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足軽くんさん
日本から城が消える (歴史新書)

戦う事や統治のために建てられた城が、維新維新後にどのように扱われてきたのか、その役割の変遷とそのためにどのような管理や修復が行われたのかが書かれていて、今後のお城の買うようや保全について、タイトルの通り消えてしまうかも知れないという問題を投げかけた本です。
お城自体についての本ではなくその活用みたいな話なのですが、自分が普段楽しんでいるお城の背景を感じられました。


こうのさん
太田資正と戦国武州大乱~実像と戦国史跡~

太田資正(三楽斎)の名前は知っていたものの、その知識のほとんどは佐竹氏の客将時代のもので、岩付城主時代の活躍や、息子に城を追われた話などはぜんぜん知らなかった。合戦でも活躍した名将だけど、反北条同盟を画策したり、武田氏や上杉氏から佐竹氏への取次を頼まれるなど軍略家として見たときの資正は相当な傑物であると思う。

であるにもかかわらず秀吉から「三楽斎ほどの者が一国も取れぬ不思議よ」と言葉をかけられるほど、戦国時代というのは個人の力量だけではどうにもならない無情さを感じますね。
太田氏の歴史から、現在訪問できるゆかりの地の紹介まで、非常に充実した一冊です。


こめつぶさん
霧の城 (実業之日本社文庫)

織田と武田、二つの勢力の間の城を舞台に、敵同士として出会った男と女の運命を描く。岩村城の遠山氏に嫁いだおつやは信長の叔母。子がないまま夫が急死し、信長の息子を養子とした。信玄に美濃攻めを命じられた秋山善右衛門は、岩村城を攻めあぐね、その攻略に奇策を講じる。和議の条件としておつやに自分との結婚を要求したのだ。善右衛門にとってはただの戦略、おつやにとっても4度目の政略結婚のはずだったが……。信玄の死とそれに続く信長の反撃は二人を追い詰めていく。岩村城をめぐる攻防がよく描かれている作品。


こうのさん
本能寺の変に謎はあるのか?: 史料から読み解く、光秀・謀反の真相

50個ほどあるという「本能寺の変」の動機説がどの史料の記述にもとづいて主張されているのかを知るだけでも勉強になったし、史料をもとに妥当性を検証していくプロセスはおもしろかったです。


こめつぶさん
現代の都市設計家が解説 絵解きでわかる日本の城

日本の名城を都市設計家である著者が描いたスケッチで紹介する。スケッチなので写真に写りこんでしまう余計な構造物や植栽を省略でき、写真とは違った細部の意匠や造形の美しさを感じられる。こんなスケッチがさらっと描けたらいいのにと思う。メインの21城のほか81城の簡単なガイドも載せる。日英バイリンガル表記。


こめつぶさん
戦国の山城を極める

城郭研究に携わる加藤・中井両氏が厳選した山城を紹介するガイド。航空レーザー計測による赤色立体地図や著者が描き起こした縄張図で全体像をイメージしやすくし、見どころを紹介したカラー写真や発掘成果も踏まえた解説で山城好きを魅了する。険しい山城にはなかなか行けないが、写真や縄張図を見てイメージするだけでも楽しい。高取城(奈良)、館山城(山形)、金山城(群馬)など22城。2019年9月刊。


デュラけんさん
女 (遠藤周作歴史小説集)

戦国時代からはじまり、江戸時代後期(大奥など)までの、三百年の女性の生き様を描いた歴史小説です。
遠藤周作の作品としては、このような長い期間を背景としたものは他にないとのこと。
『この世は夢幻のごとし』とあらわされるように、この作品には今までの遠藤作品にはない無常観が流れております。
この小説を読んで、改めて聖地巡り(攻城)をしてみたくなりました。
以下あとがき引用より
ヘルツ・ハイマート(こころのふるさと)という言葉がある。それは必ずしも生まれ育った土地を指しているものではない。それは、遠い先祖の記憶であったり、子供のころに祖母や母から聞かされた田舎の風景であったり、人生のあるときふっと出会った忘れがたい記憶であったりする。
その土地・場所がもはや訪れることの叶わない遥かなる存在になったとき、増幅されたイメージはより美しく限りない存在となって心の中に定着する。
本編にはくりかえしくりかえし小谷城の清水谷が登場する。緑につつまれ清らかなせせらぎが流れ、小鳥たちが歌う清水谷。
お市が浅井長政と短い幸せな日々を過ごしたところ、茶々(淀の方)にとっては幼い日の思い出の場所、そして千姫にとっては伯母であり姑である淀の方から繰り返し聞かされた懐かしい土地である。


山鳩さん
花鳥の夢

読後ひと月たっても読んで良かったと度々思い返す。画人 狩野永徳の生きざまを描いた小説。個人的には若い頃の洛中洛外図作製の経緯と、人生後半 父 松栄を理解する場面が特に印象深かった。wikipediaや解説本などで知り得る情報がストーリーとして語られている。他の登場人物(歴史上主要な人々多数!)とのつながりも面白い。単に絵を描くのが好きで飛び抜けて上手い青年が時代の要請を読み解き己の力を尽くして狩野派の潮流を太く深くしたことに涙。二条城二の丸の金碧障壁画鑑賞に奥行きがプラスされるように思う。
〈(上杉本洛中洛外図からは)祇園祭の賑わいや市井の子らの遊ぶ声が聞こえてくる。可愛い。〉平安遷都1200年記念(1994年)特別展での鑑賞メモが出てきたので再び埋もれないようにここに載せてもいいかな、永徳さま筆とは当時知りませんでしたけれども。
*文庫本のレビューにあと押しされて読みましたが図書館にあったのは単行本。装幀も素敵でした。


コースケさん
明智光秀と本能寺の変 (PHP文庫)

1998年に上梓された「明智光秀―つくられた「謀反人」」の文庫本です。合併後に地名を変更したり誤植を訂正した状態で発売されています。一次二次資料を引用しながら明智光秀の事歴を丁寧においつつ、心理を推察しながら本能寺の変の要因について論を述べています。研究が進んだせいなのか、なんとはなしに論の根拠が古い印象、通説の明智光秀を丁寧に説明した本、という印象をうけます。二次資料を否定したと思えば、別章ではずいぶん時代が下った資料を持ってきて断定したり。ちょっと首を傾げる箇所もチラホラ。(アップデートされた明智光秀像が読みたい。


コースケさん
信長の経済戦略 国盗りも天下統一もカネ次第

信長が道路整備をおこない、領地内の関所撤廃を実施したなどは有名ですが、そうしたエピソードをいくつも取り上げて「国力=経済力」としたうえで、織田政権の経済力の構造を紐解いています。一次資料を元に書いたわけではない部分も多く、全体的に推論と仮説による組み立てで構成されています。にしても、この頃から経営とは収益・資金調達力なんだなぁと、妙に感心しました。

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今日のレビュー

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

司馬遼太郎の代表作であり、幕末の騒乱期、新撰組を描いた歴史小説です。
筆者は、元新聞記者であり、徹底的に調べてから書くスタイルなので、時代考証も信頼出来ると思います。
子供の頃から活字嫌いで、本を読むことが苦手であった私でさえも夢中にさせられました。
京都の通り名と地名、関西から北海道の由縁のある名所からお城まで、聞いたことのある場所、知っている場所も沢山出てきたので、どういう軌跡を辿っていったか容易に想像すること出来ます。
機会をみて巡りたいと思います。

対になる作品、「竜馬が行く」も同時期に書き上げたらしく、次に読もうと思います。

デュラけんさん)

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