こんにちは、攻城団のコースケです。
先日実施しました「お城めぐり旅行についての実態調査」に回答していただきまして、ほんとうにありがとうございました。各地のお城をめぐる現地ツアーの開催を検討しているのですが、現状を把握したいと思い、アンケートへのご協力をお願いしました。
攻城団は定期的にさまざまなアンケートをおこなっていますが、その目的は「やっぱりそうだよなぁ」という自分たちの感覚がズレてないのかの確認と、「そうだったのか」や「なるほど」といった今後のヒントを発見することです。
今回も「やっぱり」と「へぇー」が同居するご意見を多数いただきました。アンケート結果と、みなさんのコメントをご紹介しながら、感想をお伝えさせてください。
また結果は、現地ツアーの企画や情報整理の参考にさせていただくとともに、モニターツアーの開催なども計画していきたいと考えています。
なお、通常はアンケートの回答結果はこうの団長がコメントつきで紹介していますが、今回はぼくの希望で実施したこともあり、コースケが紹介させていただきます。
最初にご回答くださったみなさんのプロフィールを紹介します。
今回は利用者アンケートと異なり、団員のみなさんにメールでお願いしたあと、ツイッターなどのSNSでも回答をお願いしました。
性別については、男性が61%、女性が39%でした。
利用者アンケートと比べると女性比率が高いですね(あっちは女性が26.9%)。
いつものアンケートとおなじく40代〜50代が大半で、全体の57%となっています。攻城団の利用者分布と同じです。
ただ30代前半が11%とやや多めになっているのも印象的でした。
いつものアンケートと同様に、首都圏、大阪府、愛知県が多いです。
では、各設問ついて紹介していきます。
設問のまま、「どこに宿泊しているんだろう」ということを知りたくてお聞きしました。
圧倒的にビジネスホテルでしたね。宿泊単価はお聞きしていませんが、ビジネスホテルとなると4千円~1万円くらいの間なのかなと想像しています。
宿泊先の使い分けとしては、ビジネスホテルは一人旅。ホテルや旅館は二人以上の旅で活用することが多そうですよね。
ちなみに「その他」の回答が9%ありましたが、「車の中で仮眠」という回答が多かったです。ぼくの知人でも車中泊でお城をめぐっている方がいます。
ウェブ経由が多いだろうとは想像していたのですが、ホテルサイト直接なのか、予約サイト経由なのかを知りたくて、お聞きしました。
ホテル・旅館は「自社の電話予約」「自社のサイト」「旅行予約サイト」「旅行代理店」など販売ルートをいくつも活用していますが圧倒的に「宿泊予約サイト」からの予約が多かったです。
ちなみに「その他」は「旅行代理店の店頭」が多かったです。
団長も「たしかに両親はショッピングモールに入ってる旅行代理店で手配してる」といってました。
個人的にとても知りたかった質問です。現地グルメ情報ってなかなか見つけられなくて、クチコミサイトくらいしか情報がないんですよね。それも地方に行けば行くほど投稿する人が少ないこともあり、情報がほとんどありません。
ウェブサイトがなく、Facebookページで代用している店舗もありますが、やっぱり見つけにくいので、みなさんがどうされているのかなぁと思ったのです。
結果はやっぱりインターネットでの検索でした。またSNS経由が想像していたよりも、ぜんぜん少なかったです。
たぶんこれはSNSで投稿した情報が「どこまでリーチするのか」「その投稿は、誰に見てもらえているのか」という情報提供元の課題になってくるのかもしれません。
(普段から観光客だけ相手にしている店舗じゃないかぎり、ウェブ宣伝費をかけることができない、という事情もありそうです)
裏を返せば、SNSは旅行のきっかけにはなるかもしれませんが(この点は今後もっとしっかり検証すべきですね)、いざ旅行に出かけようとした人、あるいは現地を訪問した人にとってはほとんど役に立っていないともいえそうです。
その他の内容にはこんなコメントがありました。
これは読みながら思い当たるフシがありました。
ぼくも以前宿泊した際に、部屋に置いてあったチラシに掲載されていたお店に行ったことがあります。
ただ部屋に案内があるかどうかは事前にはわかりませんからね。チェックインしたあと、さてどうしよう、と考えて「(地名) グルメ」「地名 ディナー」といったキーワードで検索するしかないですものね。
こうしたお城周辺のおすすめグルメ情報も攻城団でカバーしていきたいですよね。
せっかくお城にいくのだから、地元の郷土料理を食べたいです。現在も少しだけ名物料理を掲載した城メモはあるのですが、店舗情報についてはどういう形でカバーできそうか考えてみたいと思います。
(いいアイディアがあれば教えてください!)
