団員が投稿した書籍のレビューを最新順で表示しています。
「英雄たちの選択」でお馴染みの磯田道史氏の著書です。元禄期の書物である「土芥寇讎記(どかいこうしゅうき)」を基に、他の史料も併せて、殿様達を批評しています。この「土芥寇讎記」とは、公儀隠密が各藩を内偵した情報を、幕府高官が纏めたものだと言われています。書物の性格上、内容は辛辣に書かれている様です。この本に取り上げられている徳川光圀や浅野内匠頭は、ドラマや映画のイメージと実像は違っているのは知っていましたが、岡山藩二代藩主・池田綱政には子供が七十人いたのには驚きました。オットセイ公方と言われた?将軍・家斉でさえ五十人でしたよね。解りやすく書かれているので、結構、気楽に楽しく読むことが出来ました。余談ですが「土芥寇讎」とは耳慣れない言葉ですが、出典は「孟子」で江戸期の武士階級には馴染みのある言葉だったらしいです。意味は「殿様が家来をゴミの様に扱えば、家来は殿様を敵の様に見る」です。これは現代の組織でも通用しますね。
目次は以下の通りです
1 天下人による列島統合
2 近世前期の朝廷と文化
3 近世前期の政治と外交
4 身分社会の見方
5 泰平の世の幕府政治――社会の変化への対応
6 藩から江戸時代史を見直す――その前提作業として
7 環境と生業
8 民衆思想と民衆運動
9 近世日本と清・琉球
10 商人の活動と交通
11 大名屋敷と江戸の都市社会――久留米藩を事例に
12 近世の大火・水害・地震
13 知と書物の広がり――商業出版の成立は近世社会をどう変えたか
14 土豪・豪農と地域社会
15 歌舞伎・浄瑠璃にみる民衆文化
16 列島北方の社会と交流――アイヌ史の観点から
17 医療をめぐる社会と文化
18 近世社会におけるジェンダー
19 大御所時代――徳川家斉期の幕府
20 世界の中の幕末日本
近世は日本の歴史の中でみても現代に生きる我々からして少し前という感じですが、まだまだ変更の余地があることを理解しました。歴史っておもしろい。
豊臣秀吉の知力権力に翻弄された織田信雄と北条氏規が主人公。死ぬか生きるかの時代に、紆余曲折の数奇な運命をたどった二人が肥前名護屋城で御伽衆として再会します。運はいいが才能がない信雄と、才能はあるのにうまくいかなかった氏規。韮山城で対峙したこともある二人の思い出話はつら過ぎて笑えませんが慰めあう中でひとつの答えが出ます。勝ち組とは何ぞや?豊臣家と対比して考えると面白いです。
隠岐の9城、出雲の62城が掲載されています。今まで発売された出雲の山城と石見の山城を併せると島根県の城はかなりがカバーされているものと思います。
それぞれの城について地理、城史、城の構造、城の特徴の項目について書かれてあります。縄張図や地図も掲載されていますので、とても参考になります。
江戸城を実際に歩いて攻城したい人向けの本のようです。
徒歩で3時間かけて「3-1 九段下から東京 3.4キロ」コースにチャレンジしてみましたが、かなり詳しく攻城ルートが書かれており非常に参考になりました。江戸城の痕跡を隅々までしゃぶり尽くすというような感じの本です。
一例をあげると、上記コースの場合、本に書いてある首都高神田橋ランプ下の石垣は言われないとなかなか気が付かないのではないかと思いました。
なお、5年前に発行された本なので情報が古くなっている箇所が若干あります。例えば上記コースの場合、本では常磐橋が工事中で橋を渡れないことになっていますが、現在は工事完了していて橋を渡ってからそのまま常盤橋門跡を攻城することが可能になっています。また、広報千代田によれば、一部を除き、常磐橋に使われている石は小石川門の石垣の再利用だったことが工事中に判明したそうですが、これも本の発行後に判明した情報と思われます。
結論としては、古くなった情報が若干あるものの全コース制覇にチャレンジしたいと思わせる魅力を持った、有用な本であると思いました。
団長の推薦と、攻城団での勉強会の復習に持ってこいと思い、手に取りました。高校の教科書の内容の変化点と今後の展望について書かれていますが、その教科書は勉強会で使用している教科書とは違い、新しいカリキュラム「日本史探究」に沿って作られ2023年に発行された教科書となっています。
読んでみて感じたのは、事実は一つであるにもかかわらず、研究が進む事によってその事実が変化しており、またこれからも変化し続けることです。
この本を読んで、自分が学生の時に習ってきた日本史との違いを感じるのも良いかもしれません。
桃崎先生が書かれた「平安王朝と源平武士-力と血統でつかみ取る適者生存」の中で本書について触れていたので、遡って読んでみました。
正直言ってこれまで武士の生い立ちについてあまり関心がありませんでしたが、鎌倉・室町・江戸時代の中心となっていく武士が、どのような生い立ちで生まれてきたのか、この本を読んでなんとなく解ったような気がしますし、武士の生い立ちについて興味を持てる様になったと思います。
渋いところ衝いているなぁと思える山城のチョイスが魅力の本。100名城に選ばれているお城の紹介は少なく、遺構がしっかり残っている山城を紹介している。オールカラー、縄張りの立体イラスト、現地遺構の写真など掲載されており、簡単に言ってしまえばマニア向けだが、山城の魅力に気づかせてくれそうな一冊。
お城の知識の習得兼城郭検定1級あたりの参考書になるかなと思い櫓編とともに購入しました。マニアックな専門知識がたくさん載っているので、マスターすればまさに「博士」だと思います。一通り読みましたが、まだ全て頭に入りきっていないです笑
何度も読んで勉強したいと思います。
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