遠山郷土館の前には「遠山土佐守・徳川家康対面像」があります。
この像のモチーフとなったエピソードがあります。
遠山景直が徳川家康に謁見して食事を賜った際、景直は茶碗を隠しながら食事し、食後は茶碗の上に箸を置いたそうです(いわゆる「渡し箸」)。
この作法について家康が尋ねると、景直は「遠山は貧しい山国で米がとれないために、身分の上下を問わず麦や粟を常食としています。よって貴人の前で食事をする際は、恥じて隠しながら食べるのが習慣になっているのです」と答えました。
家康はこれを聞いて気の毒に感じ、上穂(現駒ヶ根市)1000石を加増し、茶碗の上に箸を置いた構図から「丸字に二つ引両」を考案し、遠山家の家紋とするように命じたといいます。