団員のレビューが投稿されている関連書籍をご紹介します。
女子高生とお城の漫画と聞いて気になっていました。全巻あっという間に読んでしまいました。
今まで素通りしていた街や山も、お城にハマると「気づかなかっただけで実は昔そこにあったんだ」と気付いて、知ったことにうれしくなったりワクワクする気持ちはとても分かる〜!☺️
またみんなで楽しく勉強しながら城巡りする様子や、主人公のあゆりがどんどん城巡りを好きになっていく姿を見て、自分ももっと色んなお城を巡りたい!と思いました。
タイトル通り女子高生が東京都内(一部都外)の城址を巡るお話です。攻城団に出会って東京近郊の城址巡りをしている身としてはもう共感しかありません。1巻で登場する城址は世田谷城、石浜城、深大寺城、江戸城、稲付城、成宗城。このマニアックなお城がどのような切り口でストーリー化されているのか気になりますね。
日本の城を、調べて検索する総覧的な書物としては、今のところ最良の1冊ではないでしょうか。
どうしても、100名城絡みの本が目立つのと、本の厚み、価格等のこともあるんでしょうが、100〜200城ぐらいの掲載本が多い気がします。しかし、城好きたる者、もうワンランク上の攻城を目指したいところなので、この全国で1000城というのは、最適解という気がします。これ以上、多くなってしまうと、楽しく巡る範疇を超えてしまう感じがしてしまいます。自分だけかもしれませんが。
22年の発行ですので、情報も、しっかりと新しいですし、県ごとの地図が道路表示も明記されているので、車で攻城している身には、なにより有り難いです。車で廻る際の城の位置関係が、これだと分かりやすいです。けっこう鉄道路線図しか出てない事が多いですので。
このものすごい内容量の割には、持ち歩きも可能な大きさですし、正続100名城スタンプ帳を併せたぐらいでしょうか、お値段も、納得のいく範囲内ではないでしょうか。
無駄のない造りになっており、それでいて、必要なことは、全て網羅されている、なかなか洗練された一冊だと思います。
なんといっても掲載量が多い!
マイナーな城でも本を開けば見つかるし、詳しいことまで教えてくれます。
この本を持っていて損はしないと思います。
それなりに厚めですが持ち運びも十分可能なので、
城好きの方は必ず手に取って欲しいです!
かねてより、ずっと気になっていた漫画を読んでみました。城なんて、まったく興味がない今時の女子高生が、ひょんなことから東京の城址を巡る事になり、この1巻の終わりには部を作り、部長になるところまで、話が進みます。部員は、やたら城に詳し過ぎる女の子と二人だけですが。
しかし、登場する城が、なかなかの渋さです。都内に住む高校生が、休みや放課後に徒歩メインで訪問するので、江戸城以外は、どこそれは状態です。でも、そこには城としての歴史がきちんとあり、それほど遺構が無くてもやはり魅力的であり、実際に訪問してみたくなります。それぞれの城を攻城団で挙げられている写真で比べて確認してみましたが、すべてきちんと正確に描かれている事が良く分かります。彼女たちが、歩いたコースが徒歩で何分かかるかが、地図と共にさりげなく書かれているのもポイント高いです。
日暮里駅には太田道灌像があるようです。主人公同様不勉強で、自分はまったく知りませんでした。初めて知りました。今、妙に行ってみたくなっています。
この漫画は、城好き心を刺激する、なかなか面白いところに目を付けた内容になっていると思います。今現在、第4巻まで出ているようなので、主人公の成長を見守りながら、楽しく読んでいきたいと思っております。
書店の歴史コーナーの新刊書でたまたま見かけて試し読みしたら、内容が凄すぎで思わず購入。
発行日を見ると今年11月に発行されたばかりの新しい城郭参考書で、日本全国の1055基の城郭を網羅して解説している一冊です。掲載城も日本100名城・続日本100名城クラスの有名な城から、市史跡指定城郭や全く指定を受けてない超マイナーな城、中にはお城だけでなくチャシや山口藩庁などの幕末に建てられた城館・陣屋・屋敷まで、いろんな城郭が紹介されていました。
各城郭の解説は、日本100名城や現存天守城では特集ページが組まれていてかなり濃く解説されています。そのほかの城も、築城年、築城主、特徴、所在地、交通アクセスを最低限として掲載しており、今まで知らなかったマイナーな城郭を新たに知ることができました。この中には攻城団未登録城が何基かあり、城郭DB構築プロジェクトに登録申請する上で、決定的な書籍資料として使えるのでオススメしたいです。
ページが448ページあるので少し幅を取る本ですが、持ち歩き用の資料としても使えるかなと思います。
本書は戦国時代の築城から廃城まで、そして古城となってからその後について文献史学を中心に書かれています。筆者が東京生まれということなのか掲載されている城の史料が関東地方のものが多く、東京在住の私としては、訪問したことのある城名が多数出てくるので、過去の訪問記録、写真を見ながら読み進めました。城の維持管理として城内清掃について触れていますが、きれいにするばかりではなく城掟にて城内設備のメンテナンスも定められている事を知り、現在の5Sの一つ「清掃」に匹敵する考え方が戦国時代からあった事に驚かせられました。一方、古城については今まで耳にしたことのない城名もあり、城跡の数の多さに改めて驚かされました。また、古城のその後ですが再利用される場合も多く、再興される他に、陣所、村の城として利用されているケースの他、古城の城破りは形式的なものが多く再度城破りを行ったケースなども紹介されていました。城郭研究の楽しさや難しさを垣間見られる一冊かと思います。
お城が大好きな女子高生と、お城に興味のない女子高生の2人を中心に進んでいく作品です。
訪問する城は攻城団の制覇モードのようなマニアックな城ばかりですが、物語の展開がゆっくり進んでいくのもあり、実際に城郭の訪問をしているような気分になります。首都圏在住の方ならこれを片手に気軽な休日の城郭散歩も良いかもしれません。
僕らは攻城の折に、何もない城址だとつい「残念ながら遺構は見られない」と思い、書いてしまいますよね。事実そう感じてしまうことで仕方ない。そんな中でも何かいい所を見つけて書きたいものです。そんなご同輩や私に、この本!
