攻城団からのお知らせ

第4回二条城ガイドツアーを開催しました

昨日は雨の中、第4回二条城ガイドツアーを開催しました。
つづけていけばいつかは雨天開催もあるだろうとは思っていましたが、まだ梅雨入り前のこのタイミングで雨が降るとは思ってなかったです。週間天気予報を見ながら「半日ズレろー」と願ってたら、半日早まっちゃっいました。朝からどしゃ降りです。

今回は12名が参加してくださったんですけど、ご夫婦、ご家族、友人同士、ひとりで参加と多彩なグループとなりました。
ぼくは常々、団員が家族や友人といっしょに参加してくれたらいいなと思っているのですが、ほぼ毎回こうして複数人で参加してくださる団員がいるのはうれしいです。攻城団のことを信用してないと誰かを連れて参加するとかできないですからね。
もちろんひとりで参加してくださる方にも感謝しています。誰かといっしょに参加するのとちがって、ひとりで参加するのは勇気がいると思うので、そのハードルを乗り越えて参加してくださったことを思うとほんとうにありがたいです。

雨なのでできるだけ屋根のあるところで案内をしています。

雨天開催でもいつもと変わらずにやるかについてはギリギリまで考えたんですけど、コースを変更することにしました。
通常は唐門から二の丸御殿にそのまま入る二条城のいわゆる順路に沿って案内しているのですが、今回は唯一の屋内見学である二の丸御殿を最後にまわして、先に庭園や本丸を見学してから戻ってくるようなルートにしました。

かなり強い雨だったことがわかっていただけるかな。

案内する内容は大きくは変えていません。感覚的には過去4回のツアーで7割程度は同じことを話していると思います。残りの3割はその日の参加者の反応を見ながら、あるいは参加者から質問が出た場合はそれに関連するような内容を優先して話しているので毎回同じとはならないですね。
いずれにしても知ってることすべてをお話するには時間が足りなすぎるので、ガイドブックにある程度は書いておいてあとで読んでいただくようにしています。

下の写真は蟇股の黄安仙人の説明をしてるところですね。
こんなふうにぼくはすぐ手を伸ばしちゃうので、すぐに袖がびしょびしょになってました。

雨の日はアンラッキーではありますが、雨の日だからこその特典もあるんです。
それが二の丸庭園の石です。青石と呼ばれる結晶片岩は、水に濡れると色が濃く際立って、独特の風合いが出るのですが、この日はいい感じの鮮やかさでした。

本丸櫓門のあたりでは完全に豪雨になってて声も聞こえないほどでした。
いつもは門を見つつ案内するのですが、しょうがないので門の下に避難しました。

攻城団の団員は石垣に興味を持つ人が多いので、ここの焼けた石垣について説明をするとけっこう喜んでもらえるのですが、じゃあ江戸城のように安山岩の場合は火事での割れ方がどうちがうのかとかはぼくもまだ説明できないので、もうちょっと勉強したいところです。
(このようにお城のガイドをするには石材のこととか、建築のことや絵画のことや日本庭園の知識まで必要になりますね)

本丸庭園はもう通路の大半が水たまりでした。
これは二条城側が板を置いて通路にするとか対応しないといけないと思うんだけど、ほんとにやばかったです。

けっきょく通常のルートは完全に水没してたので、迂回することに。

このルートを歩くことはふだんはありません(こっちも水浸しでしたけど)。

天守台ものぼってはみたものの、池になってたのですぐに降りました。
いつもはここで東山の話をしたり、石狭間の話をするんですけどね。

天守台からは滝のような水が流れ出てました。ここまですごいのはぼくははじめて見ました。
これが火事で石垣が破壊されたからできた穴なのか、もともとの排水機構なのかはわからないんですけど、貴重な体験だったことはまちがいないですね。

時間の都合で省略することの多い本丸御殿についてもこの日は少し案内しました。

あとこの日は二条城の防御構造についての質問が出たので知りうるかぎりのことはお話したんですけど、ぶっちゃけよくわからないです。なぜ本丸西門がこんなにも頑強につくってあるのかとか(こんなところをがんばるくらいなら外堀の幅を広くしたほうがよっぽど強化できるはず)、本丸内部の周囲がすべて雁木造りになっているかなどぜんぜんわからないですし、どことなくショールーム的な感じもするんですよね。

いつもはここでゴール地点なのですが、この日は二の丸御殿を残しているので、みんなでそのまま戻ります。

攻城団のガイドツアーに参加すると団体入口から入れるというのはちょっとだけアピールポイントかもしれませんね。
修学旅行生たちと同じように脇から入ることができるので楽しいですよ。

二の丸御殿は例によって撮影不可なので写真はないです。
この日は「竹林群虎図」に豹がいるのは「虎のメスとして描かれた」説だけじゃなく、「虎が三頭子を産むと、そのうち一頭は豹柄である」という中国のことわざ(「人がたくさんいると必ず変わり者がいる」という意味)を引用している説についても紹介しました。説明するのを忘れてたのですが、よく見ると子どもの虎に授乳してる虎がいるんです。だからメス=豹ではないことがいえるんですね。
ちょうどいま収蔵館で遠侍三の間の障壁画がそのまんまの配置で展示されているので、もし二条城に来られることがあったらぜひ見てみてください。授乳してるお母さん虎は正面向かって右手(東面)にいます。

ぼくは趣味や遊びの集まりの終わりに「お疲れさまでした」と言葉をかわすのが嫌いなのですが、昨日にかぎってはそう言いたくなるくらい大変なガイドツアーとなりました。でも「あの大雨の第4回ガイドツアーの参加者」というのはすごくインパクトのある肩書きなので、どこかでまたぼくと再会した際には自己紹介で使ってください。すぐに「あのときの!」と話が弾むと思います。

雨天時の対応について

家庭や仕事などさまざまな調整をして参加される方もいらっしゃる以上、雨天中止にするつもりは今後もありません(警報が出るなど荒天時はこれまでも中止の方針です)、ただし二条城の場合は近くに屋根のある場所がないため、雨の場合の集合場所については検討しようと思いました。早めに集まってくださった方は30分くらいお待たせすることになっていたため、さすがに申し訳なかったです。

また記念撮影については二条城の方に「雨の日って修学旅行の団体とかどこで写真を撮るんですか」と聞いてみたんですがわからないということでした。けっきょく屋根があってほかの見学者のジャマにならないところを考えて本丸御殿の玄関で撮影しましたが、こちらももう少し考えてみようと思います。人通りが少ないタイミングなら本丸櫓門で撮影してもよかったかなあとか、帰りながら思ってました。

まだまだこれからもガイドツアーは改善していきますので、まだ参加したことのない方はぜひご参加ください。
二度目三度目でも楽しめるようにと企画運営していますので、リピーターも大歓迎です!
(もしお仕事等のシフトの都合で特定の曜日に開催してほしいとか希望があればコメントやメールでお知らせください)

   
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