「城郭考古学」の可能性に、読みながらワクワクした。現地で、実物資料(城、城跡)を調べることで築城者の心理まで見えてくる…。城をスタートにして、あらゆる方向に目を向けられ、しかも、誰でもそのスタート地点に立ち、実際に見て、触れて、感じ、考えることができることは、なんて素晴らしいことだろう。更に海外の城と比較し、見えてくるものは何かを考える「比較城郭考古学」なる分野も出てきた。誰でも楽しめる文化財整備についての提言など、著者の積み重ねてきた思いを、たくさん語ってくれます。
お城の知識だけでなく、お城を学ぶことの意義、城郭考古学が社会に還元できること、未来へ貢献できること、世界の城と日本の城との比較、21世紀の城郭整備の在り方についてなど、色んな角度からお城について知り、考えることができました。
また、文学博士でもある千田先生の情緒豊かな言葉選びが読者の心を惹きつけます。
お城好きの人たちを勇気づけ、新しいお城の冒険へと背中を押してくれる一冊です。
おなじみ千田嘉博先生の著作です。
城郭考古学という分野について、古代から近世の城の解説、海外の城との比較などを通じて知ることができます。先生の体験談なども紹介されており、楽しく読むことができました。また、文化財の保存方法などについては、厳しい指摘もあり考えさせられます。
この本を通じて、城郭考古学という分野を開拓した千田先生の偉大さを再認識できました。
テレビで良く見る千田先生の著書を読んでみたくなり手に取った1冊がこの「城郭考古学の冒険」です。まず城の歴史やその変遷について簡単に解説した後、城の鑑賞術として櫓、門、石垣、堀から歴史を読み取る方法が書かれており、今後の城跡巡りの参考になりました。そして織田信長、明智光秀、松永久秀、豊臣秀吉、徳川家康の築いた城の変化に付いて解説されており、特に松永久秀の信貴山城、多聞城については興味深く読ませて頂き、かつ久秀に対するイメージも変わりました。次に、世界の城と日本の城の比較として、外枡形、馬出し、及び畝状空堀群など共通している部分があることを知りました。また、お城のバリアフリー化についての提言も興味深かったです。最後に千田先生のお膝元の奈良県の中世城郭、近世城郭の対応についての提言が書かれていました。大学の先生が書かれた著書として一般の方は読みにくいのではと心配していましたが、読んでみると理解しやすい書き方、千田先生の人柄が表れた内容となっており、お勧めの一冊です。
タイトル | 城郭考古学の冒険 (幻冬舎新書) |
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著者 | 千田 嘉博 |
出版社 | 幻冬舎 |
発売日 | 2021-01-27 |
ISBN |
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価格 | 1034円 |
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