攻城団からのお知らせ

豊臣大坂城の石垣を見てきました

大阪城の天守閣(現在の大阪城の復興天守は「天守閣」と呼びます)のすぐそばで一般公開されている、秀吉時代の大坂城(豊臣大坂城)の石垣を見てきました。

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大坂城は秀吉が石山本願寺の跡地に築いた当時日本最大の城でしたが、いわゆる大坂の陣で炎上しました。
その後、徳川幕府によって豊臣大坂城の石垣と堀は破却され、全体に高さ約1m〜10mの盛り土をした上にあらたに大坂城(徳川大坂城)を築いたため、秀吉時代の石垣は地中深くに眠ったままでした。

これまでも1984年(昭和59年)に行われた水道工事に伴う調査や、1989年(平成元年)の大阪府立女性総合センタ(ドーンセンタ)の建設に伴う調査などで、豊臣大坂城の石垣遺構が発掘されています。

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ドーンセンター横に移築復元された石垣

今回は大坂夏の陣から400年となる来年に豊臣大坂城の石垣公開施設をつくる「大坂城 豊臣石垣公開プロジェクト」として、1984年(昭和59年)の調査とほぼ同じ場所を掘り起こしていて、一般公開されることになりました。

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これが秀吉時代の石垣です。

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現地で教育委員会の方が説明されていたので、聞いてきました。

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かんたんですけど、説明内容のメモを取ったので紹介します。

  • 今回再発掘されたのは「詰ノ丸」と呼ばれる本丸の中心部にあたる部分の周辺の石垣
  • 詰ノ丸は天守のほか、奥御殿という秀吉の私的な空間があった場所
  • 野面積みで積まれている
  • おそらく石は近畿各地(河内や大和)から集められたと思われる
  • 野面積みのため高い石垣を築けず、三段の階段上になっている
  • 石臼や五輪塔などの転用石が見られる ※五輪塔は展示されています
  • 神社の礎石も使われている
  • 花崗岩には大坂の陣で焼けたあとが残っている(変色している)
  • 石垣の角(隅)の部分は算木積みになっている

無骨な野面積みもなかなかいいんですけど、穴太衆の技術をもってしても積める高さにかなり制限があるんですね。
そのため石垣を築いてから平坦面を設けて、さらにそこから石垣を積むという手法をとっています。

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このデメリットは最終的な頂上部分の面積が小さくなることです。
でも技術的にそうせざるをえなかったんですね。

また、1583年(天正11年)に秀吉が野面積みで築いた約40年後の1620年(元和5年)にはほぼ同じ高さを一段でつい上げているわけですから、この時代に石垣を築く技術が飛躍的に発展したということがよくわかります。
(具体的には打込接ぎや切込接ぎといった技術ですね)

多くの方が見に来られてましたが、やっぱり地中深くに埋まっていた石垣を自分の目で見れるというのは興奮しますよね。大満足です。

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この秀吉時代の石垣は明日まで公開されています。
その後、一度また埋め戻すそうですので、お時間のある方はぜひ。

ビデオで撮影してきたので、少しでも現地の雰囲気が伝わればうれしいです。

[追記]
徳川時代の三つ葉葵の家紋が入った鬼瓦も出てきたみたいで展示されていました。

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