福井城
福井城

[福井県][越前] 福井県福井市大手3-3−17−1


  • 平均評価:★★★☆☆ 3.25(90位)
  • 見学時間:47分(94位)
  • 攻城人数:2163(71位)

瓦御門跡

福井城の大手口は、御本城橋を渡ると、本丸の大手門(瓦御門)がありました。

当時は枡形門の構造になっていましたが、現在は石垣が取り壊されています。
瓦御門裏手の雁木(がんぎ)は残っています。雁木とは石垣や土塁に昇降するために付設された石階段のことで、近代城郭ではよく見る遺構ですね。

瓦御門跡までは階段をのぼって近づくことができます。

瓦御門跡
 ここは福井城本丸の正面出入り口で、御門(ごもん)と瓦御門(かわらごもん)から成っていました。
 御門は御本城橋(ごほんじょうばし)を渡った北詰(きたづ)めにありました。両側の柱の背後に小屋根を突き出す高麗門(こうらいもん)という形式で、その柱跡は今も石垣に残っています。御門の中、左手前には御番書(ごばんしょ)があり、西側(左方)と北側(前方)は高い石垣と塀(へい)で閉ざされていました。瓦御門は東側(右方)にあり、櫓門(やぐらもん)の形式をもっていました。櫓門とは一階に出入り口を設け、二階は両側を石垣上に載せている門です。本丸御殿(ほんまるごてん)に通じる福井城の正門(せいもん)に相応(ふさわ)しく、横16間(けん)余(約28.8m)、奥行き4間余(約7.2m)の大きなものでした。このように門や石垣などで四方を囲んだ出入り口の形式を枡形(ますがた)といいます。防御(ぼうぎょ)を意識したもので、城郭(じょうかく)に広く用いられています。
 ここから東に延びる石垣上には、東南隅の巽櫓(たつみやぐら)に向かって多聞櫓(たもんやぐら)と呼ばれる細長い建物が続いていました。
福井城下
 福井城下は、越前松平家、福井藩68万石の城下町として、江戸時代初頭に整備されました。その後、町の名は北庄(きたのしょう)と呼ばれており、福井藩祖結城秀康(ゆうきひでやす)は、柴田勝家(しばたかついえ)によって築かれた城下を改修・整備し、慶長11(1606)年にはほぼ完成したといわれています。
 城下の中心・本丸には四重五階の天守および三隅には櫓(やぐら)が築かれ、本丸御殿(ほんまるごてん)(藩庁)や御座所(ござしょ)(藩主の住居)が設けられました。これを取り巻く形で二ノ丸、三ノ丸と同心円状に堀がめぐらされ、人工的に掘削された北側と西側の堀の内に侍屋敷の大半が置かれています。一方、町人の屋敷は西側の堀の外(現在の通称・片町や呉服町など)に集中させられました。
 三代藩主松平忠昌(まつだいらただまさ)は、町の名を北庄から福居庄(ふくいのしょう)と改め、18世紀初頭には現在の福井に定まりました。この間、城下は二度の大火に見舞われましたが、特に寛文9(1669)年の大火は、城下の足羽川北側の大半を焼くもので、本丸の天守も全焼してしまいました。
 その後、福井藩は大幅に藩領を減らすことになりましたが、徐々に石高を戻し、福井の町は幕末には32万石の城下町として、人口約3万数千人を抱えていたといわれます。明治維新後は、城下の建物のほとんど全てが取り壊され、堀も埋められましたが、この本丸周辺だけは往時の姿をしのばせています。
   

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江戸お留守居役の日記―寛永期の萩藩邸

攻城団の勉強会で話題となった江戸時代に書かれた日記関係の書籍を読んでみたくなり、図書館のホームページで検索した所、何度か読んだことのある山本博文先生が書かれた「江戸お留守居役の日記◆寛永期の萩藩邸◆」が抽出されたので読んでみることにしました。内容は萩藩の江戸留守居役である福間彦右衛門によって寛永期に書かれた日記が元になっています。この本を読むまでは、江戸屋敷に常駐している藩士は自由に江戸の町で行動出来ると思っていましたが、実際はかなり制限されており、不自由な生活を余儀なくされていた事を知りました。そのような過酷な環境の中で藩士が起こした不始末や幕府から出された命令を、留守居役の彦右衛門が町奉行、旗本と相談しながら解決していく様が描かれています。なお、屋敷外での勤務、藩邸周辺の警備にあたる辻番所は近代の交番のルーツだそうです。当時の江戸屋敷の武士、町民の生活が垣間見られた一冊です。

まーちゃんさん)

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