金沢城のかつての城下町の面影が一挙に学べてしまう一冊。
金沢には、江戸時代に使われた旧町名が数多く残っており、ここ最近になってその旧町名復活運動が展開されて、いくつか現住所として復活した町名があります。(南町、六枚町、主計町など)
本書では、その地域の旧町名の由来を解説し、復活に至るまでの経緯や復活後の波及効果などを地元住民のインタビューを交えて対談形式で紹介しています。一つ一つ読み上げていくと、復活の際に立ちはだかる各地域特有の事情を抱えてたり、復活当日の式典で、旧町名碑の「旧」の文字が砂埋めされるのが嬉しかったという声があったりと、地域の生の声を聞いている感じで面白かったです。
さらには、旧町名が残っている地域には金沢市が建立した「旧町名碑」と呼ばれる旧町名と町名の由来が彫られた石碑が各所に建てられており、金沢城を攻城した方は、街中を巡る際にいくつか見たことがあると思います。ただ、全部見に行ったという人はほとんどいないかと思います。実際私も10年以上住んでいる地元住民ですが、全部で何基あるのか、どこにあるのか把握し切れてません。このため、全部見に行くことはほぼ不可能なのですが、この壁を解消してくれるのが本書で、なんと金沢市内各所にある旧町名碑の位置や周辺地図、町名の由来が全て網羅されています。しかも写真付きでかなり分かりやすく紹介されています。
普通の歴史ノンフィクションとしての書物だけでなく、金沢城攻城ついでに旧町名をめぐる際のハンドブックとしても重宝しますのでぜひ買って読んでみて下さい!
ちなみに旧町名以外に金沢城についても少し触れられており、金沢城の惣構えについてや鼠多門復元について、鼠多門復元によって形成される加賀百万石回遊ルートについても紹介されていますのでこちらも読んでみてください。
タイトル | 増補改訂版 かなざわ旧町名復活物語 |
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著者 | 北國新聞社 |
出版社 | 北國新聞社出版局 |
発売日 | 2021-03-21 |
ISBN |
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価格 | 1650円 |
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