攻城団からのお知らせ

地図サービスの切り替えに伴う周辺検索の仕様変更について

はじめにお読みください
以下に記載した内容は、地図表示の変更に伴って一部の方の環境でのみ起きた「画面が固まる」という問題に対してどのような対処をおこなったかの説明です。
ご自身の環境でとくに不具合は生じていないという場合は読まなくても大丈夫です。

なお現時点で取りうる対処はすべておこないましたので、もし現在も状況が改善されていないということであれば、スマホを買い替えていただくか、ほかのサービスを利用していただくしかありません(もちろんスマホを買い替えたからといって確実に改善することをお約束することはできません)。

オープン以来、攻城団では地図表示にGoogleマップを使用してきましたが、先月から無料で利用できる回数が大幅に制限されたため、別の地図サービスへの切り替えをおこないました。
具体的には今月の上旬から段階的にお城ページの周辺地図や写真の撮影場所の地図、そして現在地情報を利用した周辺検索機能などすべての地図を変更しています。いちおう地図の精度やデザインなども比較してみて、多少のコストであれば継続利用するつもりでいたのですが、じっさいに毎月かかるコストが10万円をこえることが確実となったため不本意ながら変更することを決断しました。
変更後、「もとに戻してほしい」という要望も数名の方から届いていますが、金銭的な事情であるため応えることはできません。ぼくもGoogleマップのほうが見やすくて好きなんですけどね。

地図の変更によって発生した問題

見た目の問題についてはご理解・ご納得いただくしかないのですが、使い勝手についてはできるだけ従来と変わらず利用できるようにしました。
ただし一部の環境で「画面が固まってしまう」という声が数件届きました。どうやら状況を伺うかぎり、「スマホ(Android)で周辺検索を使用しており、制覇モードをONにしてる」ことが原因のようでした。だとすれば理由については想像がつきます。

制覇モードがONの状態で周辺検索を利用すると、攻城団に登録されているすべてのお城(約3000件)が表示されます。人間が碁石を置いていくことをイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。このとき手が千本あれば3回ずつ置けば3000個の碁石を配置できますが、2本しかないとなると1500回ずつ置かないといけません。じっさいにはここまでの差はないものの、Googleマップに比べてほかの地図サービスでの処理にはかなりの負担が生じていました。パソコンなどマシン側の処理性能がそれなりにあればカバーできるのですが、少し古いスマホでは処理が追いつかずに画面が固まってしまうのでしょう。
ちなみにぼくの使用しているiPhoneは5Sなので5年前に発売された端末ですが、重いとは感じるものの固まることはありません。なのでスマホだと100%起こるというわけではなく、むしろごくかぎられた環境でのみ起きている問題だといえます。

どうやって解決するか

この問題の抜本的な解決はふたつあります。ひとつは攻城団側の選択肢としての「Googleマップに戻す」であり、もうひとつは利用者側の選択肢としての「スマホを最新機種に買い換える」です。ただし前者は上述のようにむずかしく、後者はぼくらが強要できる話ではありません。
よってそれ以外の現実的な解決法を模索することにしました。

参考までに、思いついたものをすべて書いてみます。

  • 表示する城(ピン)の数を減らす
  • 拡大はともかく、縮小(広範囲表示)をできなくする
  • 課金ユーザーのみGoogleマップを利用できるようにする
  • ほかの地図サービスを利用する(たとえばMapbox)
  • マーカークラスター機能を使う(広範囲表示のときは複数のマーカーをまとめる)

ほかにも「制覇モードをオフにしてもらう」や「他サービスを薦める」といった案も浮かびましたが、これは解決にはなってないのでここでは無視します。

まず、Googleマップほど費用はかからないけど、高速に処理できる地図サービスがないか調べてみました。それらしいものは見つけたのですが、攻城団の想定PVで試算するとけっきょく支払う金額はGoogleマップと変わらないので、やはり採用はむずかしいと断念しました。
また最後のマーカークラスター機能ですが、これは「城びと」のように日本地図からどんどん地図を拡大してエリアを絞っていく場合には有効ではあるものの、周辺検索のように拡大された状態からスタートする場合は向いていません。そもそもぼく自身がこのマーカークラスターでの表示を使いやすいとは思えないのでやはり不採用としました。

