市場城跡に設置されている案内板の内容を紹介します。
市場城(いちばじょう)(大草城(おおくさじょう))
豊田市指定文化財(史跡・平成四年三月二日指定)
市場城は、標高三八〇mの山頂にある室町時代の山城です。
文亀(ぶんき)二年(一五〇ニ)に初代鱸(鈴木)紀伊守親信が築いてから、文禄(ぶんろく)元年(一五九ニ)に退去するまで九〇年間、鱸氏の居城でした。(第二代 肥後守長重、第三代 伊賀守直重、第四代 越中守重愛)
現在見られる城の遺構は、四代城主重愛が串原、広瀬の城を攻めて大功をたて、天正十一年(一五八三)家康から所領の加増を受けたときに改修したものといわれています。
天正(てんしょう)三年(一五七五)の長篠の戦い以降鉄砲を主体とした戦は、築城技術にも影響を与え、城の改修は、「諸国古城之図」に見られるように総石垣づくりにするなど、中世の城郭から近世の城郭へ転換したことを示しています。
城内には、遺構に沿って一周十五分ほどの遊歩道がありますので、気軽に散策することができます。豊田市教育委員会