一昨日の日曜日(5月26日)に第4回姫路城フォトコンテストの授賞式がおこなわれました。
今回の会場は姫路城の北側にある日本城郭研究センターの会議室をお借りしました。ご協力いただいた関係者のみなさんにも出席いただきつつ、4名の受賞者をお迎えしての授賞式となりました。
スケジュールなどの都合で参加できなかったほかの受賞者の方をはじめ、個人スポンサーのみなさまやフォトコンテストにご応募くださった方々にも当日の様子をお伝えしたいので、毎年恒例となっていますが今回もレポートを書きます!
ぼくは朝、京都を出て姫路入りです。
過去3回は雨の心配ばかりしてきましたが(ありがたいことに雨が降ったことは一度もありません)、今年ははじめて熱中症の心配をする授賞式となりました。
攻城団のフォトコンテストは毎回マンネリ化しないように、いろんなチャレンジをしていますが、今回は姫路城側から会場変更のご提案をいただき、新しい会場での開催となりました。
今回お借りした会議室は壁に姫路城の古地図があったり、とても立派な場所で昨年までの茶室「鷺庵」とはまたちがった特別感がありました。
冒頭の集合写真はバルコニーで撮影したものですが、木々の上に姫路城の天守がのぞいていてすばらしいロケーションでした。
コースケさんが司会進行をつとめて、最初はぼくからお祝いの言葉を述べました。
このコースケさんが着ているピンクのTシャツは今回攻城団からの賞品(と個人スポンサーへの返礼品)として制作したものです。
このフォトコンテストは4回目を迎えますが、今年は過去最高にハイレベルなフォトコンテストだったと思います。
大賞を受賞したぽりへりさんの作品は見事でしたが、その他の作品でも大賞に選ばれてもおかしくないような作品が多数ありました。
現在姫路城には2000枚以上の写真が投稿されていて、そのうち約600枚がフォトコンテストに応募されたものですが、いろんな場所から、またいろんな時間帯に撮影された写真が集まっています。
最近、ぼくらのもとにはテレビ番組の制作会社から写真を貸してほしいという依頼がたくさん届いていますが、「春の姫路城」「桜の姫路城」の写真にかんしては姫路城よりも充実しているかもしれません。
姫路城のように典型的な平山城では東西南北すべての方向から撮影ができますし、また連立式天守という構造も見る角度によって表情を大きく変えるポイントになっていますね。
さらに今回の大賞作品「朝焼けの中で」は早朝の写真でしたが、昼間の青空バックの写真だけでなく、早朝の写真、あるいは夜景やライトアップの写真もたくさん投稿されています。
これだけの写真が集まったのはフォトコンテストを開催したからこそだと思います。
来年以降も継続して、みなさんといっしょに圧倒的なフォトライブラリーを構築していきたいですね。
つづいて、姫路城総合管理室の奥村室長よりご挨拶をいただきました。
奥村室長は毎年すべての応募作をチェックしてくださっていて、今年も176点の作品を見てくださったそうです。「ずっと見てられる」素晴らしい写真だけでなく、毎日のように姫路城を見ているはずなのに「この写真はどこから撮ったんだろう」と撮影場所が想像できない写真も多かったとおっしゃっていました。
そして賞品の授与です。
今回、攻城団からは昨年同様、応募作を使ったフォトブックに加え、アクリルキーホルダーと記念Tシャツを贈呈しました。なおこのフォトブックは企業スポンサーとして後援いただいたダンク セキの「フォトレボ」というサービスを利用して制作しています。
ほかにも姫路城管理事務所からは姫路城のペアチケットを、コンベンションビューローからはしろまるひめグッズをたくさんご用意いただきました。
フォトブックを開いて、受賞作を見ながら、それぞれに撮影時の思い出などを伺いました。
ぽりへりさんの大賞受賞作はこちらになります。
これは近くのホテルの部屋から撮影されたそうです。
早朝だったので窓についた結露を拭き、三脚を使って撮影したとおっしゃってました。ホテルと姫路城の間に学校があるので、それをうまくはずすために構図を工夫されたとか。
こんなにきれいな写真が撮れるなら、この部屋を指定して泊まりたいですね。
ぽりへりさんはほかにも素晴らしい作品を応募いただいています。
この同じ構図の2枚は同じ日に撮影されたものではなく、3日後にまた再訪して撮影されたそうです。
今回から設けられた「世界遺産・姫路城賞」の初の受賞者であるMickey Fujiiさんは、一眼レフで撮影するようになってまだ日が浅く、まさか受賞できるとは思っていなかったとおっしゃってました。
撮影場所はチケット売り場の手前にある石段のところで、ここは毎年たくさんのカメラマンが陣取る人気スポットですね。姫路城の美しさが表現された定番の構図ではありますが、だからこそむずかしいと思います。
特別賞を受賞されたゆきさんは全国各地を旅行しながらいろんな写真を撮影されているのですが、すべてスマホだけで撮影されているそうです。
