現在、県立美術館の別棟「細川コレクション常設展示室」で開催されている「〈特集〉震災と復興のメモリー@熊本」がとてもよかったので紹介しますね。
2016年4月に起きた熊本地震から一年が経過しましたが、じつはいまから400年前にも今回のに匹敵するような大規模な地震が起きていて、さらには『続日本記』で書かれた古代にも地震が起きていたことがわかったそうです。
この展示はそうしたこれまでに熊本周辺で起きた地震についての記録と、その当時の状況について紹介されています。たとえば八代城の前身となった麦島城は1619年(元和5年)の大地震のために倒壊し、廃城となりましたが、それも紹介されていました。
以下が、開催概要です。
本展は、熊本地震から1年を経たところで、震災の歴史に向きあってみようという展覧会です。昨年の4月、私たちは想定外の震災にみまわれましたが、よくよく調べてみると、熊本で大きな地震が起こったのは、これがはじめてではありません。熊本城や地域社会に大きな被害が出たのも、はじめてではありませんでした。
本展では、永青文庫所蔵の古文書や絵図に加え、各地に伝来した震災記録、古写真等を展示し、熊本の震災史を振り返ります。加えて、震災に遭いながらも復興を目指した人々のあゆみにも目を向けます。公益財団法人永青文庫、熊本市(熊本城調査研究センター)、熊本大学永青文庫研究センターと連携し、開催いたします。
展示会場の様子です。
それこそ秀吉が最初に築いた伏見城(指月伏見城)のように地震で倒壊したお城はかなりありますね。
また江戸時代の1792年5月21日(寛政4年4月1日)に起きた「島原大変肥後迷惑」についても紹介されていました。
この世界的に見ても珍しい、山体崩壊による津波災害が起きたときに藩主・細川斉茲は江戸にいたようですが、国元からの報告を受けて将軍家に「内密に申し上げます、どうやら島原と熊本は大変なことになってるらしいです。すぐ帰ります。この手紙はすぐに燃やしてくださいね」と伝えて帰国しています。
ちなみに当時の島原藩は十八松平のひとつ「深溝(ふこうず)松平家」の松平忠恕が藩主でしたが、「忠恕さんは無事に避難されているようです」と親族である将軍家に伝えていたのも細川家の立場とか、政治力を感じさせますね。
(残念ながら忠恕はもともと病弱であったことに加えてこのときの心労がたたって一か月も経たずに亡くなるのですが)
いま熊本県知事や、熊本市長が陣頭指揮をとって復興に向けてがんばっておられますが、当時も藩主(殿様)が中心となって被災地の再建を進めていたわけですよね。
熊本の復興、熊本城の再建は10年単位の時間を要していますが、いまは当時とちがって肥後に住んでいない人たちも直接・間接に支援することができます。往来も自由なので現地に足を運ぶことも可能です。
近い将来の「復興後」の熊本を見る前に、「いま現在」の「復興最中」の熊本をぜひ自分の目で見てみてくださいね。
この展示は5月21日(日)までなので、あと一週間しかありません(紹介が遅くなってほんとうにごめんなさい!)。
興味を持たれた方はぜひ今週中に足を運んでください。
そして「第Ⅰ期」とあるので、おそらく今後もこのような企画展示がおこなわれると思います。熊本を訪問される際には県立美術館(と細川コレクション展示室)の企画展もチェックしてくださいね。
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