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「武士のメシ」で戦国時代の料理をつくろう

いやー、すごい本です。
食文化史研究家にして、食事復元研究の第一人者でもある永山久夫さんが監修したレシピ本です。そうです、これは戦国時代の料理を紹介する本ではなく、じっさいに再現するためのレシピ本なのです。

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たとえばこれは前田利家が秀吉を招いて天下統一を祝った際にふるまったとされる膳です。

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まつがつくったのかなあ。
紹介されているレシピは「あつめ汁」のもので、これは大根、ごぼう、里芋などの根菜類をふんだんに使った味噌汁のことです(レシピでは鶏肉やセリも加えられています)。

じつにおいしそう。
まつは71歳、利家も62歳という夫婦そろって長寿をまっとうしていることからも、豆味噌や玄米は健康にいいんでしょうね。

「なるほど」と思ったのが、高山右近の牛鍋です。

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小田原攻めに参戦していた高山右近が、陣中見舞いに訪れた蒲生氏郷と細川忠興に振る舞ったというのが、この牛鍋です。ほとんどすき焼きですけどね。

そもそも仏教国である日本では牛を食べることはタブーとされていました。
ではなぜ高山右近は平然と食べたのか。それは彼がキリシタンだったからです。なるほど。

じっさい右近は小田原攻めの陣中に大量の牛肉を持ち込んだそうです。
たぶん毎日のように牛鍋パーティをやってたんでしょうね。「細川家御家譜」によれば、その後もたびたび氏郷と忠興は食べに寄ったそうですから、さぞかしおいしかったんだろうなあ(小田原攻めが暇だったというのもあるでしょうけどね)。

ちなみに江戸時代になると、こうした肉食のタブーはなくなっていき、牛肉は「滋養強壮の薬」として食べられるようになっていきます。
食文化というものはまちがいなく歴史の一側面なのですが、こうして学んでいくとおもしろいですね。

本記事で紹介した書籍は攻城団ライブラリーに収蔵されています。
   
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