仙巌園(せんがんえん)は薩摩藩主島津氏の別邸跡とその庭園のことで、別名「磯庭園(いそていえん)」と呼ばれています。
敷地面積は約5haで、1958年(昭和33年)に国の名勝に指定されています。
1658年(万治元年)に19代当主・島津光久によって造園され、その後も歴代当主により改築が繰り返されました。
とくに桜島を築山に、錦江湾(鹿児島湾)を池に見立てた借景が素晴らしく、1958年(昭和33年)に国の名勝に指定されました。
当時のまま現存する御殿は内部公開されています。
全国的にも珍しい薩摩焼でつくられた釘隠し(桜島大根をデザイン)や、松竹梅が配置された欄間など、ひとつ一つの装飾も見事です。
幕末には28代・島津斉彬がこの敷地の一部を使ってヨーロッパ式製鉄所やガラス工場を建設するなどの近代化事業(集成館事業)を起こしたことでも知られ、反射炉跡を見学することができます。
また1857年(安政4年)には「鶴灯籠」と呼ばれる石灯籠にガス管をつないで点火させ、日本のガス灯発祥の地として挙げられています。
1888年(明治21年)からは焼失した鹿児島城に代わり島津忠義公爵一家の住まいとなりましたが、忠義の跡を継いだ島津忠重は東京に移ったため住人不在となり、その後1949年(昭和24年)の華族制度廃止に伴い鹿児島市の管理下に置かれました。
1957年(昭和32年)に島津家に返還され、現在は鹿児島有数の観光スポットとして島津興業が管理しています。
尚古集成館
尚古集成館は仙巌園に隣接して建てられた博物館です。1923年(大正12年)5月22日に開館し、2005年(平成17年)10月8日に改修されました。
本館は1865年(慶応元年)に竣工したもので、国の重要文化財になっています。
館内には反射炉の模型など、28代当主・島津斉彬によってはじめられた集成館事業を紹介する展示のほか、島津家に関する史料や薩摩切子、薩摩焼などが常設展として展示されています。
また1990年3月29日には別館も開館し、企画展などが開催されています。
2015年(平成27年)には「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」を構成する「旧集成館」の機械工場として世界遺産に登録されました。
【鹿児島】仙巌園の御殿はすごかった(写真満載レポート) - 攻城団ブログ
島津氏の別邸&迎賓館である仙巌園にいってきました。めちゃくちゃ良かったです。