団員が投稿した書籍のレビューを最新順で表示しています。
レビュー投稿を見てすぐ読み始めたけど前半の会話文調に苦戦、やっと読了しました。しかし流石ハードボイルド作家、中盤からの合戦シーン、更に後半クライマックスに向けて鬼気迫るものがありました。北畠顕家は若干16歳で陸奥鎮守府将軍に任ぜられ、秀吉中国大返しにも勝る超高速行軍を成し遂げ、全国に3つの銅像が設置(北畠氏館は直接は無関係なのに)される有能な武将ですが、足利尊氏、楠木正成、新田義貞らのビッグネームに隠れていてちょっと悲しい。多賀城攻城した時もあんまりフィーチャーされてなくて、残念な思いになりましたが、この本で勇猛果敢な若き将軍の生きざまにあらためて感服しました。
発売当初、手に取ってそっと戻した本でした。今回改めて読む気になったのは臼井城攻城と攻城団のレビューでした。読み始めたら止まらず、一気に読んでしまいました。途中話が大きくなっていく為、大丈夫だろうかと心配しましたが、それこそがクライマックスの仕掛けで唸ってしまいました。
ちなみに前に紹介したアンソロジーの小川祐忠の作家はこの人でした。
織豊期の有名な合戦の陣城を、信長初期/信長後期/秀吉天下統一期の三期に分けて解説しています。掲載数は砦、付城、要害、築地と呼ばれるものまで入れて、161城。山城の奥深さは底なしです。合戦の戦況はざっくりですが、すべての城に縄張図が添付され、評価も書かれています。巻頭カラーには香川元太郎氏の復元図が掲載されています。充実の内容。戦う為にだけ作られた城たちのディープな世界は如何ですか?
幕末の越後長岡藩家老、河井継之助の生涯を描いた名作。歴史的には決して有名でない彼の名が人口に膾炙したのは、間違いなくこの作品があったからでしょう。
前半の山場は、継之助が備中松山藩板倉家の名宰相、山田方谷のもとを訪れる場面。備中松山城の描写も丁寧に描かれています。自分は、この本を読んで、備中松山城に行きたくなったと言っても過言ではありません。
後半~終盤の山場は長岡城攻防戦。まさに手に汗握る怒涛の展開。「御三階」と呼ばれた本丸櫓をはじめ、現在、お城の遺構が残っていない点が本当に惜しまれます。
そして、ラストの一文。こういう終わり方の小説を、自分は他に見たことがありません。衝撃的と言ってもいいです。ぜひ、最後まで読んで欲しいです。
お城とは全く関係のない余談ですが、2018年7月の岡山豪雨の際、長岡市が真備町に支援の手を差し伸べました。いわく、「幕末、河井継之助が山田方谷のもとを訪れた、その縁があるから」と。一部の人からは無駄とも言われる、歴史を学ぶ意義を、少しだけ教えて頂いたような気がしました。
なぜ攻城団でこのレビューを?、と思われるかもしれません。が、この不朽の名作の冒頭は、伊予松山城に対する美しい描写から始まります。松山城下の描写もふんだんに出てきます。
もし新政府が、この優美な松山城を破却していたら(藩主が久松松平家ゆえ、ないとは言い切れなかったのでは?)。秋山兄弟が新政府の軍人になったかどうか。その時、日露戦争はどうなったのか。そう思うと、日露戦争の善戦は、松山城を残したところから始まった、というのは言い過ぎでしょうか。
もう一つ、この小説では近代の攻城戦の描写がふんだんに出てきます(筆頭はもちろん旅順攻防戦)。この時代の軍人の頭にあった「攻城戦」とは、戊辰戦争から西南戦争にかけてのまさに「城攻め」だったでしょう。そんな彼らが、べトンと重砲で固められた「要塞」を初めて目にしたとき、何を思ったのでしょうか。当初、肉弾戦で突破しようとして屍を並べた第3軍司令部を、簡単に非難できないような気もしてしまいます。
幕末からの司馬遼太郎さんの作品の流れの中で、「城攻め」という視点から見ると、また違った面白さが出てくるのではないでしょうか。
復元画ではなく原画の図録であるということ、本丸御殿の障壁画がほぼ全て収録されているということが凄い!この本があれば、本丸御殿でゆっくり鑑賞できなかった障壁画を思う存分見ることができます。
私は名古屋城本丸御殿のミュージアムショップで購入しました。
2007年(平成19年)に名古屋市博物館で開催された特別展「本丸御殿の至宝―重要文化財 名古屋城障壁画―」の図録。すべての障壁画がその位置とともに掲載されている珠玉の一冊だけど市販されてないのでいまとなっては入手困難。
地方別にエピソードで城郭を紹介した一冊。
築城物語・怪奇伝説・埋蔵金秘話・落城悲話等、280以上のお城のストーリーを紹介。
お城の構造等のデータの記載はありませんが、まだ見ぬ城の逸話に惹かれてしまいます。
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