「スマホで撮った写真でも受賞できるんですね」と謙遜されていましたが、ゆきさんの作品は個人スポンサーのみなさんから推す声が多かったです。同じように全国のお城の写真を撮っている方々だからこそ、スマホ撮影のむずかしさや、この写真の見事さを理解されたのだと思います。
同じく特別賞を受賞されたいけだ商会さんはお嬢さんといっしょに参加してくださいました。お嬢さんはしろまるひめグッズをすごく気に入ってくれてましたね。
訪問されたときはまだ桜が満開ではなかったのですが、西の丸の「カ(か)の櫓」下にある桜越しで撮影されています。
コースケさんが「イメージを喚起させるタイトルが見事」とコメントしていましたが、たしかにこれが「桜と櫓」みたいなひねりのないタイトルだと魅力が半減しそうです。
また「千姫」という言葉が入ったことで、奥村室長からは「まだ咲ききってない桜だからこそ、けっして順風満帆な人生ではなかった千姫の悲哀さも表現されているようだ」というコメントをいただきました。
Tシャツとフォトブックは個人スポンサーにもお送りしますが、フォトブックのほうはオンラインショップで少しだけ販売していますので、気になった方はぜひお買い求めください。
今回のフォトコンテストに後援いただいた公益財団法人姫路観光コンベンションビューローの浦上さんからもコメントをいただきました。
浦上さんは海外からの観光客誘致(インバウンド)の仕事を担当されているので、頻繁に海外にいかれています。姫路城の魅力を伝えるのに言語の壁をこえる写真はとても効果的だそうです。
この日も姫路城には世界各国からの観光客が来てましたが、攻城団もいずれは多言語対応して世界中の方々に日本のお城の魅力を発信していきたいですね。
最後に、姫路城管理事務所の城谷所長よりご挨拶をいただきました。
城谷所長からは姫路城にこれだけたくさんの方が来城されている要因のひとつにフォトコンテストの効果もあるんじゃないかとおっしゃっていただきました。ぼくらの活動は「現地に足を運んでもらう」ことをゴールにしているので、少しでも貢献できているとすればこんなにうれしいことはありません。
また、先日ウクライナの方から姫路城の写真を送ってほしいと頼まれて、フォトコンテストの写真を送ってあげたそうです。どんなに小さなことでもいいので、攻城団がお役に立てているのは誇らしいですね。
歓談しつつ、約一時間ほどで授賞式は終了しました。
その後、これも毎年恒例ですが姫路城資料室へ移動して、受賞作を掲示させていただきました。
大賞受賞作は1年目はA4サイズ、2年目はA3サイズ、去年はA2サイズと毎年サイズアップしてきましたが、今年はA1サイズで印刷してみました。毎年「まだ小さいな」と思いつつ大きくしてきましたが、ようやく「うん、やっぱりこのくらいだな」と納得のいくサイズになりました。
資料室に入ってすぐのところですので、姫路城を訪問された際にはチェックしてみてくださいね。
またこの日から姫路城のチラシも新しくなりました。近日中にはポストカードの無料配布もはじまりますので、ぜひ持ち帰ってください。
この4年の間に攻城団自身も大きくなりました。
第1回目はまだぼくの個人的な趣味のサイトでしたが、そこから法人化を経て、ついに月間100万PVという大台にも到達し、お城をテーマにしたサイトとしては日本最大級の規模を誇るまでになりました。
当然ですが一朝一夕でできることではありませんし、ぼくひとりでできることでもありません。コースケさんのように身近で支えてくれた存在がいてこそですし、攻城団に参加してともに盛り上げてくださった多くの団員のみなさんのおかげです。
今回のフォトコンテストは28名の個人スポンサーが集まりました。
初回からご協力いただいている姫路城(姫路城管理事務所、姫路城総合管理室)と姫路観光コンベンションビューローだけでなく、いまはこうした個人スポンサーのご支援とご協力があってこそ運営できているイベントです。開催にご協力いただいたすべてのみなさまに心からお礼を申し上げます。
余談ではありますが、それでもまだ10万円ほどの赤字なので、来年はさらにスポンサーを募って今後も安定的に開催していける体制をつくっていきたいと思います。
最後になりますが、あらためて今回受賞されたみなさん、ほんとうにおめでとうございます。
また応募者はもちろんですが、「あっぱれ!」の投票やSNS等で告知に協力してくださったすべての方に感謝を申し上げます。ありがとうございました。
今年応募された方も、訪問する機会をつくれず応募できなかった方も、来年のご応募をお待ちしています。
攻城団のフォトコンテストは主催者と応募者というよくあるフォトコンテストとは大きく異なり、そこに支援者や評価者など多様な関わり方があるという点でどこにもない独自のフォトコンテストになっています。
これはぼくらにしかつくれないフォトコンテストだと思っているので、来年もこれまで以上にひとり一人が楽しめるように盛り上げていきましょう!
