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織田信長による美濃攻めの過程で発生する猿啄城攻めをテーマとした漫画。堂洞合戦を題材とした「夕雲の城」のスピンオフ作品です。こちらも巻末の資料が豊富でオススメ。坂祝町の中央公民館などで購入できます。
米子城の歴史、縄張りだけでなく発掘調査の解説や今は存在していない天守の考察や城下町など幅広い範囲かつ詳細に書かれています。また用語についても丁寧に解説しているので読みやすい書籍だと思います。ひとつの城郭、しかも建築物がほぼない城郭で1冊の本になっていることが驚きです。
攻防戦の激しさ・面白さ・時代的意義を基準に選んだ「戦う城」を歴史小説作家が分析。戦国時代から幕末にかけて攻防戦が行われた26の城の歴史的背景から立地や縄張りまで紹介する。人物の評価など著者の主観が強く書かれた部分もあるが、エッセイあるいはガイドとして読むなら気にならない。それぞれの城や合戦についてよく調べられていて文章も臨場感があるので、実際に城を訪れた時により深く味わうことができると思う。2014年発行
とても生き生きと描かれています。肥後国人一揆の様子など、単に城郭だけでなく、戦闘を想定している絵もあり興味深かったです。阿波に畑山城なんてあったんですね。お城がかつて機能していたことを改めて認識させられる本です。
28歳の若さで武田家の指揮をとることとなった勝頼。信玄時代の老臣たちとのジェネレーションギャップに苦しみながら、偉大な父を超え、自分の思いを遂げようと進んでいく勝頼の姿が好意的に描かれる。
戦国最強軍団が、脆くも内部崩壊していく様子を、それぞれの心情とともに鮮明に表現、老臣の意見に心ならずも流されていく勝頼に歯痒く思う場面も多いが、勝頼の無念さが伝わってきて心が打たれる。
「なぜ、武田家は滅ばなければならなかったのか」と改めて考えさせらる。
著者は、武田信玄、武田勝頼、大久保長安の三部作を予定していたという。残念ながら大久保長安は実現していない。
著者晩年の作だけあって、実に読みやすい。有名な「武田信玄」より面白いかも。
章末には「信玄公記」や「甲陽軍艦」の引用が掲載されていて、原書ではほんの一行で表されている部分が、小説では背景描写・人物の心情描写等が重厚に表現されていることにも感動をおぼえた。
戦国三大梟雄の一人というあまり有り難くない称号を頂く宇喜多直家を中心とした宇喜多四代の話。それにしても、表裏者、乱世の梟雄、などといわれている直家をここまでカッコヨク描いている小説は珍しい。そこが新鮮で面白く、著者の筆力に説得力がある。事実、身一つにまでに凋落したところから、 備前・備中・美作余りを領する戦国大名にまで台頭しているのだから、それもまた宣なるかな。
織田や浅井から見た朝倉は、時代小説でよく描かれているものの、朝倉義景を主人公にしたところが興味深くて手にした。
義景は、一般的にも暗愚の将と認知されており、そんな魅力無い人物を主人公に据えてるからには、斬新な新解釈により、暗愚の将を隠れた名将として描いているのを期待したけれど、従来どおりの義景を描いているだけ。筆者の解釈や想像で創られた部分もあるけれど、基本的に史実をたんたんとなぞる展開はダラダラと感じてしまう。さらに筆者の歴史観に違和感を感じる所も多々あり、残念の一言に尽きる。
景恍の自刃、景忠の謀反、前波の離反、景紀の出奔など、前後半に山場を作れるのに。景鏡のキャラ設定も無難すぎる。武田勝頼の憐れさに等しいところがあって、もっとおもしろくできそうな題材があるのに、ちょっと残念、物足りなかった。
義景視点の作品は多くはないと思うので、興味がある人はご一読を、朝倉家興亡史の流れはわかります。
松永久秀を主人公とした歴史小説というより、久秀の主観から見た「三好長慶物語」。長慶の歴史小説がほぼ無い(知らない)ので個人的には嬉しい限り。
この長慶、足利義輝の京・追放、久秀の下剋上を許容したことで、あまり良くないイメージで語られてきたけれど、近年「幕府」という旧来の支配体制に依存せず、自ら日本を統治することに乗り出した革新的な人物と評価が急上昇中。全盛期には9カ国以上を治め、織田信長に先駆けた「天下人」、もう興味津々。
畿内の地名が分からない、登場人物が多すぎるわで、大苦戦した前回読了を反省し、和泉・河内・大和・山城・摂津の城址を制覇しての再読、畿内の地政に、日本史の上級知識を備えるとイメージが拡がって、まるで別の作品のよう、あぁいと面白し 。
司馬氏の作品にゆかりのある城を、その作品と共に紹介してある。城好きかつ氏の作品も好きな自分にはとても嬉しい。
北は五稜郭から南は首里城まで、日本全国の35城をカバーしている。いかに著者のカバレッジが広範だったかの証拠ともいえる。
データおよび補足コメントまでついているので、立派なガイドブックになっている。例えば、「丸岡城」の記述を見てみると、「街道を行く」第18巻の「越前の諸道」が引用されており、“第三層まで貫く通し柱がない” “永平寺大工の影響ではないか”などのユニークな分析がなされている。永平寺大建築のときに中国から大工を連れてきた、などとの新知識も得られる。
まあ、本書は、「日本百名城」「続日本百名城」を訪ねる人には、必読書というか、携帯して行くべきだろう。
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江戸時代の大名について詳しく知りたいと思っていた時に目に止まり、読んでみることにしました。江戸時代大小併せて260~300藩有ったと言われていますが、本書では大名の格差をテーマとして石高、将軍との関係、江戸城、江戸藩邸、参勤交代の5つに分けてエピソードを交えて書かれています。石高の大小による格差をはじめとして、将軍家から嫁をもらったり、養子をもらったした大名の家格が上げられたり、その家格によって江戸城内での将軍との拝謁の仕方や服装が違ったり、江戸藩邸では門構えや屋敷の広さに差が見られたり、最後に参勤交代の道中でかち合いそうになった場合とか宿場が同じになりそうになった場合にその大名の格差が顕著に表れる事を細かいところまで知ることが出来ました。その当時の大名たちは自分の家格を十分に認識した上で行動し、少しでもその家格を上げることを日々考えていることがよく理解できる一冊でした。
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