みんなのレビュー

団員が投稿した書籍のレビューを最新順で表示しています。

レビューを投稿するには
まず以下のリンクにある検索フォームで書籍を検索してください。検索結果にある「レビューを書く」という緑のボタンを押せば入力欄が表示されます。このページに並んでいるレビューのようにすでにほかの団員がレビューを書いている場合は、書籍のページの右上にある「レビューを書く」を押しても投稿できます。
書籍の検索ページ

西国将軍さん
甲陽軍鑑 (現代人の古典シリーズ)

正直、興味本位で読了。もともとは戦国時代に実在した甲斐国・武田氏の戦略や戦術などを記した軍学書だけど、現代社会で戦うビジネスパーソンにも相通ずるところが多々あると感じる。好き嫌いがはっきり出ると思いながらもオススメの書です。


西国将軍さん
新装版 武田三代 (文春文庫)

本書は新田氏が別著『武田信玄』で魅せた緻密な史料考察をそのままに情感溢れる外伝作品に仕上げられている。短編ということもあり、より大胆な筆致で物語が展開される。
新田氏の作品の特徴は、「読者に対する配慮」だと思う。他の作家が作品中で歴史考察を挿入するのに対し、新田氏は各章毎の終盤に自身の考察・史料の引用部分を載せるという構成を採る。このような手法は、興を削がれる人もいるとは思うが、「史実との線引き」に対して少なからず配慮を求めてしまう読者には助かる仕様と思う。
『武田信玄』を既読の方もそうでない方も、またあまり歴史が得意でない方も楽しめる文学作品になっている。


西国将軍さん
日本武将譚 (文春文庫)

本書は、タイトルどおり、忠臣、朝敵、乱世の梟雄たちを、史実に沿って紹介するもの。簡潔で、スパッとした文章表現が小気味いい。将門、八幡太郎義家、正成、道灌、“早雲”、光秀、如水、謙信、信玄、秀吉、政宗等々。凡そ平安時代の終わり頃から、江戸時代の始まり頃までに活躍した武将たち。お気に入りは北条早雲。それまで力を持っていた守護から、関東を奪い取った戦国大名の先駆け。つまりは戦国時代を切り開いた男。これほどの英傑が一度も大河ドラマにされてない。遅咲きにして、下剋上の第一人者の生涯は、観る人を魅了するに足ると思うのだけれど。後北条創生の物語、想像するだけで心躍りませんか。


西国将軍さん
戦国名刀伝 (文春文庫)

あまりテーマとして採り上げられることの少ない刀(とりわけ名刀)にまつわる伝承や奇譚を交えて描く短編集。戦国時代の武将たちが、様々なこだわりから佩刀した名刀との不思議な縁が描かれている。作者は銃や刀、武器、兵器の類や合戦、戦争などに非常に詳しくその博覧強記ぶりはこの作品にも表れている。刀というテーマや描かれる武将(人物)も地味なだけに作品として好みは分かれるかもしれない。


西国将軍さん
鬼と人と―信長と光秀 (上巻) (PHP文庫)

織田信長と明智光秀との二人が、同じ事件、同じ光景を互いに独白するという世界にも珍しい形式を採り、主従の心の葛藤に引き込まれる。
信長と光秀という「日本史の奇観」を描き切ることは難しいのだろうが、同じ題材の多くの作品群にあって史書、小説、または改革と組織の手引書として、本書が最も面白い。


西国将軍さん
本朝甲冑奇談 (文春文庫)

戦国乱世の甲冑は、単なる武具ではなく、武将たちが野望を誇示する究極の自己表現。彼らは競い凝った意匠の甲冑を身にまとい、我こそはと戦場を疾駆した。本書はそうした鎧と兜に関する奇譚、奇談を集めた短編集、武将たちの夢、出世、野望、そして無念の死を抱えた6つの甲冑の秘話が収められている。織田信長、豊臣秀吉、蒲生氏郷、前田利家、井伊直政ら、名だたる武将ばかり。筆者は群を抜く豊富な知識と伝記的物語づくりで定評があり、うらうちされた知識に基づく、物語のくみ上げ方が緻密で恐れ入る。逆を言えば、歴史に造詣が深くないと読み込めない、玄人好みの作品。一般的な歴史物語で満足できない方にお勧めの一品です。


