攻城団からのお知らせ

「明石・お城フェスティバル」出演レポート

三連休最終日の2月11日(月)にあかし市民広場で開催された「明石・お城フェスティバル」に出演してきました。
ぼくらは「午前の部」を任されたのですが、会場の100席が最初からほぼ埋まっていて、出入り自由にもかかわらず途中退席はわずかだったので、来場してくださった方からは一定の評価が得られたのかなと思っています。

最初はぼくから明石城をからめつつ、お城の見方のヒントや、攻城団の紹介をしました。
当日投影したスライドは最後に貼り付けますが、この「干支が方位を示していること」を踏まえて、巽櫓や坤櫓が方位に変換するとそれぞれ東南隅櫓、西南隅櫓になることはお城に詳しい人なら当たり前に思うかもしれませんが、けっこう脱初心者のポイントかなと。
(ぼくはいまだに乾櫓と書いてある文章を見ると「子丑寅......」と頭の中で時計を描いて「ああ、北西か」と確認しています)

この日は地元の方が中心でしたし、攻城団の団員も少数だったので(とはいえわざわざ遠方からも参加してくれた団員がいたことは心から感謝しています)、とにかくお城に興味を持ってもらおうということだけを考えていました。
さらに明石城を誇りに感じていただければ大成功だなと思って、現存三重櫓の情報なども盛り込みました。

明石城は当時の本丸、二の丸、三の丸のエリアがほぼ残っていて、その面積は姫路城を上回っています。
ぼくらが取材を通じて味わった興奮を、できるだけそのまま伝えたいと思っていて、それさえできればみんな明石城に興味を持つし、好きになると思うんですよね。

後半は大久保先生を壇上に招いて、ふたりでトークショーをおこないました。
ふたりで話すのははじめてのことだったので、ある程度台本は用意していたのですが、アドリブで話題が広がるシーンもいくつかあって、ぼく自身も楽しく話すことができました。

いちばん苦労したのが林崎掘割のコマだったというのは意外に思われた方も多いかもしれませんね。
羽村市の郷土博物館や国土地理院に問い合わせてたのはぼくも知らなかったので驚きました。

鴻ノ池(剛ノ池)のエピソードは「こぼれ話」として文章では紹介しましたが、取材時にぼくらがいちばん盛り上がった話なので、小笠原忠政が興奮して「ぜったい明石を突破させない」と誇らしく語るシーンも見たかったですね。
でもこうした「おいしい」エピソードを泣く泣くカットせざるをえなかったくらい、たくさんの情報を盛り込んでいただいたと思っています。

あと大久保先生がこんなコメントをしてくださったんですよね。

資料の『明石城史』のなかに「清涼話」という、小笠原忠政の一代記のような逸話集からの抜粋が紹介されていて、そのなかに福島正則が改易となったときに、忠政が明石海峡を警護した話がありました。
鉄砲・大筒を備えた番所を浜辺に作って、福島正則の配下のものが暴発して大坂へ侵入してこないように用心したということですが、戦国武将の面目躍如という感じがして、これも漫画にしたかったなと思いました。
この話を、まだマンガのシナリオを構想している段階だったころに、こうのさんにしたところ、「何も起こさせないようにするのが江戸時代の武功なのだろう」という感想をもらしていて、それが本作で本多忠政がいう「元和偃武の城なのだ」というセリフにつながったりしています。

冒頭のとおり、今回は台本を用意しているので、この話をされることは事前にわかっていたんですが、それでもリアルタイムで話を聞きながらうれしいやら照れくさいやらいろんな感情が沸き起こってきて、鳥肌が立ちました。

時間が許せば、あと1時間くらいはあれこれ話せたかもしれませんが、だいたい50分ほどふたりで話してトークショーは終わりました。

サイン会は大盛況

終了後はそのまま壇上でサイン会を開催しました。
並んでくださった方にプレゼントした小笠原忠政のポストカードの枚数をチェックしたら、ぜんぶで52人でした。最後のひとりまで丁寧にサインしてくださった大久保先生には感謝です。

サインを待ってる方と少し話すことができましたが、この日のトークの感想だけでなく「明石城完全攻城ガイド」の感想なども聞けました。
マンガ以外の部分もちゃんと評価していただけていたのでうれしかったです。

当日は会場内の明石観光協会のブースで「明石城完全攻城ガイド」も販売していたので、まだ持ってない方が購入してくれてました。

そういえば缶バッジを絶賛してくれたおじいちゃんもいましたね。
明石城のPRを依頼されてから、ぼくらなりに全力で取り組んできましたが、缶バッジやガイドブック(マンガ含む)など自分たちが明石城の魅力を伝えるためにつくったツールが、市民の方にもちゃんと評価されていたことはほんとうにうれしいです。

これは七尾のときもそうでしたが、ぼくらが取り組むときはまず地元の方が歴史を学び、お城を誇りに思えるようにすることを最優先に考えています。
そういう地元の空気は観光客にも必ず伝わると思っていて、「明石城にいきたいんだけど」と聞かれた際に地元民が「あんなとこ行ってもなんにもないよ」と言わせないために、ちゃんと地元向けのPRをしなければなりません。そういう意味でもいいイベントだったんじゃないかと思います。

市外県外に向けたアピールも大事ですが、まずは地元で盛り上がることを意識していきたいものですね。

以下は当日、スクリーンに投影したスライドです。

   
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