攻城団からのお知らせ

「能登畠山家とその家臣たち」の講演を聞いてきました

昨日、11月23日に開催された講演会「能登畠山家とその家臣たち」に参加してきました。
会場は石川県七尾市にある七尾美術館アートホールで、主催は公益財団法人七尾城址文化事業団でした。

石川県教育委員会文化財課の川名俊さんを講師にむかえて「能登畠山家とその家臣たち」がテーマでした。

公益財団法人七尾城址文化事業団は、七尾城史資料館の管理運営のほか、年に1回七尾城にかんするイベントを開催しています。
昨年のテーマは「山城~七尾城と増山城~を学ぶ」だったそうです。

七尾城は上杉謙信との攻防戦のさなか、家臣の内応によって落城します。これが1577年(天正5年)のことです。戦後、七尾城は上杉家の勢力下にはいります。

しかし翌年以降、上杉謙信が亡くなったり、「本能寺の変」が起きたりと世の中があわただしく動きます。
畠山旧臣は上杉家や織田家について離散しましたから、織田家についた元家臣だちは、旧領回復を目指して挙兵しています。

上杉家についた家臣や、一向一揆勢についた家臣もいたそうですが、最終的には七尾城に入ってきた前田利家が能登一国を平定します。
ということで、話のスタートは「落城にいたる経緯」の説明が冒頭にあって、そのなかで家臣団がどう動いていたかについて、説明がありました。

「七尾城はすごかったんですよー」という入り方とはちょっとちがった導入部で、すこし会場の空気が変わった感じがしました。

講師の川名さんは、北海道出身だそうです。大学で能登国を学んだことをきっかけに。ずっと能登畠山家や七尾城について研究をされているそうです。

こんな感じで、有力な家臣の履歴を説明していただきました。地元の人たちには馴染みの深い地区で、合戦が起きていたことも話されていました。

重臣のみなさん、けっこう動き回っているんですね。

この長連龍という方は、七尾城落城の際に一族滅亡したそうです。
何度も復讐を織田信長に願い出て、「ちょっといいかげんにしておいたら?」とたしなめられたこともあるとか。

現時点で織田信長の最後の書状は、この長連龍宛の書状だそうです。

そのほかの家臣の話も出てきました。

参加者のほとんどが50代以上の方で、ぼくと同世代の人は見かけなかったなあ。

所用があったので、ほんとうの最後まで聴講することはできなかったんですけど

  • 畠山家の家臣団は、当主にとってかわる動きをおこなっていない
  • 反乱も、畠山一族を擁立して、七尾城を目指した
  • 合議制が中心で、ひとりが専横することはなかった

という下剋上っぽくない特長がある点は興味深かったですね。

七尾城はこれからも調査がつづいていますし、さまざまなことが解明されていくといいですね。
今日登場したお城をつなぐと「七尾城をめぐる織田・上杉による北陸方面攻防戦バッジ」とかできそう(ちょっと通好みっぽいですけど)。

ひさしぶりにお城関係のイベントに参加してみましたが楽しかったです。
大名家の動きを「当時の家臣」の動きから見ることで、その地域でどんな紛争が起きていたかがわかるのはとてもいいですね。
平行してほかの地方では、何が起きていたのかも聞けると、いままで習ってきた戦国史とひもづけて想像できるで、より楽しめると思いました。

講座を聞いて、そのままお城を見学するイベントも楽しそうですよね。
やりたいことばっかり出ていますが、実現に向けて動き出していますのでひきつづきがんばっていきますー。

[2016/12/1追記]
川名さんから当日のスライドをご提供いただきました。ありがとうございます!


[追記ここまで]

レポートを寄稿していただけませんか

ところで、七尾城にかぎらず、全国各地では地元のお城にまつわるセミナーが開催されていると思います。
開催情報は攻城団でも告知していますが、「どういう内容だったか」のレポートを目にする機会は少ないですよね。
参加された方からのレポートや、主催者の方からのレポートがあれば、ぜひ読みたいです。

遠隔地だとなかなか参加できませんが、攻城団に寄稿いただくことで、ぼくらを含めて全国のお城好きな方々に「ウチのお城はこうなっていたんだよ」「いまこうなっているよ」と伝えることができます。

ぼくらは攻城団をお城についてのイベント開催情報だけじゃなく、その内容(レポート)もすべて読めるような場所にしていきたいと思っています。
そのためにはみなさんのご協力が不可欠です。どうかご自身が登壇または聴講されたイベントレポートをご寄稿ください!
(攻城団のサイトに掲載するにあたって、文章を読みやすく編集させていただくかもしれません。あらかじめご了承ください)

寄稿についての注意事項など

   
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