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まーちゃんさん
江戸の貧民 (文春新書)

日本史の知識をアップデートするための勉強会で榎本先生が紹介された著書で、この勉強会の予習にもなると考え読んでみました。流れとしては現在の浅草周辺と江戸時代の浅草周辺を重ね合わせた中で、穢多、非人について詳細が書かれています。一般的に「穢多、非人」と続けて書かれることが多いですが、穢多と非人の違いをあまり理解していなかったのですが、江戸時代にはある程度の地位にあった方々であることが解りました。穢多は武士階級の誕生とともに生まれ、主として「穢れ」に関する仕事に従事し、軍事の手伝い、皮革の生産や罪人の管理などの役は、半ば公務員の様であって、その穢多の頭領として浅草弾左衛門がおり、この弾左衛門への幕府の手厚い保護がなされていた事を知りました。一方、非人は社会からはじき出された落ちこぼれ、なんの役にも立たないどころか、むしろ救済を他者にもとめる人々であり、浅草の車善七他四名の非人頭がこの非人たちを統括しており、幕府へのある程度の影響力を持っていたことを知りました。その他、さまざまな大道芸をおこない金銭を乞うた乞胸(ごうむね)、現代では「露天商」に当たる香具師(こうぐし)などが書かれていました。江戸時代の士農工商以外の身分について勉強したい方には最適な一冊だと思います。


まーちゃんさん
逃げる百姓、追う大名―江戸の農民獲得合戦 (中公新書)

図書館で歴史の本を見ていたら、面白そうな題名だったので読んでみることにしました。江戸中期後期にかけて村落規模での集団的な行動が多かったようですが、前期は個人や家族の規模で別の大名領や家臣知行地に移動する事を「走り」と言って、その人を「走り者」と言っていたそうです。その移動距離はせいぜい50~60キロメートルの範囲が多く、元は同じ地域圏内での移動が多かったようです。この著書では江戸前期の細川忠興、忠利が治めた豊前国細川領を主な対象として走り者の頻出と権力側の対応について書かれています。江戸幕府が開かれ世間が落ち着き大開墾時代を迎え、一人でも多くの百姓を確保しておきたい権力者同士のやり取りが理解することが出来ます。走り者の返還申し入れがあったら返すが、なければそのままにしておくというのがその当時の慣例であったようです。江戸時代前期の支配者と被支配者の関係をより深く理解するのに適した著書だと思います。


善右衛門さん
戦国武士の履歴書 (戎光祥選書ソレイユ006)

この本は里見吉政という上州のある戦国武士が自分のことを書き起こした「戦功覚書」というものを著者が解説してくれる本です。里見吉政は最終的に井伊彦根藩の重臣(1000石)にまでなりますが、この本では武田氏が滅ぶ天正の頃より話が始まります。当初は北条方で戦い、やがて滝川一益の下で神流川の戦いに参加、その後秀吉に従い九州攻め、浅野長政配下で忍城攻めなど有名どころの大名の元を渡り歩き戦国の世を生き抜きます。自分で自分の戦功を書き遺すという特性上、多少なりとも誇張や勘違いもあるとは思いますがリアルな戦国時代を追体験してるみたいでのめり込めます。この本の著者自身もイキイキと解説してくれているのでスルスルと読み進められます。城攻めや戦の様相も知ることができ、とてもおすすめだと思います。


伝もものふ山田(ヤマー)さん
残念な死に方事典

総勢40名の武士の死様について、漫画イラストつきで解説されています。
討死、切腹、事故など様々な要因がありますが、死に至る経緯も書かれており、生き様も感じることができました。個人的に印象に残った残念な死に方は、日向の覇者「伊東義祐」です。南無南無…
大河ドラマの最終回を一気に観ている感覚で、楽しく読めました。


紫陽花局さん
ひとり白虎 会津から長州へ (集英社文庫)

白虎隊の生き残りである、飯沼貞吉の生涯を描いた作品です。仲間と共に自刃したにも関わらず、1人生き残った10代の貞吉。家族と離れ、捕虜として連れて来られた長州では、当時わずか15歳位の少年だったと言う地元民の証言も残っているそうです。会津の生き残りとして苦しみ抜き、自刃を試み周囲の大人達に諭され止められていたという実際の記録も、残されているそうです。そこから晩年になるまで、自分の生きる目的とは何か、時代とは何かを考えながら学び、成長していきます。やがて伊藤博文らと、当時の国の一大事業である通信事業に従事するようになりますが、その晩年も思い悩みつつ、彼が見つけた答えは何だったのか。没後には、遺言通りに仲間の眠る飯盛山へ葬られた所に、その答えはあるような気がします。彼の残した白虎隊の記録は、今や貴重な史料。その史実に基づいた細やかな考察と、白虎隊の最期を唯一経験した彼自身の思いが、女性作家ならではの優しい筆致で、イキイキと伝わってきます。


