たなとすさんのレビューを読んで、関心を持ち図書館で借りて読んでみました。
これまで歴史の関する本は数多く読んできたが、今回の様な歴史小説は初めてです。
この小説は、加藤清正に仕える築城家木村藤九郎の成長を描きながら、お城がどのように作られるのかを理解することが出来、また築城する際の関係者たちの葛藤がよく描かれていると思いました。
加藤清正、藤堂高虎など築城名人の大名として知られていますが、その配下で直接に普請作事を行った築城家の存在と役割を知る事が出来る1冊だと思います。
文庫本が出版されたので購入し読了。
縄張りの説明はできるだけ詳しく書かれており、名護屋城、西生浦城、蔚山城、熊本城は簡単な縄張り図も掲載されているので理解しやすい。
お城の用語はできるだけかみ砕いて説明されていたり、熊本城天守がなぜあのように石垣から張り出した天守になったのかなど、お城初めての方から熟知した方まで楽しめること間違いなしの1冊。
加藤清正に仕えた城取り(築城家)の物語です。架空の主人公ですが、実在の人物も多く登場します。
安土城の焼失、清正の肥後入国、文禄・慶長の役での名護屋城・倭城の築城、蔚山城での籠城戦、一大事業となる熊本城の築城などが描かれます。築城シーンの描写は千田嘉博先生が協力されており読み応えがありました。
この物語を通じて築城にたずさわった人々の思いを感じることができ、お城の見え方も変わりそうです。
タイトル | もっこすの城 熊本築城始末 |
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著者 | 伊東 潤 |
出版社 | KADOKAWA |
発売日 | 2020-09-30 |
ISBN |
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価格 | 2090円 |
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三浦先生が書かれた「近世城郭の作事 天守編」に続き、今回は「櫓・城門・土塀」編を読みました。特に、城門、土塀については書いてあることのほとんどが初めて知る事でした。城門の種類ですが、薬医門は安土桃山時代だけで、高麗門は文禄・慶長の役で朝鮮半島での築城時に発明され、構造は薬医門と変わりませんが屋根が小さいので防戦上で有利、屋根が小さいので用材が少なくて済むなど、関ヶ原の戦い後、薬医門から進化した高麗門に取って代わられたそうで、現在城跡に残っているのは圧倒的に高麗門で、医薬門は少ないとの事です。また、関ヶ原以前の櫓門では石落がないので、櫓門の石落は関ヶ原以降の発明と考えられるとの事を初めて知ります。土塀についても、付壁塀、築壁塀など色々な種類があるそうで、天守、櫓以外に城門、土塀にも注目することにより、新たなお城巡りの楽しみを再発見させてもらえた一冊だと思います。
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