有明海にポツンと突き出した島、絶景です。
佐賀の南端部、太良町にある竹崎城跡に行ってきました。龍造寺時代には山城の特徴を持ちつつ、海に面した水陸両面に備えた城郭だったそうです。
現在はかつて竹崎観世音寺の拝み堂だったとされる場所に竹崎城を再現した展望台が建てられ、目の前に広がる大パノラマを楽しめる観光スポットになっています。
場所はまさに佐賀最南端の島、有明海の海運と島原侵攻の重要拠点だったそうです。海を監視し、山地を迂回する海沿いの街道筋を押さえる要衝にあり、要塞化するには理想的な地形に見えますね。
竹崎城は1378年(天授4年/永和4年)に島原の有馬氏によって築城され、戦国時代は龍造寺氏の重要拠点として整備されました。江戸時代、天草四郎で有名な「島原の乱」後に廃城になったそうです。
島原を治めた有馬氏と接する龍造寺氏の最前線の城塞であり、太良町に8つ存在した城の中核的な城であったとされ唐津城や佐賀城に匹敵する規模の城であったと推測されています。
実際の竹崎城の主要部は、現在の模擬天守が建つ展望台よりも少し内陸側にありました。展望台の駐車場から、徒歩数分です。
現存する石垣と案内板。
出入口跡のような痕跡。
登ってみると、思ったより奥行がありません。
近隣の民家そばにある石積みの跡。
案内板によると空堀の跡があるとのことで周辺を探すも、それらしい痕跡を見つけることができませんでした。せめて調査時の遺構の場所が解る縄張り図のようなものを掲示してほしいですよね、せっかく沢山の城跡が残っているのですからもったいないですよ。もう少し見に来た人にわかりやすいように掲示してもらえれば、見に来る甲斐もあるというものです。
これ以上は城の痕跡を見つけられそうにないので、展望台にやってきました。
有明海に突き出した展望台(模擬天守)です。
1階部分は潜水漁が盛んだった太良町の資料が展示されています。
展望台内部です。
展望台からの眺望案内板。佐賀市は水平線で切れるんですね、対岸の福岡県大牟田市、熊本県荒尾市、隣の長崎県島原市、諫早市まで望めるという超絶景ポイントである事がわかります。
雲仙方向の眺め、少し霞んでいるので見えにくいですね。
竹崎城跡の石垣方向、かつてはここに城郭群があったのでしょう。
太良町の中心部方向。
展望台から海へ降りて行くこともできます。
海へ降りてきました、ここも城の重要な施設だったのではないでしょうか。
佐賀の最南端にある竹崎城跡。日本屈指のマイナー県、さらにその辺境部の、さらに端っこにある展望台。おそらく日本国民のほとんどが見ることもない場所だと思うのですが、そんな場所にもこういう施設があって歴史があります。
ただ、残念なのは城跡の調査資料など、この地に興味をもってもらうための資料が見当たらないことなんです。
美しい眺望なんて、日本中に掃いて捨てるほどあるんです。そんなものを売りにしたところで、より利便性がよくて訪れやすい場所に多くの人は行ってしまいます。
こういう場所でも観光に訪れてもらうには、やはり地元独自のストーリーを語ってドラマを作り出すしかないんですね。
私のように戦国期の佐賀に興味を持てば、佐賀市内からここまで労を厭わずにやってきます。「展望がいいですよ~」というありきたりなことではなく、龍造寺氏 VS 有馬氏といった戦国時代のストーリーを資料とともに語るとか、地元ならではのオリジナリティを持たせる取り組みを期待したいですね。
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