山上陣屋は山上藩の藩庁として、稲垣安芸守重定によって築かれた陣屋です。重定は伊勢崎藩主・稲垣茂を祖父に持ち、旗本として4代将軍・徳川家綱に仕えていましたが、1685年(貞享2年)に若年寄に昇進して1万3千石の大名となりました。1698年(元禄11年)12月に常陸から近江に所領を移されると、山上藩が成立しています。稲垣氏は定府大名でしたが、5代・稲垣定淳が1794年(寛政6年)に陣屋構築を願い出て、陣屋を構えました(おそらくは改修)。その後も稲垣氏の支配はつづき、8代・太清(もときよ)は大坂定番から海軍奉行に任じられ、明治を迎えています。現在遺構は残っていませんが、紅葉橋近くに案内板が設置されています。
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