なお「課金ユーザーのみGoogleマップを利用できるようにする」という案もじっさいに地図の利用回数を個人ごとにカウントすることは困難ですし、割り勘方式にしてしまうと損する人と得する人が出てきてしまうので(場合によってはぼくらが大損するリスクもある)、利用状況が見えない中では選択しづらいなと判断しました。
(ただしGoogleマップを継続利用したい人が適正な金額を支払うというのは公平な対応だと思います)

そもそも「周辺検索」という機能の原点に立ち返ると、表示する対象のお城を現在地の周辺10kmだけに限定してもいいわけです(この「10km」の部分は20kmなのか、50kmなのか、100kmなのかと検討は必要ですが)。
じつはもともとの仕様は10km圏内のお城を表示するだけでした。しかし利用者の方から次に訪問するお城も地図から探したいので、全国対応してほしいと要望があり対応したという経緯があります。

大事なことはいままでどおり使えること

ここで強調しておきたいのは、一部の人のために、全体が不利益をこうむることは正しくないということです。別の言い方をすれば、少数のために多数が我慢するのはまちがっているとぼくは考えます。
だから今回の対処も、仮に当初は「周辺10km」だったとはいえ、長い期間「すべてのお城」を表示してきた事実がある以上、また地図変更後も問題なく表示できている人がいる以上、サービス内容を劣化・退化させることはやりたくないと考えました。できることなら、大多数の人にはなにも変更せずとも、いままでどおり使えるようにするのがベストです。

とくに今回は処理性能の問題である以上、表示する城(ピン)の数を減らせばほぼまちがいなく解決するはずです。
だから「画面が固まる」という人にだけ、なんらかの方法で表示件数を抑制させることができればうまくいくと考えました。ただここで困ったのは画面が固まってしまう以上、操作をおこなえない可能性が高いという点です。そのため今回はやむを得ず、少数の方は「なにもしなくても」表示できるようになり(ただし件数は制限される)、大多数の人にはある操作をしないといままでどおり全件表示にはならないという結果になりました。

今後、初期設定は「周辺10km」になります

今後、周辺検索における検索対象(=表示対象)は「周辺10km」にあるお城になります。これは制覇モードのON/OFFにかぎらず共通です。
そして対象を「周辺100km圏内」にすることも、いままでどおり「すべて」を対象とすることもボタンひとつで切替可能にしました。

プログラム的にはもっと細かく範囲を指定できるようにしているのですが、10kmと100kmがあれば十分かなと思います。
(ここは利用状況を見ながら必要に応じて修正します)

なおこの検索範囲の設定値は(地図の選択と同様に)ブラウザに保存することにしました。サーバー側に保存することももちろん可能でしたが、スマホとパソコンの両方を使っている場合、スマホでは処理を優先して「10km」にしつつ、パソコンでは「すべて」を表示したいと考える人のほうが多いだろうと考えたからです。
端末の性能など、状況に応じて適切な範囲を選んでください。

いちおうこれで「全員」が「いままでどおり」というわけにはいきませんが、「全員」が周辺検索を使いつづけることは可能にできたと思っています。もし現時点でも画面が固まってしまう場合はお手数ですがご連絡ください。
(とはいえこれ以上の対処はできない可能性が高いです)

また検索範囲を限定してしまうことで起きうる問題としては、現在地が取得できなかった場合に目的のエリアが対象外になることが想定できます。いまは現在地情報を取得できない場合は京都御所が中心になりますが(本城登録があればそっちが優先)、じっさいにいるエリアが東京や九州といった場合は10kmや100kmではほんとうに自分がいる周辺のお城が表示されません。
この場合は、都道府県の一覧から探したいエリアを選んでください。都道府県のページからも地図へのリンクがあります。またお城のページにも「そのお城の周辺にあるお城」として、地図へのリンクがありますので、目印になる城がわかっている場合はそれを利用するのもいいと思います。

重ねて申し上げますが、Googleマップのほうが優れていることは重々承知しています。だけど攻城団の地図がGoogleマップに戻ることはおそらくありません(Googleマップが大幅値下げしたらあると思います)。
あとはそれでも攻城団を使うかどうかといった話で、みなさんひとり一人の選択次第です。そしてぼくらは地図に多少の不満があっても使いつづけたいと思っていただけるようなサービスにするべく、これからも努力します。

以上でここ数日おこなったことのご報告を終わります。

   
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