猪ノ口山の登山口にある興禅寺は黒井城の下館(しもやかた)跡であると推定されています。
この下館は赤井直正が黒井城に入城した際に奥村氏の屋敷跡を改修して築いたもので、水濠と石垣などの防御施設も備えている点から、平時に使用する居館として利用されたと考えられます。
また、明智光秀の丹波制圧後にこの地を任された斎藤利三もこの館を居館としており、ここが春日局の生誕の地ではないかと推定されています。
境内には「お福の腰かけ石」や「お福産湯の井戸」が残っています。
黒井城の落城50年後の1626年(寛永3年)に付近にあった誓願寺をこの地に移し、興禅寺としました。
現在は山上の黒井城とともに「黒井城跡」として国の史跡に指定されています。
寺周辺は坂が多く、道も折れ曲がっているなど、現在も戦国時代の城下町の面影が残っています。また根古山、丸山、太刀野、幟立、馬縄手といった城の名残を思い浮かべる地名が数多く伝承されています。
興禅寺の観光情報
住所 | 兵庫県丹波市春日町黒井2263 |
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山号 | 大梅山 |
宗派 | 曹洞宗別格地 |
本尊 | 釈迦如来 |
開基 | 黒井城城主荻野悪右衛門直正 |
中興年 | 1626年(寛永3年)移築年 |
URL | http://www.michi-kasuga.jp/contents/kanko/kasuga04.html |