西国将軍さん
宇喜多の捨て嫁

宇喜多直家という武将は、歴史小説の主人公として書くには非常に難しい人物。
謀略と殺戮にあけくれた悪人のイメージが際立っていて、読者としても感情移入しにくい存在であろう。
それを非常に巧妙な筆力と構成で、読むものを共感へと導いていく。これはなかなか常人にはできるものではない。
非常に優れた作品です。(リアルにおもしろい)注目の若手作家の登場に拍手。


西国将軍さん
天佑、我にあり

馬の嗎、蹄の音、怒号、血煙り土煙り、臨場感溢れる戦況。圧倒的な筆力で、読み手を合戦場に誘う。時代考証に、信玄と謙信の心理描写を巧みに取り入れた戦略、戦術展開のリアリテイさ。面白い、こんな川中島は読んだことねぇ。


西国将軍さん
鉄の首枷 - 小西行長伝 (中公文庫)

小説とは違い、小西行長という謎の多い武将の足跡を文献から辿る一種の伝記のような本。
堺の町を運営していた有力商人・会合衆の一員であった小西一族。彼らが持つ財力と水上輸送力、そして、それらを自在に切り回すことのできる能力を秀吉に買われたことから、一気に権勢を誇るよう。秀吉統治前後の時代背景もしっかり書かれてあるので、堺の町をめぐる情勢が勉強になる。
信仰に生きた高山右近の姿を理想としながらも、同じようには生きられなかった行長の苦悩と焦燥、孤独感が描かれていて、右近のように全てを擲って「神の世界」に自らを捧げるほど純粋ではなかった、そんな行長の姿を、遠藤さんは否定的な目で見てないのが随所に伺える。
読みどころは、やはり行長が「活躍」する文禄・慶長の役。秀吉の誇大妄想から始まった愚かな戦を終息させるために、身を削って朝鮮・明に講和を求めた行長の姿が、切迫感に溢れている。
清正側視点からはとかく敵役として扱われることの多い行長だけれど、同じキリスト信者である作者により人間・小西行長の人物像をよみがえらせた本作は読みごたえがあった。


西国将軍さん
悪いやつら―謀将・宇喜多直家

謀将!
梟雄!!
って響き良いですよね。卑怯、狡猾、非道だとかの意味の裏で「頭良いんだぜ、フフン」って確実に言ってる、と思う。
それはそうと、本作は、備前の梟雄・宇喜多直家の幼少期から、仇敵・島村貫阿弥入道を倒すところまでのおはなし。幼少の直家は、普段は愚鈍な様子を振る舞い、ヘラヘラ笑いながら鼻水垂れ、奇声を発する阿呆なお子さまなんですが、危機的状況での本気モードがカッコ良い、そのギャップたるや大層な魅力。
全体的に見ると、普通の歴史小説なんだけど、所々罠のようにドカンとした引き付け場面が仕掛けられてるので油断はできない。仇討ちシーンなんて数行なのに、えらく印象深い。篝火を背にして床机に腰掛け、周囲にずらりと弓勢を並べて不敵に微笑む直家の顔が容易に想像できる、カッコよい‼︎
乙子村に所領を得てからの展開がどうにも駆け足だったのは残念だけれども、この作品、我が郷土、馴染みの場所が描かれていることもあってか、期待以上に愉しめた。

フォローしませんか

攻城団のアカウントをフォローすれば、SNS経由で最新記事の情報を受け取ることができます。
(フォローするのに攻城団の登録は不要です)

今日のレビュー

大名格差~江戸三百藩のリアル~

江戸時代の大名について詳しく知りたいと思っていた時に目に止まり、読んでみることにしました。江戸時代大小併せて260~300藩有ったと言われていますが、本書では大名の格差をテーマとして石高、将軍との関係、江戸城、江戸藩邸、参勤交代の5つに分けてエピソードを交えて書かれています。石高の大小による格差をはじめとして、将軍家から嫁をもらったり、養子をもらったした大名の家格が上げられたり、その家格によって江戸城内での将軍との拝謁の仕方や服装が違ったり、江戸藩邸では門構えや屋敷の広さに差が見られたり、最後に参勤交代の道中でかち合いそうになった場合とか宿場が同じになりそうになった場合にその大名の格差が顕著に表れる事を細かいところまで知ることが出来ました。その当時の大名たちは自分の家格を十分に認識した上で行動し、少しでもその家格を上げることを日々考えていることがよく理解できる一冊でした。

まーちゃんさん)

書籍ページを表示する

すべてのレビューを表示する

フィードバックのお願い

攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック

読者投稿欄

いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する

トップへ
戻る