御廊下橋(おろうかばし)は、歴代の福井藩主が登城する際の専用橋として使われていた橋です。
福井城の築城400年を記念して、2008年(平成20年)に復元されました。
福井城址 御廊下橋福井城と御廊下橋
関ヶ原の戦いの後、越前に封じられた福井藩初代藩主結城秀康によって築かれた福井城は、本丸を中心に、堀と郭が幾重にも巡らされる典型的な環郭式平城で、徳川家康の次男の居城に相応しい壮大な城郭でした。
本丸内には、政庁と藩主の居住部分を合わせた床面積一千坪を超える御殿がありましたが、歴代藩主の内、昌親(後、吉品)・重富・治好・慶永(春嶽)・茂昭の五人は、現在の中央公園にあった西三ノ丸御座所に居住していたとされます。(松平春嶽著「真雪草紙」)
藩主が政庁であった本丸と西三ノ丸御座所とを往復するための専用の橋が、御廊下橋でした。明治初期に撮影された写真(福井市立郷土歴史博物館蔵)によると、この橋は屋根付きの珍しい形態でした。御廊下橋の復元
福井県と福井市は、福井城築城四百年を機に、この橋を復元することにより、県民市民の皆様に故郷の歴史に親しんでいただき、また、故郷への愛情、誇りを思い起こしていただきたいと考え、皆様との協働による復元に着手しました。
史実に忠実な復元とするため、専門家で構成した「復元考証専門委員会」による検討を重ねたほか、県民市民の代表で構成した「整備推進委員会」において、この事業の意義を多くの方々に知っていただき、また、事業への参画を推進していく取り組みを企画しました。
「ワンコインサポーター運動」「ヒノキ板購入運動」はその一環として実施したものであり、多くの方々の参画をいただきました。
ご協力いただきました募金、寄付金は、この案内板の設置に充てさせていただきました。
平成二十年三月
橋の向こう側には天守台が見えます。
完成した橋は、橋脚にクリ、上屋部分にヒノキやしっくいを用いています。