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安土桃山時代の貿易商人、呂宋助左衛門(るそん すけざえもん)の物語。自治都市堺の盛衰記でもあり、信長の隆盛から豊臣大坂城の落城までの動向が商人たちの目線で語られているところがハラハラドキドキ面白い。安土城、鳥取城、大垣城、伏見城など自分が攻城した城がつぎつぎ出てくるのでそれだけでも読むスピードが早まる。
個人的には戦場で開かれる茶会の様子を興味深く読んだ。更に秀吉と千利休の関係性(エピソード)の描写が巧みで、利休が死に至る道すじが示されていて納得。ルソンで客死する高山右近の信仰の深さも絶妙にストーリーに絡み印象に残った。
大河ドラマの原作であり、放映時の記憶として鮮烈なのは善住坊の鋸引きのシーン。四十数年ぶりの再放送(4月からBSにて)ではあそこもここも興味津々、ドラマでどう描かれているかを注視している。
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