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◆プロフィール◆
1972年大阪府生まれ。「太閤はんの城」を見て育つ。
歴史歴は小学3年のころ、小遣いをもらうたびに買い揃えていった小学館版『まんが日本の歴史』に始まる。
大学では、主に近代外交史を学ぶ(史学ではなく政治学)。
その後、歴史とは離れるも、京都伏見で働いていたとき偶然、小栗栖の明知藪を発見。歴史熱が再燃する。
寺社仏閣巡りを経て、現在に至る。

いけだ商会さんのレビュー(書籍)

いけだ商会さんは7件のレビューを投稿しています。

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明石城完全攻城ガイド

写真、図版、イラストが豊富で視覚的にも楽しめます。
また、詳細なデータや豆知識的な話題もあり、読み応え十分です。
個人的には、総ページに対してマンガの分量が少し多いかなと。
ムスメ(7才)が、「これ欲しい!ちょうだい!お願い!」と、やけに気に入った様子。「どこが気に入ったん?」と聞いてみると、「だって、マンガがあるから!」
改めて、マンガの力を認識しました。
このシリーズが増えていったら、マンガの部分だけを再編集して「マンガお城の歴史」として発行できそうですね。

武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世 (ちくま新書)

 今、すべての攻城団員に問う。
「武士の起源とは?」

 武士とは何かも知らないで、やれ侍ジャパンだのサムライブルーだの武士道精神だのと言っている日本人のなんと多いことか。
しかし、この書物を紐解けばわかります。

 私がまだ、かわいらしい少年だったころ、学校の授業で習った坂上田村麻呂(蝦夷を制圧、アルテイを生け捕りに)や藤原秀郷(平将門の乱を鎮圧)について、素朴に疑問に思った。
「この人たち、何でこんなに強いん?」

 朝廷からの命令を受けて派遣されたこの人たちは「貴族」である。「貴族」であれば、蹴鞠や和歌や、麻呂でおじゃるの世界だ。それなのに、方や対外戦争に勝利し、方や板東一円を力で制した将門を破った。「何で?何で勝ったん?」
 その疑問が、本書を読むことで、スッと解消することになろうとは!(ただし、田村麻呂も秀郷も本書でいう「武士」の定義には足りていない。)

 著者は、「武士とは何か」「武士の起こり」といったタイトルで習う教科書的知識、「地方の富裕農民が成長し、土地の自衛のために一族で武装し武士となった」説はでたらめで、「都の武官から生まれた」説も確証がないと切り捨てる。そして、奈良時代・平安時代の中央・地方の実情を丹念に読み解き、「武士」を定義づけていくのである。
平安朝期の地方がいかに「ヒャッハー!」な時代であったかは本書を読んでいただくとして、「武士」の定義である。

「武士」はあくまで「武『士』」である。これは、「儒教の『礼』思想が理想とする、周王朝の身分秩序=王・公・卿・大夫・士に由来する」ので、武士はあくまで貴姓でなければならない。およそ「大夫」が五位以上であるので、それ以下かつ無位でないことが条件となる。このため、どれだけ実力があっても農民が武士たり得ることはなく、都の武官であれば、殿上人(四位以上)となり、やはり「武士」とは言えないのである。

 また、著者は、「武士の役割とは、武芸を磨き、戦で勲功を挙げ、主君のために討ち死にすること、それらの責務を果たすべき家に生まれた自覚を保ち、磨き、名を惜しむ(世の評価を重んじる)こと」、(武士の)「武芸は『弓術』だった。それは、弓矢が最強の武器で、それゆえに最も習熟困難な武器だった」と説き、武芸に専念できる環境、経済的バックボーンが必要で、他の職業と掛け持ちできる代物ではないと断じるのである。

 そこで、本書のサブタイトル『混血する古代、創発される中世』につながってゆく。何がどう混血し、中世になって、何が創り出され、武士がどのように誕生するのか。詳しくは本書をお読みいただきたい。
 
 著者によってもたらされた結論も諸説のうちの一説であり、今後、専門家による検証や批判を待たねばならないが、個人的には、非常にスッキリとした爽快な読後感を得ることができ、良書に巡り合った喜びに浸ることとなった。

戦國の山めぐり

「山城を知りたい」と思ったときに、ほぼジャケ買いした一冊です。
ポイントは「合戦の舞台になった城」が選ばれていること。自分は、お城の土木や建築には疎いので、お城へ行って「歴史を視る」ことになります。したがって、「知らない土地の知らない人が建てたお城」へ行くというインセンティブが働かない問題が起こります。そういう時に、この手の本があると助かるとおもい購入しました。
取り上げられているお城は、東北から九州まで各地から選ばれているので有名どころが中心となっています。かつ、初心者の装備で山歩きが楽しめるところですので、多くの団員には物足りない内容かもしれません。
初心者が使おうと思うと、アクセスや縄張図などの情報が少ないので、結局、他の本やウェブサイトで調べなおさないといけ
ません。
高評価できる点は、全頁にカラー写真・カラー図版が使用されているところ。
あくまで、とっかかりとしてのガイドブックとしてか、写真集のようになら使えると思います。

白頭の人-大谷刑部吉継の生涯 (中公文庫)

大谷吉継の伝記小説。大谷平馬(吉継)と石田佐吉(三成)との少年期からの友情、豊臣秀吉からの絶大な信頼を軸に、吉継の生涯を描いた作品。
特に、秀吉の死後、関ヶ原の戦いまでの間のヒリヒリするような緊張感が伝わってくる。

光秀奔る

10年ほど前の作品ですので、現在アマゾンでも取り扱いできないようで入手しにくいかもしれません。ムスメと図書館へ行ったときに見つけました。
光秀による丹波攻めから関ヶ原前夜、ガラシャの死までがメインの小説です。
丹波攻めの最中にも、畿内のみならず、北陸・近江・播磨と八面六臂の活躍をしていた光秀。織田家中の武将間で行われていた手に汗握る情報戦の様子がよく描かれています。
本能寺の変については、「信長の首」と「細川藤孝の動き」がキーとなります。

歴史REAL明智光秀 (洋泉社ムック 歴史REAL)

NHK大河ドラマ「麒麟が来る」の予習用ガイドブックのような本。ムックですので、写真・図版・地図なども豊富で気軽に手に取れます。
お城だけでなく、古戦場やお寺、遺跡の情報もたくさんありますのでゆかりの地巡りの計画にも役立つかも(知らんけど)。
饗応料理の再現企画なども興味深い。

明智光秀と近江・ 丹波 分国支配から「本能寺の変」へ (淡海文庫)

従来、織田信長との関係性で語られることの多かった明智光秀。
本書では近江志賀郡支配、丹波攻略における国人衆とのかかわりの中から、光秀個人の活動、歴史的位置、光秀がどういう人物であったかに着目する。
取り上げられている書状・資料からは、「文化人」「政治家」としての光秀よりも、「武人」光秀の姿が浮かび上がってくる。

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今日のレビュー

全国 御城印 大図鑑

マイナーな城の御城印も多く紹介されており、情報量がすごいです。この本だけでも御城印を集めた気分を味わえてしまいます。
御城印のデザインの由来など解説も充実しているので、御城印を集めていない人も楽しめます。
城の写真には提供した団員さんの名前も記載され、攻城団のみんなで作りあげた感が詰まっていて嬉しくなりました。

伝もものふ山田(ヤマー)さん)

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