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源頼朝から徳川慶喜まで「幕府の長としての将軍」39名がずらりと並んでいる。ビッグネームも儚い存在も一人ひと項目ずつ(同一人物だが足利義材と義稙は二つの項目に分けて)公平に取り上げた「総覧」だ。
出色はコラムで、将軍になれそうでなれなかった面々の紹介が面白かった。その一人、尾張藩主・徳川宗春は地元では「名君として愛されていた」とか。いつか名古屋城攻城の暁には郵便ポストの上の宗春公も見てこようとグーグルマップに印をいれたところだ。
私は歴史に疎く見逃しが多いが、将軍を軸にして日本史の常識をこの「総覧」は補ってくれる。「日本坊主列伝」とともに貼りまくった付箋のところを読み返し、城下町探索に深みを持たせたい。
「図解」と書かれているように、江戸の人々の暮らしを図で表しています。長屋の部屋の様子や井戸掃除の様子、色々な職業など見ているだけで楽しいです。深川江戸資料館出典の町並みや情景の復元がリアルで、江戸資料館にはいつか行ってみたいと思いました。誰が何のために作ったのか謎とされている「江戸図屏風」の検証もおもしろかったです。もちろん武士の生活についても触れられています。江戸時代(特に寛政期?)の人々の生活について、私が読んだ本の中で一番よくわかるかな、と思います。
将軍と言っても知らない人や初めて知ったエピソードも多くて、読んでは戻り、戻っては想像力を膨らませるので、なかなか進みませんでした。史料から想像できる人の思いや行動をを榎本先生の視点で書いてくださっているので、それぞれの人物が生きて活動している様子が浮かび上がってきます。歴史の糸が繋がり、絡まって面になって広がっていくのがよくわかりました。
香川ワールド全開のお城の本。写真のない時代だからこそ、よりリアルに感じるイラストが迫ってきます。本当にわかりやすい本です。お城の基礎知識が身に付く章立てになっているので、最初から熟読するもよし、興味のあるところから…という読み方もできます。
司馬遼太郎の代表作であり、幕末の騒乱期、新撰組を描いた歴史小説です。
筆者は、元新聞記者であり、徹底的に調べてから書くスタイルなので、時代考証も信頼出来ると思います。
子供の頃から活字嫌いで、本を読むことが苦手であった私でさえも夢中にさせられました。
京都の通り名と地名、関西から北海道の由縁のある名所からお城まで、聞いたことのある場所、知っている場所も沢山出てきたので、どういう軌跡を辿っていったか容易に想像すること出来ます。
機会をみて巡りたいと思います。
対になる作品、「竜馬が行く」も同時期に書き上げたらしく、次に読もうと思います。
視覚の持つ力はすごいなと思いました。現況の写真とCGを比べることができるので、とてもわかりやすいです。CGは、いくつかの所から提供されているので、以前ぽりへりさんがレビューされていたように、画質にばらつきがあります。と言うか、写真のようにリアルなものと、イラストのような感じのものがあります。現況に建物がほとんど残っていない城の方が、CGにしたときにインパクトがありますね。雲海写真にCGを重ねた竹田城もとても素敵でした。竹田城は、天守の形も不明な部分が多いし、他の城も、天守があったかどうか、形はどうかわからないことも多いので、絶対的な復元ではないことを心に留めて見ることも必要ですが、「こんな風景が広がっていたのか~」と眺めるのは、楽しいです。
攻城団の最近登録された書籍を見ていて面白そうだと感じ、手に取り読んでみました。「下剋上」と言えば下の者が上の者を倒してのし上がる事程度の知識しかありませんでしたが、この書籍の中では下刻上でのし上がったと思われる歴史上の人物をあげて「下剋上」の内情を記載されています。「下剋上の典型」と言われていた伊勢宗瑞(北条早雲)に付いて、言い伝えられている事と実像との間にかなりの格差があることを知りました。何れの歴史上の人物も上を倒してのし上がるという単なる野望で行われたものではなく、自分の立場を守るためにやむにやまれず行った行為が結果的に主君を倒す、若しくは追放する結果になった事が良く理解できました。歴史上の人物として前述した伊勢宗瑞の他には長尾景春、朝倉孝景、尼子経久、長尾為景・景虎親子、斉藤利政、陶晴賢、三好長慶等の下剋上が書かれています。前述した武将がなぜ「下剋上」に至ったのか、また単純に「下剋上」について理解を深めたい人にお勧めの一冊です。
黒まめさんのレビューを見て手に取って読んでみました。最初に山城基礎講座として山城の基礎知識の他に山城歩きに必要なもの、縄張図の見方など、これから山城歩きを始めようとしている方には非常に有難い内容から始まっています。最初に山城の知識を得たところで、厳選された山城20城+αの解説がされています。各城はガイド人と言われる方が縄張図に基づきポイントとルートを丁寧に解説されています。紹介されている20城の内、中井均先生が4城、加藤理文先生が3城執筆されており、ここでも山城に対する熱い思いが伝わった来ました(両先生が書かれた「戦国の山城を極める」もお勧めです)。他の執筆者の方もその城の専門家らしく非常にわかりやすく書かれていますので、山城歩きには大変参考となる一冊だと思います。
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