形式:B6版
「徳島市民双書」シリーズをスタートさせたときから、「徳島城」の刊行は構想の中に入っていた。が、諸般の事情によりなかなか実現出来なかった。主な理由は史料不足と研究の立ち遅れであった。
市民双書第27集『阿波一宮城』刊行の際、私は「阿波一宮城は著名なわりに史料は少ない。巷間史料として伝えられているものの中には資料的価値に欠けるものが少なくない」と「あとがき」に書いた。こんどの『徳島城』の場合にもあてはまるのでないだろうか。
徳島城は、天正14年(1586)蜂須賀家政が築城して以来、明治維新まで阿淡両国の抑えとして存在してきた。明治8年(1875)に城の建造物を撤去するまで偉容を誇っていたにちがいない。唯一残っていた「鷲の門」も昭和20年(1945)7月4日米軍機B29の空襲によって焼き払われてしまった。今日、徳島城の遺構は石垣、堀、庭園のみである。そのうち、表御殿庭園と鷲の門は復元され、市民に親しまれている。
城内の文化財のうち「旧徳島城表御殿庭園」は昭和16年国名勝に指定されており、そのほか「城山の貝塚」「徳島城跡」「城山の海蝕痕」は徳島市文化財に指定されている。
本書では徳島城の縄張り・殿舎などをメインに徳島城周辺の歴史・自然・徳島中央公園・徳島城博物館・蜂須賀家系図をそれぞれ学界の第一線で活躍されている専門家に執筆していただいた。紙幅の都合で意を尽くせなかった点をおわびするとともに本書刊行にご協力いただいた各位に心から御礼を申しあげます。
平成6年3月
『徳島城』編集委員長 湯浅良幸
タイトル | 徳島城(徳島市民双書・28) |
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著者 | 「徳島城」編集委員会 |
出版社 | |
発売日 | 1994-03-31 |
価格 | 1740円 |
ページ数 | 353ページ |
購入可能場所 | 徳島城博物館 |
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