柳本陣屋の近くにある民家には「柳本陣屋西門」とされる門が移築されています。
残念ながらかなり荒廃した状態になっています。
この建物について天理市教育委員会に問い合わせたところ、これが「柳本陣屋西門」とする地元の伝承が存在することは認識しつつも、典拠となる史料や研究論文等は確認できていないとのことでした。
「大和の近世城郭と陣屋」(海津栄太郎著、関西城郭研究会発行)において「柳本藩医の長屋門」として紹介されていますが、これも明確な根拠が提示されているわけではなく、この建物を「柳本陣屋西門」とする見解そのものが現時点では根拠が薄弱であり、その性格や建築年代が確定しがたい状況だそうです。
よって文化財指定も困難であるとのことでした。
(丁寧にご回答くださった天理市教育委員会さまには心からお礼を申し上げます)
インターネット上でも多くのサイトでこの建物を「柳本陣屋西門」と紹介されていますが、現時点での公式見解としては上記のとおり、断定はできないということをお伝えしておきます。