岸和田城の復興天守前にある「八陣の庭」は、日本の昭和期における代表的な庭園研究家であり作庭家でもあった重森三玲(しげもりみれい)の設計で、1953年(昭和28年)12月に竣工した砂庭式枯山水庭園です(着工は同年7月)。
この庭園は上・中・下3段の基壇の中央に、大将の石組みを配置し、これを中心に8つの石組みが円形に配置されています。
これは『三国志』の英雄として名高い諸葛孔明の「八陣法」をテーマにしたもので、中央の「大将」と中段には「虎」、「風」の各陣を配置し、下段には「天」、「地」、「雲」、「竜」、「鳥」、「蛇」の各陣に石組みが配され、360度どの角度からも鑑賞することができるようになっています。
また天守最上階からはその全容を眺望することができます。
(この庭園は天守再建前に作庭されていたという点にも注目です)
水平方向の視点だけでなく、垂直方向にも展開する独創的な庭園として国内外で評価され、2014年(平成26年)には国の名勝に指定されています。