中津城本丸前の水堀です。
海水が流れる、この堀の中には中津祇園(なかつぎおん)で使われる山車の木製車輪が沈められています。手前の石が積まれた部分ですね。
なんでも杉で作られた車輪は、海水が入り干満のあるこの堀に沈めておくと腐食せず長持ちするんだそうです。
中津祇園は大分県の無形民俗文化財に指定されたお祭りで、豊前三大祭りや大分三大祇園のひとつに数えられます。京都の祇園祭の流れを汲み、600年近くつづいている伝統のある祭です。
毎年7月20日以降の金・土・日の3日間に開催され、全部で12台の祇園車(ぎおんぐるま)と呼ばれる山車が、まさに京都の祇園祭さながらの「コンコンチキチン」の音とともに中津の旧市内を練り歩き、辻々で停車し祇園車の上で民舞等が奉納されます。
見所は、朝車(中日)・戻車(最終日)の晩に行われる「練り込み」で、中津神社を中心とする「上祇園」と闇無浜神社(くらなしはまじんじゃ)を中心とする「下祇園」双方の広い境内で高さ約5メートルの祇園車を勇壮に走らせまする。このことから、祇園車は「走る文化財」とも呼ばれています。
なお、中津神社は中津城に隣接している神社です。
なお「練り込み」は、1712年(正徳2年)に、当時の中津藩主であった小笠原長円の病気治癒のため、祇園車を中津城内の椎木門から西御門まで走らせたことが起源とされています。
タイミングがあえば一度、参加してみたいものですね。