城って、造るのが大変で注目されるのはそこだと思いますが、落城することもあれば、天災で壊れそのまま廃城になることもあったわけで、そうした例を数多くの文献を引用して紹介してくれています。完全に破却される城がある一方、現代も遺構がある城址も存在する訳や、植栽の手入れやごみ・糞尿の処分などメンテナンス、門限や賭け事などのルール(城掟)といった生活観まで教えてくれます。
城掟ってものが残っていることを知りました。機会があれば見てみたいな。
とても生き生きと描かれています。肥後国人一揆の様子など、単に城郭だけでなく、戦闘を想定している絵もあり興味深かったです。阿波に畑山城なんてあったんですね。お城がかつて機能していたことを改めて認識させられる本です。
戦国時代の城が築かれてからその役目を終えて廃城になるまでの「城の一生」を、文献史料を丹念に読み解いて探る一冊。築城の仕方、日々の使われ方や維持管理、不要になったときの処理の仕方、使われなくなった城の再利用まで、決して多く残されている訳ではない史料の中から浮かび上がってきて、攻城戦や縄張りだけではないお城の魅力を引き出してくれる。「城掟」から読み解く城のメンテナンスや警備、城兵に課せられた禁止事項などが興味深い。
城メグリスト萩原さちこさんとナワバリスト西股総生さんが城歩きの面白さを語り合いながら、32城を紹介する。戦国時代の城、土造りの城をまとめて「山城」と考え、入門者がその醍醐味を知ることができ、楽しめるように城を選び、必要な装備・縄張図の見方も伝授してくれる。攻城するのに適した時季を示してくれていて親切。
これまでは枡形や横矢掛り、馬出といったパーツの機能は知っていても、縄張全体の意図を理解できていなかったのだと、この本を読んでよくわかった。
その城だけを取り出してもあまり意味はなく、特定の立地条件の中に置いたときに初めてその機能がわかる。近世の名古屋城のような城でも、立地とのかかわりが濃いことはブラタモリなどでも紹介されているが、戦国時代の城では築城者の戦略との密接な連関が必ずあり、それを読み取ることは私たちの理解を深め、攻城の楽しみを増してくれる。
関東の土の城に興味をお持ちの方には一読を薦めたい。
タイトルだけにつられて購入。
読んでみると面白く、またお城に関する解説も楽しめます。天守もないマニアックな城址を女子高生が巡るマンガが発行されるなんて、お城に対する一般の理解も深まったってことなのかな?
「いざ行かん、身近で知的な小旅行!」
香川さんの城郭イラストが存分に楽しめます。
すべてのページがA3サイズの折込みとなっているので、イラストがページ綴じ部で分断されることなく楽しめます。自宅等でひとつひとつの作品をじっくり味わうような、そんな見方に適した1冊だと思います。
(逆の言い方をすれば、実際攻城する際に携帯するには向かないですね)
当時のそのお城の歴史や、動きが解る立体城郭図とでも言っておきましょうか、現地に行って写真を撮り、そのあとに比べて見ると再現度が非常に高い事が解る鳥瞰復元図です。
最近では、香川元太郎先生の鳥瞰図は全国の資料館などでも見掛けることが多くなりました。
少しお値段の方は高いですが、納得できる一冊です。
東国の城の進化の様子を14の城の復元イラストと縄張り図で解説した一冊。城は戦いに備える軍事施設と考える西股氏が、地形や任務・歴史的背景・戦い方の変化等の様々な要因によってオーダーメイドの城が作られていった過程を語る。縄張図を読めなくても、香川さんの鳥瞰イラストで城の全体像が一目瞭然。どれも個性的な城ばかりだ。
戦国の城=土の城を歩きたい人に首都圏(千葉・埼玉・東京・神奈川)に残る城跡を紹介する。実際に訪ねた時の城の見方、見落としてはいけないポイントを縄張図と写真で解説。巻頭の小机城をはじめ入門編から中級編まで、「歩きやすくわかりやすい」をコンセプトに21の城跡を紹介している。
香川さんが描かれた全126点の鳥瞰復元図が見れるだけでもすばらしいのに、A3の大きさで印刷されているので細部の描き込みまではっきりわかります。けっして安くはないのですが、それだけの価値がある1冊です。
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三浦先生が書かれた「近世城郭の作事 天守編」に続き、今回は「櫓・城門・土塀」編を読みました。特に、城門、土塀については書いてあることのほとんどが初めて知る事でした。城門の種類ですが、薬医門は安土桃山時代だけで、高麗門は文禄・慶長の役で朝鮮半島での築城時に発明され、構造は薬医門と変わりませんが屋根が小さいので防戦上で有利、屋根が小さいので用材が少なくて済むなど、関ヶ原の戦い後、薬医門から進化した高麗門に取って代わられたそうで、現在城跡に残っているのは圧倒的に高麗門で、医薬門は少ないとの事です。また、関ヶ原以前の櫓門では石落がないので、櫓門の石落は関ヶ原以降の発明と考えられるとの事を初めて知ります。土塀についても、付壁塀、築壁塀など色々な種類があるそうで、天守、櫓以外に城門、土塀にも注目することにより、新たなお城巡りの楽しみを再発見させてもらえた一冊だと思います。
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