この設問は各地で話をするといつも出てくる課題、「現地情報の発信不足」についての実態を知りたいと思ってお聞きしました。
駅やサービスエリア、ホテルなど、現地にはじつにたくさんのパンフレットやチラシがあります。でもそれは「訪問する前に」知っておきたい情報だったりするんですよね。
そもそも現地の人もみなさんに「来てもらうために」制作しているはずなのに、現実的な設置場所は「市内のどこか」「県内のどこか」だったりするわけです。
圧倒的にインターネット経由でした。意外なことにSNS経由での情報が0%です。推測になりますが、
など複数の要因が影響しているのではないでしょうか。
ぼくらも攻城団のアカウントを運用していますし、まちがいなくSNSは有効な告知手段ではありますが、同時にその限界も感じています。
それぞれの観光地が個別にフォロワーを集めるというのはほんとうに大変なことだと思います。
この設問の意図は、現地にいく計画をたてる際に「どういうことを知りたい」と思っているかを聞きたいと思いました。
情報を集める方法はそれぞれちがうと思うのですが、知りたいことは共通しているんじゃないか、またその情報を各地から発信してもらうことで「旅前の準備が便利になる」だろうなと思っています。
コメントで回答してもらいましたので、いくつかご紹介させてください。
現地に「着いてから」の交通に関する情報が多数を占めていました。それ以外は現地ならではの「撮影スポット」「観光スポット」に付随する情報を求める声が多めですね。
各地のサイトを見ていると、お城の背景や歴史的説明は掲載されているのですが、現地についてからの情報が不足している印象は否めません。
攻城団では、各地からいただく「イベント情報」をお知らせ欄に掲載したり、攻城された団員のメモが共有されたりしていますが、細やかなアクセス情報はまだまだ整備されていません。
またモデルコースがほしいというコメントもいくつかありました。せっかく現地にいったからには周辺も観光したいのですが、距離や移動手段、所要時間がわからないと計画が立てにくいというのは、とてもわかります。
このふたつの情報は現地の方が誰より詳しいはずなので、自治体・観光協会の方に協力をお願いして、情報を充実させていきたいと思います。
攻城団のアンケートでも「ツアーをやってほしい」というコメントを、少なからずいただいています。またガイドつきで攻城できる現地ツアーの開催を検討していることもあって、
みなさんが参加されたツアーはどういうものなのかを知りたいと考えました。
「あります」と回答いただいた方にはどんな内容のツアーに参加されたのかを教えていただきました。
複数のお城をめぐるパックツアーに参加されているようですね。近隣のお城をツアーでめぐることができるのは、効率的で便利そうですね。
そういえば以前団長も「はとバスツアー」で高島城と高遠城をまわってましたね。
つづいての設問は「着地型ツアー」に絞って参加の経験をお聞きしました。というのも攻城団でツアーを開催するとしたら、現地集合・解散の着地型ツアーになると思うんですよね。
そこでまず「着地型ツアー」の利用度や認知度について知りたいと考えました。
回答をみると「参加したことがない」が90%という結果でした。結果グラフを見ながら「こんなに利用者少ないんだ!」と「やっぱりなぁ......」というふたつの感想を持ちました。
ちなみに、ぼくも着地型ツアーを利用したことはありません。そもそも「着地型ツアー」という言葉を知らなかったんです。
現地でバスツアーなどを利用して観光したのは、たぶん京都のバスツアーくらいでしょうか。
着地型ツアーに「参加されたことがある」と回答された方にお聞きしました。
コメントで回答いただきましたので、ご紹介いたします。
着地型ツアーに「参加したことがない」と回答された方には、その理由をお聞きしました。
「興味あるものがなかった」というのは商品企画、商品開発の問題ですね。
「開催日時があわなかった」はよくわかります。たまに見かけるウォークラリーや、山城を歩いてみようといったイベントは、決められた日時で開催されますので、予定があわないケースは多いです。きっと利用者が増えればいつも開催できるのでしょうが、安定して参加者を確保するというのは告知・集客と関係してくる課題ですよね。
「着地型ツアーの情報がなかった」は、先にお聞きした現地の観光スポットや食事情報と同じように「インターネットで調べても情報が出てこない」ということかもしれませんね。
またチェックしているサイトに「着地型ツアー」の情報が載っていないことも大きいかもしれません。
たとえば地元の旅行代理店が主催している着地型ツアーの場合、開催情報は
というパターンになります。
この場合、観光協会のサイトには掲載されていませんよね。またチラシ配布だと地元の人や、いま現地にいる人にしか伝えることができません。
