小丸山城
小丸山城

[石川県][能登] 石川県七尾市馬出町子部1-1


  • 平均評価:★★★☆☆ 2.75(--位)
  • 見学時間:32分(--位)
  • 攻城人数:341(331位)

山の寺寺院群

山の寺寺院群は、1581年(天正9年)に前田利家が小丸山城を築いた際に、奥能登方面からの防御陣地に転用できるよう配置した29の寺院のことです。このうち現在は16寺が現存しています。

なお、29の寺院にはさまざまな宗派がありましたが、このなかに真宗寺院は含まれていませんでした。

なぜ真宗寺院を対象外としたのか
前田氏は真宗寺院を領国支配に利用する一方で、一向一揆の蜂起を非常に警戒して徹底的に統制をおこなっていたため、この寺院群に真宗寺院は含まれていません。
なお、現在は真宗寺院の光徳寺が小丸山城のすぐ下にありますが、これは19世紀になってから移転したものなので、寺院群成立とは関係ありません。ただし、この光徳寺は利家の能登入国時に加賀から七尾の城下町に移ったそうなので、利家も当初は真宗寺院との距離感を探っていたのかもしれません。(公財)石川県埋蔵文化財センター・川名さん

「山の寺寺院群」の名前の由来ですが、1585年(天正13年)に前田利家が与えた寺領寄進状が徳翁寺に残っており、その宛先に「山ノ寺」と記載されていることから、徳翁寺の古称から名づけられたと考えられています。

現存する16寺院の中には、1583年(天正11年)に前田利家が創建した長齢寺、キリシタン大名である高山右近をかくまったとされる本行寺、狩野永徳らと並び称される絵師の長谷川等伯が彩色寄進した「日蓮聖人坐像」のある本延寺など、戦国武将や戦国時代にゆかりのある寺ばかりなので、時間の許すかぎりひとつずつの寺を参拝されることをオススメします。

また、山の寺寺院群をつなぐように整備された道は「瞑想の道」と呼ばれています。

以下におもな寺を紹介します。

長齢寺以外は観光寺院ではないので、日中は留守の場合があります。どうしても見学したい場合は事前に確認しておくことをオススメします。

長齢寺

長齢寺は1581年(天正9年)に能登国主となった前田利家が、前田家代々の菩提寺として創建した寺で、もともとは宝円寺(ほうえんじ)という名前でした。1583年(天正11年)に「賤ヶ岳の戦い」後に加増されて金沢に移った際に、あらたに宝円寺を金沢城下に建立したため、寺院名を父母の法名をとって休獄山長齢寺と改称しています。

長齢寺について詳しくはこちら

本行寺

本行寺は高山右近が1614年(慶長19年)、徳川家康によるキリシタン国外追放令を受けてマニラに追放されるまでの二十数年間を過ごした寺です(マニラ到着後、40日で死去)。

前田利家は本行寺を寺院群の中心部に置き、歴代住職は前田家から入山するなど別格の扱いだったといわれています。また武士団に警護させて敵の侵入に備えるとともに、一般の者が近づくことを禁じていましたが、これはキリシタンたちの信仰道場の場としてだけでなく、ヨーロッパの技術や文化を導入するために境内にキリスト教宣教師を寄遇させていたからです。

1587年(天正15年)に豊臣秀吉から追放された高山右近を利家は客将として迎えると、1599年(慶長4年)には本行寺の境内に新たに修道所をつくり、右近はそこに常駐していました。
右近はまた宣教師から土木工学、とくに石垣工法や水源さく井工法(井戸掘削)に関する知識を得て、高岡城を築く際にこの知識が活かされたといわれています。

本堂の前に高山右近の像があります。

本延寺

本延寺には狩野永徳、海北友松らと並び桃山時代を代表する絵師である長谷川等伯が26歳「信春」時代に彩色寄進した「日蓮聖人坐像」が収蔵されています。
この坐像は美術館などに貸し出されることも多いそうですが、貸出期間でなければ自由に見学することができます。

これが「日蓮聖人坐像」です。間近で見ることができます。

本堂の中は色鮮やかでほんとうに美しいので、一見の価値はあります。

駐車場

山の寺寺院群には約20台ほど停められる観光者用の駐車場が用意されています。トイレもここにあります。

地図は駐車場の位置を示しています。
   

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