幕末の越後長岡藩家老、河井継之助の生涯を描いた名作。歴史的には決して有名でない彼の名が人口に膾炙したのは、間違いなくこの作品があったからでしょう。
前半の山場は、継之助が備中松山藩板倉家の名宰相、山田方谷のもとを訪れる場面。備中松山城の描写も丁寧に描かれています。自分は、この本を読んで、備中松山城に行きたくなったと言っても過言ではありません。
後半~終盤の山場は長岡城攻防戦。まさに手に汗握る怒涛の展開。「御三階」と呼ばれた本丸櫓をはじめ、現在、お城の遺構が残っていない点が本当に惜しまれます。
そして、ラストの一文。こういう終わり方の小説を、自分は他に見たことがありません。衝撃的と言ってもいいです。ぜひ、最後まで読んで欲しいです。
お城とは全く関係のない余談ですが、2018年7月の岡山豪雨の際、長岡市が真備町に支援の手を差し伸べました。いわく、「幕末、河井継之助が山田方谷のもとを訪れた、その縁があるから」と。一部の人からは無駄とも言われる、歴史を学ぶ意義を、少しだけ教えて頂いたような気がしました。
タイトル | 峠 (上巻) (新潮文庫) |
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著者 | 司馬 遼太郎 |
出版社 | 新潮社 |
発売日 | 2003-10-01 |
ISBN |
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価格 | 810円 |
ページ数 | 511ページ |
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