天神山城跡に設置されている案内板の内容を紹介します。
魚津市指定文化財 記念物(昭和三八年四月一日指定)
史跡天神山城跡(てんじんやまじょうあと)
魚津市街地の北東に位置し、天神山(標高一六三m)と呼ばれる独立丘陵上に築かれた山城です。山頂には、大きな二つの曲輪(郭)があり、本丸と二の丸に相当します。本丸の中央には、一段高く設けられた櫓台(やぐらだい)があり、魚津城を望むことができます。また、本丸の南側には、眼下を流れる片貝川(かたかいがわ)に沿って長大な土塁(どるい)が設けられています。さらに山頂から山腹にかけて、大小様々な平坦面や竪堀(たてぼり)が今も残っています。
天正十年(一五八二)の「魚津城の戦い」では、上杉方の守る魚津城が織田方の軍勢に取り囲まれていた折、救援にかけつけた上杉景勝(うえすぎかげかつ)が、陣を敷いた城として知られています。
天神山は、かつて「松尾山(まつおやま)」と呼ばれていましたが、室町幕府将軍足利義材(あしかがよしき)が都の乱を逃れて千光寺(せんこうじ)に身を寄せていた時に、持っていた天神像をこの山に祀(まつ)ったことから「天神山」に名を改めたと伝えられています。
また、山頂からは弥生土器が見つかっており、二世紀後半におこった倭国大乱(わこくたいらん)に関係する遺跡とも考えられます。平成二二年九月 魚津市教育委員会