表鉄門は津山城の本丸入口にあった櫓門です。鉄板で覆われた門扉だったことからこの名前で呼ばれました。
1809年(文化6年)に起きた火災により、本丸御殿とともに焼失しています。
ここを上がると本丸に入ります。
表鉄門(おもてくろがねもん)
概要
表鉄門は、本丸への入り口にある櫓門(やぐらもん)で、門扉全体が鉄板で覆われていたことからこの名前がついています。
表鉄門を北向きにくぐると、西向きに石段があります。石段を登り、南に180度方向をかえると、そこに本丸御殿の玄関があります。
この玄関は、先に門をくぐった表鉄門二階の櫓部分にあたり、全体は北に向かってのびる「コ」の字形をしていました(右下の絵図を参照)。玄関の石段を東向きにのぼると、式台(しきだい)と呼ばれる板敷きの部屋があり、四十二畳の「広間」へ続きます。東南隅の小部屋を過ぎて北に折れると、「旗竿(はたざお)の間」があり、さらに西に折れると、「鑓(やり)の間」と続きます。ここから北に向かうと、御殿の大広間につながります。
表鉄門は、城門としてだけでなく、二階の櫓内部は本丸御殿への正式な入り口としての役割を持っていました。本丸の面積が狭く、限られた敷地を有効に利用するためにとられた手段のひとつであったのでしょう。
文化6年(1809)の火災により、本丸御殿のすべての建物及び表鉄門、裏鉄門(うらくろがねもん)などは焼失しています。表鉄門と両脇の石垣が再建されたのは、8年後の文化14(1817)年です。東側にある石垣を観察すると、熱を受けて赤く変色した石を確認できます。