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元々「貂の皮」が読みたくて購入、いままで読んだ司馬短編のなかでもダントツ面白い。
さて、主人公の脇坂甚内(安治)、徳川初期の豊臣系大名の生き残りにして、賤ヶ岳七本槍のひとり。
特段の才はなく、只真面目で平凡な人物であったけれど、丹波の雄 赤井家に伝わる家宝「貂の皮」の霊験のお蔭か、大名として家名を永らえる基を作る。
やはり、日本という国は、率直に才を示し過ぎると足元をすくわれるのか、「出る杭は打たれる」「能ある鷹は爪隠す」というけれど、「大事な処世術だな」と改めて感じた。
ついでに書くと、関ヶ原では西軍に属しているにも関わらず、加増されている。藤堂高虎の曲芸よりも上をいっている。ほんとに「めでたい」というほかない。
のっけから城址の一番の楽しみは縄張りであり、天守閣などは大工仕事と切り捨てるあたり、激しく共感。
大きすぎないお城と、大きすぎない町がいい。……お城とその城下町に関するエッセイで、著者がいわゆる城マニアだとは知らなかった。挿絵はもちろんイラストレーターの著者によるもの。ゆったりした雰囲気で、歴史の話を交えつつ、お城に思いを馳せる本は、イラスト同様にほどよく緩く、難しすぎないのがいい。地図で城址を見つけては、そこを訪ねる旅の楽しみ方を教えてもらった。それぞれの紀行のなかに著者のエピソードがあり、楽しく読める。「春樹君」と村上春樹を呼べるのは、きっと著者だけのことだろう。
吉田城(藩)の江戸後期の参勤交代にまつわる財務周りの話。金銭支出にまつわる話が詳細で面白い。幕府の要職に就くと藩の財政が傾くという件では、丸岡藩を思い出しました。金銭単位が現在との比較表があったら、より現実的に感じられるかも。
関ヶ原の戦いで戦わずして敗れ、常陸から出羽に国替えとなった佐竹氏の城地選定をめぐる、古参の武闘派家老たちと若手の側近たちの対立を描く『雪の峠』と、戦国時代の剣豪、上泉信綱の弟子である疋田文五郎を主役に武田信玄の箕輪城攻めを描く『剣の舞』の二編の歴史コミック。前者では久保田城を推す若手と金沢城を推す老臣のプレゼンが行われるが、お互いの策のぶつかり合いが面白い。後者は戦で家族を殺され復讐を果たそうとする少女が描かれ、戦の悲惨さと虚しさを描いている。(凄惨な場面があるので要注意)
本書に登場する城 土崎湊城 武州松山城 久保田城 金沢城(仙北) 横手城 箕輪城
お城の復元ということについて、明治以降から現在までを網羅して「なるほど!」と思う点がたくさんありました。現存天守だけでなく、復興・模擬天守や櫓、土の城も含めて、あまり表に出てこない整備の裏側(文化行政)の一端をなぞれます。こういう話、たくさん聞きたいなぁ。
全国の「行きにくい」けれど、「行く価値のある」お城について取り上げています。お城までのアクセス方法、見どころ、専用駐車場やトイレの有無、携帯電波や藪・倒木についての記述があります。「山城撮影術」は今後の写真撮影の参考にしようと思います。
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江戸時代の大名について詳しく知りたいと思っていた時に目に止まり、読んでみることにしました。江戸時代大小併せて260~300藩有ったと言われていますが、本書では大名の格差をテーマとして石高、将軍との関係、江戸城、江戸藩邸、参勤交代の5つに分けてエピソードを交えて書かれています。石高の大小による格差をはじめとして、将軍家から嫁をもらったり、養子をもらったした大名の家格が上げられたり、その家格によって江戸城内での将軍との拝謁の仕方や服装が違ったり、江戸藩邸では門構えや屋敷の広さに差が見られたり、最後に参勤交代の道中でかち合いそうになった場合とか宿場が同じになりそうになった場合にその大名の格差が顕著に表れる事を細かいところまで知ることが出来ました。その当時の大名たちは自分の家格を十分に認識した上で行動し、少しでもその家格を上げることを日々考えていることがよく理解できる一冊でした。
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