このあたりのマーケティング上の課題の解決には攻城団が協力できる部分もかなりあると思っています。
ちなみに回答は「その他」が44.4%と一番多くなりました。この回答にはコメントもいただいていますので、ご紹介します。
「人見知りなので参加しづらい」という回答もありましたが、たしかにひとりでツアーに参加するのはちょっと勇気がいるかもしれませんね。
「子どもがいるから」「自由に歩きたい」という回答もありました。これは逆に参考になるところです。
たとえば「親子で楽しめる体験型ツアー」や「ツアー限定! ふだんは非公開の○○に入れる」といったセールスポイントがあれば、ツアーに参加していただける確率があがるかもしれませんね。
「ガイドが一緒に回ります」「周遊ルートをごいっしょします」だけだと着地型ツアーの参加者は伸びないってことかもしれません。
ここ数年VR(仮想現実)やAR(拡張現実)と呼ばれる技術を活用した「バーチャル〇〇」という体験型アプリが各地からリリースされています。
「城址をカメラで写すと天守が表示される」といったものですね。
たくさん出ているにもかかわらず、リリース元からダウンロード数や利用者数のレポートを見たことがないんですよね。アプリ配信していない自治体の方と話をすると「アレ、どのくらい使われているんですかね」という話題が出ることもあって、みなさんがじっさいに使われているかを知りたくて、お聞きしました。
21%を多いと見るか、少ないと見るかは評価がわかれるところでしょうか。
使ったことがある方には、どこのお城で使われたかをお聞きしました。
使ったお城 | 人数 |
---|---|
上田城 | 5人 |
姫路城 | 4人 |
屋島城 | 1人 |
津山城 | 2人 |
安土城 | 1人 |
金沢城 | 1人 |
福岡城 | 1人 |
萩城 | 1人 |
名護屋城 | 1人 |
佐倉城 | 1人 |
広島城 | 1人 |
関ヶ原古戦場 | 1人 |
姫路城と上田城が多いのは、どちらもいま観光客が集まっているお城だからでしょうね。
またアプリを使った感想もお聞きしていますので、ご紹介します。
紹介したコメントは全体の1/3くらいなんですけど、「よかった」的な回答が6割くらいで、「おもしろくない」が4割くらいの比率でした。VR/ARを活用した現地での楽しみ方にはいろいろ改善の余地がありそうですよね。
まず想像(という期待)していた以上に、「着地型ツアー」の認知と利用度が低かったなぁと感じました。
「知っているけど、利用しない」より「知らないので、利用したことがない」のほうが多いのですが、着地型ツアーを企画募集する際には、募集告知が重要になることをあらためて感じました。
また旅行にいく際にはインターネットでの情報収集がとても活用されている反面、SNSは情報源としてはそれほど活用されていないのも意外でした。SNSからの情報はちがう用途でチェックしているんでしょうね。
訪問前に現地のことをインターネットで調べているけれど、知っておきたいことが「駐車場情報」「地元の食事グルメ」「名産情報」というのは、従来のアンケート結果と同じでした。
発信されている情報と知りたい情報が一致していない状況が変わっていないところは、今後ぼくら自身の課題としてもきちんと取り組んでいきます。
「名産情報」「地元のグルメ情報」を店舗情報まで網羅するのはすぐにはむずかしいかもしれませんが、「この地域は○○が名物です」といった情報なら集めていけそうですよね。まずはいま取り組みがはじまった七尾城周辺の名物情報も整理してみたいと思いました。
ちなみに城メモにはつぎのように掲載されています。
みなさんの地元で 「これが名産」「これが名物料理」というのがあれば、いつでもお問い合わせフォームから送ってくださいね。
情報を集めていくための取り組みについては、各地の自治体・観光協会さんにコンタクトをとって写真やアクセス(ルート)情報を提供いただくことが多いのですが、お願いの範囲を「地元名産」「郷土料理」など範囲を広げて、お声がけをおこなっていってみたいと考えています。
今回もアンケートにご協力いただきましてありがとうございました。
toproadさんが城がたり「よくわかる小牧山城」を企画してくれました。愛知県小牧市と調整してくださり、学芸員の方にZoomで話していただけることになりました。小牧山城の歴史、発掘調査の成果など、いろんな話が聞けると思いますのでぜひご参加ください。
つづきを読む昨年に続いて第6回目となる団員総会を開催したのでレポートを書きました。今年は去年と同じ会場でしたが、内容はかなりアップデートしています。とくに「お城ビンゴ」は盛り上がったので、今後の定番ゲームにしていきたいですね。来年はさらに多くの団員と集まりたいです。
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