は一気に朝倉氏、浅井氏を滅ぼしていることも事実で、勢いというのは恐ろしい。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】悲劇の舞台③――玉砕の舞台になった城・高遠城

仁科盛信は一族・重臣の逃亡や寝返りが相次ぐ中で最後まで武田家に忠誠を尽くした人物としてファンも多いですよね。盛信は自刃したものの、その子の信貞は生き延びて江戸幕府の旗本になっています。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】悲劇の舞台②――悲劇の女城主伝説の城・岩村城

秋山虎繁がおつやの方を正室として迎えたという有名なエピソードですが、史実と異なるという説もあるとか。ちなみに養子に出された勝長はその後も生き延びて、最後は本能寺の変で信忠とともに討死したそうです。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】悲劇の舞台①――夫の仇をとるための奮戦の舞台となった城・鶴崎城

妙林尼の史料はほとんど残っていないそうですが、耳川の戦いで夫が戦士したために出家し、名乗った名前だそうです。ルイス・フロイスの文書にも彼女と思われる記録があることを考えると、当時はそれなりに話題になったのでしょう。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく⑩――内部分裂で落ちた城・七尾城

その後、上杉謙信が死に、織田信長が天下人になったので上杉方についた遊佐氏が裏切り者のように語られていますが、はたして本当のところはどうだったのか。七尾城の戦いを別の観点から捉えた「マンガでわかる七尾城」もぜひ読んでください。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく⑨――武田信玄に苦汁をなめさせ、内応であっさりと落ちた城・砥石城

戦国時代の信濃をめぐる争いは村上義清抜きには語れません。もともと義清は信玄の父、武田信虎と同盟を結んでいたため信玄の侵攻を受けることとなり、上田原の戦い、砥石崩れと二度にわたり撃退したものの、攻め弾正こと真田幸綱により砥石城が攻略されると衰退していきます。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく⑧――わずかな兵に乗っ取られた城・稲葉山城

策略で奪い取った稲葉山城を放棄した竹中半兵衛はその後、隠遁生活を送ったそうですが、城を返したとはいえ主君を裏切ったわけで、斎藤龍興はなぜ殺さなかったのでしょうね。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく⑦――支城を失い、戦意を失った城・観音寺城

六角義治は一時期、亡命してきた一乗院覚慶(のちの足利義昭)を匿ったこともあるのですが、三好三人衆に通じて覚慶を追放したため、その結果として義昭を奉じた信長の上洛戦で戦うことになりました。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく⑥――水に沈んだ城――備中高松城

秀吉の才覚か、軍師・黒田官兵衛の知略か、あるいはその両者が最高に噛み合った結果か、この中国方面軍時代の秀吉の合戦はドラマチックなものが多いですね。のちの天下人ということで過大評価もあるのでしょうが、スケールがいち家臣の枠を飛び越えています。 つづきを読む

榎本先生の最新刊「ナンバー2の日本史」について対談しました

今月発売されたばかりの榎本先生の最新刊「ナンバー2の日本史」について、その内容を紹介する番組を攻城団テレビでライブ配信しました。 動画はアーカイブで視聴可能ですので、ぜひご覧ください! つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく⑤――飢えて落ちた城・鳥取城

秀吉による三木城攻めでは1年10ヶ月を費やすこととなり、味方の損耗、なにより貴重な時間が失われてしまったため、兵糧攻めのアップデートが求められた結果が、この鳥取城攻めでした。今回は事前の兵糧買い占めに加えて、海路も含む兵站線を完全に遮断するといった作戦が取られています。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく④――支城を漬され、大名の逃げた城・有岡城

荒木村重は大河ドラマの主人公になれるほど魅力的でドラマチックな人生を送った人物だと思います。逃げ延びたあとは道糞を名乗ったとか、自分を拾ってくれた秀吉の悪口を言ったのがバレると出家して道薫を名乗ったとか波乱万丈。 ちなみに今回はじめて知ったのですが高山右近の子も孫も高山長房を名乗っているんですね。ややこしい。 つづきを読む

【「籠城」から学ぶ逆境のしのぎ方】名城むなしく③――支城を潰され、草木も食い尽くした城・三木城

毛利氏の援軍を期待しての籠城戦だったわけですが、毛利が三木城までたどり着くには姫路城などを突破する必要があるので(海路で来るにしても容易ではない)どういう勝算があっての離反だったのか。荒木村重が毛利方についたあとは摂津の港を利用して花隈城から運び込むという補給路ができたようですが。 つづきを読む
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今日のレビュー

織豊系陣城事典 (図説日本の城郭シリーズ6)

織豊期の有名な合戦の陣城を、信長初期/信長後期/秀吉天下統一期の三期に分けて解説しています。掲載数は砦、付城、要害、築地と呼ばれるものまで入れて、161城。山城の奥深さは底なしです。合戦の戦況はざっくりですが、すべての城に縄張図が添付され、評価も書かれています。巻頭カラーには香川元太郎氏の復元図が掲載されています。充実の内容。戦う為にだけ作られた城たちのディープな世界は如何ですか?

弥一左衛門さん)

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