城をとる話 (光文社文庫) 文庫

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本書は、1965年に「カッパ・ノベルス」から刊行されて以来一度も判型を変えて出版されることなく、幻といわれていた司馬遼太郎の名作を、初めて文庫化したものである。石原裕次郎の依頼で書き下ろされたというこの作品は、1965年1月から日本経済新聞夕刊に連載され、『城取り』と題された石原主演の映画は同年3月に公開されている。若き日の石原を彷彿(ほうふつ)とさせる豪傑な主人公・車藤左(くるま・とうざ)が活躍する娯楽要素たっぷりの傑作時代小説である。    関が原の合戦を間近に控えた慶長5年(1600年)、車藤左と名乗る西国牢人が、会津上杉家馬回役・中条左内の屋敷を訪れる。ちょうどそのころ、上杉家にとっては、頭の痛い問題が持ちあがっていた。敵対する隣国伊達家が国境に築城をはじめたというのである。たった一人でその城を落とすと豪語する藤左。左内とともに敵の城を目指す藤左のもとにはやがて、地の利を心得た山賊、火術を扱う堺商人、村を治める巫女といった個性的な人物たちが集結する。    この作品の一番の魅力は、司馬の著作『竜馬がゆく』の坂本竜馬にも引けをとらない藤左のキャラクターにある。突拍子もない作戦で敵をかく乱したかと思うと、あっけなく捕われてしまったりと、藤左の大胆な行動力が物語をテンポよくおし進める。藤左のリーダーシップや、目標に向かって自己を発奮していく姿、トラブルへの対処法などは、現代人にも通じるものであるだろう。ただし司馬は、藤左を英雄としては描いてはいない。息をのむような無常な光景が広がるラストシーンには、司馬の歴史観の原点を見る思いがする。(中島正敏)

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書籍の情報

タイトル 城をとる話 (光文社文庫)
著者 司馬 遼太郎
出版社 光文社
発売日 2002-11-12
ISBN
  • ISBN-10 4334733999
  • ISBN-13 9784334733995
価格 799円
ページ数 411ページ

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猛将妄想録 1 (電撃ジャパンコミックス)

いまでも定期的に読み返す一冊。たまたま見かけたこの本のおかげで攻城団にマンガという武器が加わったと思うと感慨深いです。攻城団で発表した作品を収録した続刊も出版したいと思ってます。

こうの)

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