一宮城の築城時期などは不明ですが、戦国時代は里見氏に属していた正木氏の支配下にあったとされます。第2次国府台合戦後、正木氏は分裂して、北条氏に内通した正木時忠は、里見氏方の正木憲時方にあった一宮城を攻略、嫡男の正木時通を置きました。その後も里見氏と北条氏によって攻防が繰り返されます。1590年(天正18年)、豊臣秀吉による小田原征伐の際は鶴見氏が守備していましたが、本多忠勝に攻められ落城しました。徳川家康が関東に入封すると城代が置かれましたが、文禄年間までには廃城となったと思われます。江戸時代に入り、1826年(文政9年)に加納遠江守久儔によって城址に一宮陣屋が築かれました。
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おそらく、八王子城の解説本の中で最も重要な一冊でしょう。
八王子城跡が現在のように整備されたのは、落城400年にあたる1990年以降のことです。本書の出版も同時期で、出版後に発見された遺構もあれば、今は目にすることのできない遺構も多数あります。言い換えると、1990年当時の八王子城跡の姿を記録した書であるとも言えます。八王子城に興味を持ってくださった方にはお薦めの一冊です。すでに廃刊となっていますので、古書店か図書館で探してください。
トンネル工事や台風・地震などにより、現在は失われてしまった石垣などの貴重な写真も多数掲載されていますが、白黒で小さいため分かり辛いのが残念。
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