今川義元が花倉の乱を経て家督を継いでから桶狭間で討ち死にするまでを描いています。名家今川を継ぐ義元の覚悟、あと一歩のところまで完璧だった男が最後に見せる綻び。信玄の川中島や氏康の河越のように派手な合戦歴のない義元ですが、ここにいる義元は間違いなく武田、北条と同じか彼らの一歩上をいく当時最高峰の戦国武将です。若き日の信玄、氏康との外交駆引きはもちろん、彼らの親である信虎や氏綱すら手玉にとる。若き日の家康とのかかわりなども地味ですがきちんと描かれています。最後は信長のことも決して侮っていないなになぜ敗れたのか、これが本当の義元なのではないかと思わせるほど説得力があります。麒麟がくるで、美濃の道三の時代が描かれていましたが、登場人物の一人でもある今川義元が同時代に何をしていたのか。今川義元に興味があるなら必見です。
タイトル | 海道の修羅 |
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著者 | 吉川永青 |
出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2017-04-27 |
ISBN |
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価格 | 1980円 |
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江戸時代の大名について詳しく知りたいと思っていた時に目に止まり、読んでみることにしました。江戸時代大小併せて260~300藩有ったと言われていますが、本書では大名の格差をテーマとして石高、将軍との関係、江戸城、江戸藩邸、参勤交代の5つに分けてエピソードを交えて書かれています。石高の大小による格差をはじめとして、将軍家から嫁をもらったり、養子をもらったした大名の家格が上げられたり、その家格によって江戸城内での将軍との拝謁の仕方や服装が違ったり、江戸藩邸では門構えや屋敷の広さに差が見られたり、最後に参勤交代の道中でかち合いそうになった場合とか宿場が同じになりそうになった場合にその大名の格差が顕著に表れる事を細かいところまで知ることが出来ました。その当時の大名たちは自分の家格を十分に認識した上で行動し、少しでもその家格を上げることを日々考えていることがよく理解できる一冊でした。
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