まだ結果をちゃんと見ていない方は以下のボタンから結果発表ページへ移動して、素晴らしい作品をご覧ください。
姫路城フォトコンテスト「姫路城の春 2018」結果発表ページ
toproadさんが城がたり「よくわかる小牧山城」を企画してくれました。愛知県小牧市と調整してくださり、学芸員の方にZoomで話していただけることになりました。小牧山城の歴史、発掘調査の成果など、いろんな話が聞けると思いますのでぜひご参加ください。
つづきを読む昨年に続いて第6回目となる団員総会を開催したのでレポートを書きました。今年は去年と同じ会場でしたが、内容はかなりアップデートしています。とくに「お城ビンゴ」は盛り上がったので、今後の定番ゲームにしていきたいですね。来年はさらに多くの団員と集まりたいです。
つづきを読む美濃守護・土岐氏の庶流である久々利氏の居城、久々利城にも攻城団のチラシを置いていただきました。可児郷土歴史館と久々利地区センター、さらに可児市観光交流館で入手可能です。
つづきを読む小栗信濃守によって築かれた本陣山城(御嵩城)にも攻城団のチラシを置いていただきました。「東美濃の山城を制覇せよ!」キャンペーンの缶バッジ受取場所でもある、御嶽宿わいわい館で入手できます。
つづきを読む土岐明智氏の居城であり、戦国時代にはその一族である妻木氏の居城になった妻木城にも攻城団のチラシを置いていただきました。もとてらす東美濃で入手できます。
つづきを読むあなたのお城巡りをより便利に快適に、そして楽しくするためにぜひ登録してください。
攻城団のアカウントをフォローすれば、SNS経由で最新記事の情報を受け取ることができます。
(フォローするのに攻城団の登録は不要です)
攻城団のご利用ありがとうございます。不具合報告だけでなく、サイトへのご意見や記事のご感想など、いつでも何度でもお寄せください。 フィードバック
いまお時間ありますか? ぜひお題に答えてください! 読者投稿欄に投稿する
また、攻城団の皆様には、このフォトコンテストを通じて姫路城を全国に、全世界に発信していただき、この場をお借りしてお礼申し上げます。
私はこのフォトコンテストは前回、前々回に続き、3回目ですが、毎回たくさんのご応募をいただき、うれしく思うのとともに、個々の応募作品一つ一つがすごく輝いていることに驚きを感じています。
私も毎日のように姫路城を見ていますが、全く同じ場所から見ても、例えば春と夏と秋と冬、朝と昼と夜、晴れの日と雨の日と雪の日、そこで見る風貌は全て異なります。言い換えれば、今見ているこの姫路城は、一期一会、二度と見ることができないものかもしれない。まさにその瞬間を写真に写し込んでいるのだと思います。
平成最後のお花見シーズン、令和最初のゴールデンウィーク、姫路城にも多くの市民や観光客の皆様にお越しいただきました。姫路城の魅力は無限にあります。春だけでなく、夏も、秋も、冬も、ずっと楽しんでいただきたいです。
本フォトコンテストがさらに盛り上がり、また姫路城をもっともっと多くの人に愛していただけることを期待しています。
どうもありがとうございました。