まーちゃんさん
大名格差~江戸三百藩のリアル~

江戸時代の大名について詳しく知りたいと思っていた時に目に止まり、読んでみることにしました。江戸時代大小併せて260~300藩有ったと言われていますが、本書では大名の格差をテーマとして石高、将軍との関係、江戸城、江戸藩邸、参勤交代の5つに分けてエピソードを交えて書かれています。石高の大小による格差をはじめとして、将軍家から嫁をもらったり、養子をもらったした大名の家格が上げられたり、その家格によって江戸城内での将軍との拝謁の仕方や服装が違ったり、江戸藩邸では門構えや屋敷の広さに差が見られたり、最後に参勤交代の道中でかち合いそうになった場合とか宿場が同じになりそうになった場合にその大名の格差が顕著に表れる事を細かいところまで知ることが出来ました。その当時の大名たちは自分の家格を十分に認識した上で行動し、少しでもその家格を上げることを日々考えていることがよく理解できる一冊でした。


紫陽花局さん
家康の母お大 (集英社文庫)

植松三土里さんの時代小説は、歴史初心者でも非常に読みやすいです。英傑を育てた母の心情や思い、人質に取られた我が子家康を案じる間、耐えて綿畑を耕す。その於大さんの蒔いた種は、現在もその地方を綿の名産地として発展させたと言います。どちらかといえば同じく戦国の女性である淀君や、ねねさんと比べれば、影で英傑を支えたイメージの於大さんですが、肝の座った女性であり、生涯家康を支えたという事が伝わってきます。子育て中の女性にも、おすすめの1冊だと思います。


紫陽花局さん
二本松少年隊物語 霞の天地

戊辰戦争の折、12歳、13歳からなる実在の少年隊の子供達がいました。白虎隊も有名ですが、この二本松少年隊の幼い子達も、故郷を守ろうと、若い師匠である先生と共に、砲術隊として出陣します。その活躍は相手方を驚かせたと言うほど、狙いも正確だったそう。しかし勢いを増す新政府軍になす術はなく、果敢に大人の敵に立ち向かいながらも、次々と命を落としていきます。1人1人の最期や、出陣前日の、記録に残された家族とのやり取りなど、そんな先人たちがいたからこそ今の時代がある、と教えてくれる1冊。戦が舞台なので、1人ずつ亡くなっていく描写はつらく酷いですが、絵のタッチが繊細で優しいので、女性や、小学校の高学年などからでも読みやすいと思います。


紫陽花局さん
二本松少年隊物語 霞の天地

戊辰戦争の折、12歳、13歳からなる実在の少年隊の子供達がいました。白虎隊も有名ですが、この二本松少年隊の幼い子達も、故郷を守ろうと、若い師匠である先生と共に、砲術隊として出陣します。その活躍は相手方を驚かせたと言うほど、狙いも正確だったそう。しかし勢いを増す新政府軍になす術はなく、果敢に大人の敵に立ち向かいながらも、次々と命を落としていきます。1人1人の最期や、出陣前日の、記録に残された家族とのやり取りなど、そんな先人たちがいたからこそ今の時代がある、と教えてくれる1冊。戦が舞台なので、1人ずつ亡くなっていく描写はつらく酷いですが、絵のタッチが繊細で優しいので、女性や、小学校の高学年などからでも読みやすいと思います。


紫陽花局さん
九十三歳の関ヶ原: 弓大将大島光義 (新潮文庫)

三英傑が群雄割拠していた時代、弓の名手として名を馳せた大島光義。幼い頃から弓一本で渡り歩いた彼の快進撃が始まるのは、なんと遅咲きの60代頃。そこから織田信長に認められ、200人の弓衆を率いる弓大将となり、大名にまで上り詰めます。そして秀吉、家康の時代を通り抜け、関ヶ原まで生き抜いた、岐阜県関町に実在した関藩の藩主に。そのパワフルな生き様は、元気を与えてくれます。

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今日のレビュー

ワイド&パノラマ 鳥瞰・復元イラスト 日本の城

2022年3月に増刷と聞き予約して購入。帯に「在りし日の城の姿!」とある。初版同様、100城全126点。精密な鳥瞰・復元イラストには構造としての城だけでなく、人々の営みも書き込まれているものも多くて気に入ってます。人々が関わってこその城だと思うので。
石垣山城は天守台建設中で人々が土木工事をしてるし、杉山城では堀に渡された木橋を人が通ってます。亀居城に舟入があったことはこの本で知りました。伏見城のページには在りし日の巨椋池が広がっています。城が躍動していた頃の姿を眺めてうっとりするのはロマンと言うのかな。出版社はワン・パブリッシング。

山鳩さん)

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