団員が投稿した書籍のレビューを最新順で表示しています。
黒まめさんのレビューを見て、読んでみました。題名の通り55城にまつわる人物エピソードについて解りやすく書かれており、歴史に興味を持たれた方であれば一度は耳にしている内容も多くありますが、松平定知氏の考えも加えられて楽しく読ませて頂きました。55の物語の中で特に印象に残ったのは、松前城におけるロシア人ゴローニン、高田屋嘉兵衛のエピソードを読んで、当時の鎖国状態で国レベルでは厳しい対応が余儀なくされたが、民間人レベルでは良い関係が築かれてた事を知り、今の世界情勢に通じるものがあるように思えました。また、北海道で生まれ育った私ですが初めて聞くお話でしたので、自分の郷土の歴史をもっと学ばねば、と感じさせる一冊となりました。
攻城団の勉強会の予習で読ませて頂きました。著者のロナルド・トビ氏はアメリカ生まれで日本および東アジアの近世・近代史が専攻で朝鮮通信使研究をきっかけに江戸時代の「鎖国」に疑問を抱き、見直しを提言されてきた方で、外から日本史を客観的に見ているので説得力のある内容になっています。朝鮮通信使を通して江戸幕府の外交がどのようなものであったか理解できます。また、文禄の役で加藤清正が朝鮮と満州の境界付近から富士山を見たとエピソードが文書として残っている話は非常に興味深く読ませてもらいました。現実問題見えるはずはない(著書の中では富士山が見える範囲を論理的に説明しています)のですが、富士山がその当時から日本を代表する神秘的な山であった事が窺える話かと思いました。以上の通り「朝鮮通信使」「鎖国」「富士山」についてもっと知りたい方にお勧めの一冊だと思います。なお、この著書は「日本の歴史」全16巻の内の一冊となっていますので、日本史全般に興味のある方は他の巻も読んでみては如何でしょうか。
攻城団の勉強会で唐人屋敷が出てきたので、もっと知りたいと思い、ネットで調べ、この本のことを知りました。筆者は長崎にいた時、唐人屋敷の歴史的遺産が蔑ろにされていると感じ、唐人屋敷の事をみんなに知ってもらいたいとの思いで書かれたとの事です。唐人屋敷研究が専門ではない筆者自分が知りたいことを質問カードにして、その質問カードについて調べた内容をまとめており、初心者でも理解しやすい構成になっています。現在の新地の中華街は江戸時代は唐船の倉庫街があった場所で、幕末開港して唐人屋敷の役目が終わり、そこから新地の倉庫街に移り住んで造られた事を知りました。唐人屋敷内の建設、および生活風景、唐船貿易等長崎唐人屋敷をより知りたい方には最適な一冊だと思います。
金沢城のかつての城下町の面影が一挙に学べてしまう一冊。
金沢には、江戸時代に使われた旧町名が数多く残っており、ここ最近になってその旧町名復活運動が展開されて、いくつか現住所として復活した町名があります。(南町、六枚町、主計町など)
本書では、その地域の旧町名の由来を解説し、復活に至るまでの経緯や復活後の波及効果などを地元住民のインタビューを交えて対談形式で紹介しています。一つ一つ読み上げていくと、復活の際に立ちはだかる各地域特有の事情を抱えてたり、復活当日の式典で、旧町名碑の「旧」の文字が砂埋めされるのが嬉しかったという声があったりと、地域の生の声を聞いている感じで面白かったです。
さらには、旧町名が残っている地域には金沢市が建立した「旧町名碑」と呼ばれる旧町名と町名の由来が彫られた石碑が各所に建てられており、金沢城を攻城した方は、街中を巡る際にいくつか見たことがあると思います。ただ、全部見に行ったという人はほとんどいないかと思います。実際私も10年以上住んでいる地元住民ですが、全部で何基あるのか、どこにあるのか把握し切れてません。このため、全部見に行くことはほぼ不可能なのですが、この壁を解消してくれるのが本書で、なんと金沢市内各所にある旧町名碑の位置や周辺地図、町名の由来が全て網羅されています。しかも写真付きでかなり分かりやすく紹介されています。
普通の歴史ノンフィクションとしての書物だけでなく、金沢城攻城ついでに旧町名をめぐる際のハンドブックとしても重宝しますのでぜひ買って読んでみて下さい!
ちなみに旧町名以外に金沢城についても少し触れられており、金沢城の惣構えについてや鼠多門復元について、鼠多門復元によって形成される加賀百万石回遊ルートについても紹介されていますのでこちらも読んでみてください。
戦国時代、三木合戦における三木の干殺しを題材とした歴史小説です。
勇猛果敢に戦場を駆け巡った別所波も登場します。
負け戦であっても、名門である家名を重んじ抵抗する者、毛利と織田の間で揺れ動く者、
兵糧攻めの悲惨さを克明に記されております。
戦とはこうも残酷なものなのかと、思い知らされました。
司馬遼太郎著の江戸幕府の最期の将軍、徳川慶喜の生涯を描いた歴史小説です。
尊王攘夷思想の水戸史観を持ち合わせ、多芸多才で、家康公再来ともてはやされるも、賢しこ過ぎるが故に孤立してしまう人物像に惹かれました。
城巡りをしている時に、偶然出会った19歳の司馬遼太郎ファンの方に紹介してもらい、読むことにしました。
彼にあっていなければ、読んでいなかったかもしれない、思い出に残る書籍となりました。
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