三重県四日市市にある顕正寺山門は神戸城の大手門が移築されたものと伝わっています。
四日市市指定
有形文化財(建造物)顕正寺山門
この門は、冠木(かぶき)門の上に切妻屋根をかけ、背後の控柱(ひかえばしら)との間にも切妻屋根を直交してかけたいわゆる高麗(こうらい)門である。
本柱二本は矩形断面の角柱で木割太く、柱上で直接棟木を受ける。冠木は内法(うちのり)より高めにとって本柱に冠木を通し、中央に束を立てる。
腕木を本柱と釣束に三本通し、出桁を支えて垂木をかける。控柱は角柱、本柱と同様に腕木を通して出桁を支える。
本瓦葺・一軒半繁(ひとのきはんしげ)垂木、破風拝(はふおが)みに雁股縣魚(かりまたげぎょ)を飾る。扉は二枚の板戸を装置し、筋鉄を鋲打ちにして潜戸(くぐりど)を付ける。
この門は、明治九年(一八七六)に鈴鹿市の神戸(かんべ)城の大手門を移築したものであるといわれている。旧城門らしく、たちが高く、いかめしいものの、簡易なつくりで、もとの建立年代は江戸時代中期と推定される。平成十年三月三十一日
四日市市教育委員会