『おあむ物語(おあんものがたり)』とは、石田三成の家臣である山田去暦の娘が雨森儀右衛門の妻となって土佐に下り,晩年に関ケ原の戦い(1600年)における大垣城籠城の体験を追憶した話を筆録した記録です。
味方の獲ってきた敵方武将の首の処理など、女性による戦争体験記および武士の家庭生活について語った記録として、また近世初期の国語資料として貴重な史料です。
(戦後の恩賞のため、少しでもきれいに見栄え良く化粧することが求められたそうです)
みかたへ、とった首を、天守へあつめられて、札をつけて覚えおき、さいさい、くびにおはぐろを付ておじゃる・・・くびもこはいものではあらない。その首どもの血くさき中に、寝たことでおじゃった。
『おあむ物語』は正徳年間(1711年〜1716年)の成立、1837年(天保8年)頃の刊行といわれます。
『おあん女咄』や『安女戦話』と呼ばれることもあります。
現在読むことができるものとして岩波文庫版がありますが、絶版しているため入手困難です(ぼくは1000円ほどで購入できたのですが、いま見てみたら中古価格が高騰してプレミア価格で取引されています)。
図書館で探すか、岐阜県郷土資料研究協議会による復刻版を購入することをオススメします。